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君と駆ける······  作者: 志賀 沙奈絵


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番外編 雄太の誕生日SP

本日は主人公鷹羽雄太の誕生日です。トークショーで色々と訊かれる雄太。茶化したり盛り上げたりとする純也達。騎手が見せる馬上とは違う姿が見られるトークショーはファンには嬉しいイベントですね。


 トークショーと銘打った会場には、たくさんの競馬ファンが集っていた。


 トークショーに出て欲しい騎手のアンケートで上位であり、当日騎乗のあった騎手がステージ上に並んでいる。


「では、次の質問です。『鷹羽騎手のファンになってから長いのですが、奥様ラブな鷹羽騎手があまり奥様を競馬場に招いてらっしゃらないのはなぜですか?』との事です。他にも何通か同じような質問がきてますね。ファンの中には奥様の事を聞きたいとおっしゃるかたが多いようですよ」


 にこやかに笑って話す女性MCの声に会場から拍手が湧いた。


 雄太は手にしていたマイクを口元に寄せて会場を見回した。


「え〜。そんなに気になりますかね? まぁ、子供達がまだ小さいですから、そんなにちょくちょくは来られませんが、北海道遠征の時は長期滞在して競馬場での現地観戦を楽しんでますよ」

「ああ。札幌や函館のファンの方々から、奥様とお子様達が声援を送っているのを見たとか、ご飯を食べている所を見たという報告がきてましたね」


 雄太が笑って答えた後、男性MCが紙の束を持って観客のほうに向ける。


「ええ。子供達を連れてだと食事をするのも大変だからと多くのお客さんがフォローしてくれて嬉しかったと妻から聞きました」

「鷹羽騎手のファンのかたは奥様にもお優しいのですね」

「ありがたいと思ってますよ。俺の妻子だと分かっていて手助けしてくださった方々にお礼を言わなければなりませんね。ありがとうございます。次もよろしくお願いします」


 雄太が手を振りながら頭を下げると観客席から笑いと拍手がおきた。


「では、続いて鷹羽騎手への質問です」

「え? 何か俺多くないですか?」

「そうですか? えっと、『鷹羽騎手にとって奥様はどういう存在ですか?』といった質問です」


 雄太のツッコミをサラリとかわしながら、質問の紙を読んだ男性MCはニッコリと笑う。


「雄太に質問っていうより、惚気のろけさせようとしてねぇか?」


 純也がケラケラと笑いながら言うと観客もつられてゲラゲラと笑った。


「塩崎騎手、気の所為ですよ」

「そうですよ。照れた鷹羽騎手で楽しもうなんて思ってませんよ」


 真面目な顔をするMC二人を雄太はマジマジと見詰める。


「俺で遊ばないでくださいよ〜。もう若手じゃないんですから」


 雄太の言葉に、純也も梅野も椅子から転げ落ちる。後輩は目を真ん丸にして横を向き忍び笑いをしている。


「とりあえず、質問への答えをお願いします。時間には限りがありますから」


 キリッとした顔で言う男性MCだが、目は笑っているようにしか見えない。


 苦手を浮かべながら雄太は答える。


「えっとですね。俺にとって妻は一緒にいて癒されるし、元気をくれるし、パワーのみなもと……っていった所です」

「成る程。では、普段はどんな感じなのか塩崎騎手に教えてもらいましょうか?」


 話を振られた純也がニッと笑う。


「そうっすね〜」

「余計な事を言ったら出禁だからな?」

「それは勘弁だってのぉ〜」


 軽快なやり取りをする雄太と純也に笑いがおきる。


「本当、良い女性ひとっすよ。笑顔が可愛いっていうのは言うまでもないっすけど、料理は絶品っす。後、マッサージは言う事なしっすね」

「塩崎騎手は、鷹羽騎手の奥様の料理の大ファンだとか?」

「俺、あんま野菜食わなかったっすけど、雄太ん家だとモリモリ食えるっす」


 純也の隣に座った梅野もうんうんと頷いている。


「梅野騎手も?」

「ええ。出来るなら毎日食べたいですねぇ〜。低カロリー食だと思えない美味さがありますよぉ〜。レシピ本の出版とか奨めたいぐらいですねぇ〜。騎手の嫁になりたいって女性レディ達に買ってもらうとかどうでしょ〜」


 梅野が話し出すと観客席の若い女の子達からの声援が飛びまくり、それに対して梅野がニッコリ笑って手を振るからキャーキャーと黄色い声が響く。


 テレビの放送時間帯ではないから春香は見られないなぁ〜と思いながら、雄太は会場を沸かす純也達を眺めていた。


 春香がコッソリと録画したものを送ってもらう手筈を整えている事を知らない呑気な雄太だった。







雄太のトークショーを見られないのは嫌だと、春香はちゃっかり手を打ってあります。抜かりはありません。好きなだけイチャイチャラブラブしていて欲しいと思います。雄太、誕生日おめでとう!

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