第3章 27「影に囲まれ」
黒ローブは火の移ったローブを投げ捨て、顔を明らかにした。
その顔は褐色肌で耳は普通の人よりとんがっている。いわゆるところのエルフ耳だ。
「お前…」
黒ローブは身長は俺より高く、茶色いシャツは胸元が緩やかに盛り上がっている。
「僕が…女だから…バカにしてんのか?それともエルフだからか?」
「関係ない」
俺は彼女の剣が握られていない方の腕を斬り落とした。
「ぐああぁぁ…」
黒ローブ…いや黒エルフは剣を握ったままなくなった左腕を押さえる。
「おまえ…」
「なんだよ?」
苦し紛れの彼女の声に最早、俺が恐怖することはなかった。
「僕にトドメを刺さなかったことを後悔するんだな‼︎」
急に声を荒げた黒エルフは地面にサドルカの剣を突き刺した。そこから地面は黒くなり、それはドンドン広がっていった。
「お前、一体何を?」
「終わりだよ…お前の負け、今に俺の仲間が…」
なんだかとても癪に触ったため黒エルフのセリフを遮り、心臓に剣を刺し、炎で灰にした。
「さてと…」
周りからは『影』のオーラが湧き上がっている。
「何が?」
足元に残されたサドルカの剣に手を触れた。
『へぇ…同類か…』
どこからともなくそんな声がしたような気がした。
「誰だ!」
そう聞いても答えが返ってくることはなかった。
サドルカの剣を腰に挿して、来た方向に黒の大剣を向けて炎で加速する。
数秒で先ほどの広場が見える。
そこには多くの『影』が見える。広場の真ん中で背中合わせで戦っているのはユウラ、ユニア、飛鬼の三人だ。
「黒ローブは?」
「それなら倒してきた」
俺のその発言にユニアは疑問の色を明らかにした。
「ならなんで『影』が?」
「俺にもわからない…ここは一旦引こう」
俺たちを囲う『影』を剣で一蹴し、城まで退避した。城に戻ってもなお、『影』は追いかけてきた。更には城内にまで…
「くそ…」
城の中を逃げ惑っているとユニアが一つの提案をした。
「一旦、私の部屋に来てください」
否定することなく頷き、俺たちはユニアの元へ向かった。その通り道、庭園を通ると
「もう!なんでこんなに…」
そんな声が聞こえ、庭園から顔を出すとそこにはユウラと同じで『ルナラナ』出身の少女、ロウネだ。
「おりゃあ!」
後ろから彼女を囲う『影』を一掃し、
「ほら、行くよ」
彼女の手を無理やり引いてユニアの部屋へ向かった。
部屋に着くとユニアは慌ただしく棚のものを漁り始め、ある一つの箱を取り出した。
「これって…」
目の前にあるのは黒光りし、いかにも硬そうなブラックボックス。ただ、こないだ見たのよりは多少小さい。
「はい。ダンジョンボックスです」




