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第2章 24「光と闇の神さま」

 ミルドが案内してくれたのは前世界の寺によく似た建物がある場所だった。

 あまり派手な装飾はされておらず、なんとなく地味な雰囲気が漂う寺だ。

「ミルドさんここは?」

「ここは光明寺(こうみょうじ)。かつて光の神、『アルムス』が宿った剣を納められた場所…」

「アルムス?」

「お前まさか知らねないのか?」

 飛鬼は信じられないとでも言いたげな顔でこちらを覗き込んできた。

「知りません」

「はぁ…しゃあねぇ。説明してやる」

 飛鬼とミルド曰く、昔この国には光の神『アルムス』と闇の神『サドルカ』という二人の神様がいたそうだ。

 アルムスは弱きを守り、強さで何もかも支配しようとするサドルカと対立していたという。

 いつしか二人の神がきっかけで争いが起こり、決して負けを許さないサドルカは自分に従う民に『魔力』を与えた。

 それにより、アルムスの民は何もできずに屈した。

 アルムスはサドルカのやり方に激怒し、我が身を剣として戦った。

 その剣は全ての闇を斬り、あらゆる魔法をその光で無効化した。

 その絶大な剣の力によってアルムスの民は勝利を手にした。

 アルムスの民はサドルカを剣に封じ込め、納めたという。

「待って、そうすると魔法をなんでこの国の人は魔法が使えるの?」

「ちゃんと説明すっから」

 アルムスもサドルカもいなくなったこの国でアルムスの民に報復を誓う者たちがいたという。

 人数はたったの四人、一人一つの魔力の込められた武器を持ち、アルムスの民を襲撃した。

 その時、用いられた武器こそ…

「神剣ですか…」

 飛鬼は黙って頷いた。

 アルムスの剣はすでにこの光明寺に納められていたため使えず、一方的な敗北を喫したアルムスの民はこの国から逃げ、世界中に散った。

 更なる力を望んだサドルカの民はアルムスの剣を我が物にしようとしたらしいが、触れた瞬間に強い光を放ってその相手を消してしまうとのことだ。

「っていうわけだ」

「なるほど」

 知らなかった国の歴史を知ることが出来て、少しだけ賢くなった気分だ。

「まぁ…単純に景色は綺麗だし、歴史はあるし、俺はこの場所が好きだから連れてきた。今回の戦いの被害も受けなかったしね…どう?」

 ミルドは連れてきた敵兵の人たちの方を振り向いて言った。

 彼らは何か戸惑ったような顔をしてから口を開いた。

「素敵…だとは思う。だけど…」

「まぁそう簡単に敵国を好きになれる人はいない…そんなのわかってるから…」

「…」

 ミルドのその言葉に俯き、何も口にしなかった。

 周りを見渡せば、紅葉がキラキラと夕日に輝き、とても幻想的で、まるで世界を隔てて違う場所にいるようなそんな感覚に襲われる場所だった。



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