第2章 27「どうにもこうにも…」
一体どうしたら良いのだろうか…
そう考えながら自室へ向かった。
「マサキ様?」
そう俺を呼び止めたのは金髪が今日も美しく光るユニアだ。
「あぁユニア」
片手を挙げ、返事をした。
「何かありました?」
「え?」
「すごく暗い表情をしてたので…」
「そんなこと…」
顔に出ていたことに驚き、急いで笑顔を作った。
「そんな無理に笑わないでください」
「ごめん…」
いきなり作り上げた笑顔を不自然に思われたらしい。
少し悪いことをした気がする。
「何があったんですか?」
「実はさ…」
それからユニアに今日あったことを話した。
「捕虜の人たちに気を回しすぎて、自国の人たちに全然気を使っていなかった…」
下唇を無意識にキツく噛み締めていた。
「難しいですね…」
何も言わずに頷いた。
「そうだよな…みんな戦争の後で疲れてるってぇのに、みんなに何もせず捕虜の人たちばっかり気にかけて…」
自分のしてることは間違っていない。そう思っていたのに…
「マサキ様は悪くないですよ…」
「でも…」
俺の反論を遮り、ユニアは続けた。
「貴方が捕虜の人たちを大事にするのはわからなくはないことです。貴方ほど命を大切にする人に私は出会ったことがありません…ちゃんと話せば彼もわかってくれると思いますよ?敵国の人が話を聞いてくれて、自国の人間が聞いてくれないなんて話無いと思いますから」
「そうだよね…」
そう言って立ち上がった。
「彼と話し合わなきゃ」
「はい…きっと大丈夫ですよ」
ユニアと別れ、また牢獄へ向かった。
「また来たんですか?」
そう言うのは見張り役の魔族の青年。
「ごめん」
ほぼ直角に腰を折り、頭を下げた。
「な、な…」
戸惑った青年は言葉になっていなかった。
「君を無闇に疑った…悪いのは俺だったのに…」
「頭を上げてくださいよ」
そう言われ、腰を折ったまま顔を上げた。
「ユウラとも仲直りしてもらえない?」
「え?」
明らかに戸惑った声を上げる青年。
「俺が未熟なせいで今、君とユウラが傷ついてんだ。俺はそれが見てらんない」
「でも…」
「牢獄の鍵貸して」
青年から鍵を借り、牢獄を開ける。
「ユウラ来てくれ!」
「なんすか?」
そう言ってユウラは出て来た。
「ごめん!俺のせいでユウラが傷ついた。俺のせいだった…」
「…」
ユウラは何も言ってこない。
「君らが分かり合えるよう俺も努力する。だから…」
「別にいいっすよ…元々俺はそんなに気にしてないっすから」
ユウラのその言葉にホッとする。
「君は?」
「そうですね…悪いことをした。どうか俺を一回殴ってくれ」
流石にそれは、と思い口を挟む。
「流石にそれは…」
俺がそう言っている間にユウラはワンステップで踏み込み、思い切り見張り役の青年を殴った。
「な、何やってんの‼︎」
「いや、殴れって言われたもんですから…」
「え、えぇ」
そのあと、ユウラと青年は固い握手をしていた。
それを見て、青春だなっと思った。
早くユニアに話そうと、自室に戻っている途中に見張り役の青年に名前を書き忘れていたことに気がついた。




