狙われたオアシス
文化祭シーズン真っ只中。
「風見君、あなたはどう見ますか。」
「それは、友ともいえぬ私に助言を求めているのかい?それとも、特諜局が警護社に助言を求めているのかい?ねぇ、息吹?」
「…」
電話で会話をしているのは、特諜局参謀の氷室息吹と警護社の社員である風見紫樹だ。
「私が今でも君のことを友と思っているか、否か。君にはわかるのかい?」
「いいえ。」
氷室が助言を求めているのは、連続文化祭襲撃事件について。
文化祭シーズン真っ只中、東京に存在する、数多の中高で行われる文化祭が毎回の如く邪魔される。
警備員を動員してなんとか対応できるかどうかのスレスレを攻めているのがわかる。
彼らの犯行動機が曖昧で、他者の意図が介在すると氷室ら、特諜局は考えている。
そして、何らかの指示を受けているようにも見えないことから、先の銃の乱射事件にも通づるところがあり、かなり危機的な状況なのではないか、とも勘繰ってしまうのだ。
本来、特諜局が介入するほどのことではない。
推測がないわけじゃない。
しかし、より、確かな根拠と、助力が必要だった。
「私は、風見さんに意見を求めています。」
「…気分じゃないんだけど。」
氷室は勇気を振り絞っただけに、落胆した。
が、
「…そうも言ってられないみたいだね。」
風見も思うところがあるために、いい意味で裏切られることとなった。
「私も、マフィアも、君たちも、情報網を最大限使って掴めない。そんなものが日本に存在すると思う?」
「…いいえ。」
「だから、必然的に海の外からの攻撃だ。この国をどうにかしようとしている。」
風見は推論を述べた。
「犯人、計画の首謀者は我々の存在を知っていて、ある程度内情も推測できている。君らだって想像したんだろう?狙われているのは十六夜だって。」
「はい。そこだけは一致しました。」
「正確には、十六夜を探し出すために、片っ端から潰しているんだろう。そこで、十六夜だけ、厳重な警備でもしてみれば、十六夜の正体を掴まれるに違いない。」
「かといって、警備を他と同じ程度にするわけにもいかないと。」
「あそこは、ただでさえ、厳重な警備なんだが、わざと薄くすれば、流石に見つかってしまう。」
「全ての中高に我々が出向き、警備をする必要があるわけですね。…協力していただけますか。」
「それを言わせるための電話だろうが、それは社長に言ってくれたまえ。」
「そうでしたね。では。」
氷室は電話を切った。




