表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/316

第2章 22「残虐非道な…」

「あ、あの…」

 ユニアが話を切り出そうとした瞬間、ドアが開いた。

「あ、あ、あ…」

 ドアの方を見ると、ミルド、テニー、飛鬼にクランが見舞いに来たようだ。

「やっと起きたんだー‼︎」

 そう言って走り寄って来てくれるテニー達。

「いやーお前が倒れてたときは本当に驚いたぜ」

「まさか体力を使い切るまで炎を出し続けるなんてね…」

「まぁ無事で良かったじゃないですか」

 色んな人が色んなことを話しててよくわからないがなんか楽しい。

「マサちゃんは無理ばっかするよね、闘技会のときから…」

「テニー、言葉遣い」

「いや、いいんだよユニア」

 ユニアの指摘に俺は急いで説明を付け加えた。

「もしも、このままみんな様付けの敬語だったら法書に法律として入れとこうと思ってたから」

「そうだったんですか…」

 ユニアが少ししんみりとした顔をした。

 その時、グゥーっという音が部屋中に響き渡った。

 俺はスッと何も言わずに手をあげる。

 腹の虫が鳴いてしまったのだ。

「まぁ三日間食べてなかったわけですからね、ちょっと早めですけど夕飯を食べに行きますか?」

「お、お願いします」

 いつも通り、食堂に向かった。

 大人数で食べる食事を楽しんだ後、ユニアに案内してもらい、ある場所に向かった。

「その前になんか魔王っぽい黒いローブとかないの?」

「そんなのいくらでもありますよ」

 そう言われ、黒いローブを着てからその場所に向かった。

 その場所とは牢獄。

 俺が戦争中に捕虜とした人たちに会いに行くためだ。

 ドアを音を立てて勢いよく開ける。

「やぁみんな…私が魔王だ」

 俺に対する誹謗中傷の嵐。

 ユニアはその真ん中にいる俺を心配しているのか、いつもより少し距離が近い。

「まぁ魔王ではあるんだけど」

 俺がフードを取ると誹謗中傷は一瞬止まる。

 ほとんどの人が俺に見覚えがあるのだろう。

 なにせここに連れてきた張本人だ。

「殺すなら殺せよ!」

「俺らは何も吐かないからな!」

「悪魔どもめ‼︎」

 悪魔…はよくわからないが、そんな拷問のような事をするつもりは毛ほどもない。

 俺は頭を掻きながら、

「何か勘違いしてるよ…」

 そう呟き、大声で叫んだ。

「一旦、静かにして!」

 その一声で捕虜の人たちの声は止まった。

「俺らは君らを煮るも焼くと自由だけど、そんなことする気は一切ない」

 その言葉に前にいた人たちの戸惑いの表情が見える。

「別に情報を出せなども言わない。俺はみんなに出来るだけ普通の生活が出来ることを約束する」

「そんなの…信じられるわけ…」

 俺は黒の大剣を地面に突き刺して、その発言を遮る。

「殺したかったら今ここでも殺せる」

 その言葉に少し後ずさりを見せる。

「君らが何もしないというなら俺はこの剣を君らを殺すためではなく、助けるために使う。別に最初から信用しろなんて言わないし、俺らも信用しない」

「だったら俺らを国に帰せよ‼︎」

「やれるもんならそうするさ‼︎」

 ある人から出てきたその言葉に逆上してしまった。

「でも、今のこの国の状態じゃ、君らを元の国に返すことは難しいんだ…ごめん…」

「…」

「いつか、君らを元の国に帰すためにも今はこの国で生きていてくれ…」

「ッチ」

 牢獄の方から舌打ちが聞こえた。

 それが何を意味するかはわからない。

「すぐにとは言わない…ゆっくりでいいから…」

 そう言って俺は牢獄を後にした。

「マサキ様はやっぱり良い人ですね…」

 クランが横から呟いた。

「そんなことないよ」

「謙遜ですよ。魔王が敵国の兵士を助けるなんて聞いたことがないです」

「そうなんだ」

 魔王というくらいだ残虐非道とかそういう人だったんだろう。

「どうやったらみんなに信用してもらえっかな?」

 前魔王のことにそこまで興味がわかなかったので他の話題に移り変えた。

「みんなで今から話し合います?」

「え?いいの?」

「マサキ様、起きたのさっきだからまだ眠れないと思いますし」

「みんなは?」

「魔王様の命令とあらば、一日徹夜するぐらい何でもないです」

「そっか…ありがとう!」

 自分に合わせて夜遅くまで付き合ってくれる友達?と、思ってくれてるのだろうか…まぁみんなに対してとても嬉しく思った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ