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20. 俺は答えを知っている
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吸い込む酸素が生温い。
八月の息苦しさに比べれば何ということはない。自転車で走りながら吸い込んだあの酸素は体温よりも熱かった。
タクシーを降りた俺たちは、高速道路の高架に沿う道を駅へと走った。走り始めてすぐに吉奈が遅れだした。河津は余裕の表情で俺と並走していたが、「先に行ってて」と足の回転を緩めた。
JRの線路に沿った道に入る。駅まではもう少しだ。
もう少しで俺の夏が終わる。
すぐに冬が来る。
冬の寒きに木の葉枯れ落つるは何の為か。
俺はその答えを知っている。




