這い寄る顔ズ
愚かなる我が同輩よ。
おお、そうだった。我が輩に同輩などはいない。しかし敢えて言おう、愚かな諸君よ、我が輩は貴様らのようなピーマンでも風船でもないと。
マナの消費と供給バランスを考える知性すら失った者共よ、ここに福音を与えようぞ。
ECOだ。
うぬ、理解できぬか。
あ、こらーっ。空鬼めっ、我輩を吸収しようと腕を伸ばすでない。
ふう。切り取らせてもらったコレは授業料に貰ってやる。
どうだ、腕一本とっただけでも、消費量が減ったであろう。
つまりだ。我輩のような、コンパクトなボディにすればよいのだ。
空鬼になりつつある併行宇宙転移者達の前で云う。
どおれ、我が輩が手取り足取りレクチャーして進ぜよう。
どうだ、四肢を取っ払うと、これまでと格段に違おうぞ。
それでも不十分な対応ぞ。
(ぐわははは、これでうぬらは我が眷属よ)
まだ終わらんよ。
我が輩は、さらなる改造を施していった。
最低限の生存維持に心臓の直ぐ下で胴を横に切り離し、空気を抜きながら、究極のフォルムへと作り替えていく。
見た目は正面と上からは人面を背負う"G"だ。
神と同じ"G"を冠に持つ姿の我が輩の軍団が出来上がった。
機動軍団"G"の誕生である。
小型化され省エネされコストパフォーマンスの上がった我らは、機動力も隠密生も上がっている。
虚ろで惚けた表情であった奴らも活路を見つけ、我が輩という指導者を得て、生まれ変わったように眼に光が戻りギラギラしておるわ。
我が輩は、空鬼、夜鬼どもが敵対勢力に屠られるのを黙ってみていたのではない。かといって解説をしていたわけでもない。これはアレだ、察しろ。
このときの囮となった、虚弱そうな年端も行かぬ小娘の持つマナの保有量の多さを感じて我が輩は歓喜したものよ。
長くこの地に留まり、きゃつらの"釣り"の餌がどのような存在がつぶさに見聞してきたことが、とうとう功を奏するというモノよ。
空鬼、夜鬼に堕ちきってしまった輩を誘き出すのに放出するぐらいのマナを存分に持つ者が選ばれているが、今回は濃厚で上質なマナに反してスタミナもなく、おおよそ戦えそうもないちびっ子であった。
あえていおうぞ、堕ちた空鬼、夜鬼はクズであると。
むしろ風通しが良くなってマナの吸収が高くなったということよ。
それでは、弱肉強食の理屈で捕食せずにはおくまいぞ。被捕食者へ進軍の刻。
芳醇なマナに導かれ我が輩らは影に動き、塒へと進入せり。
獲物の姿を存在を確認をすると、その背後に忍び寄る我が軍団。
さあ、狩りをはじめるぞ。