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第2章 18「マジかよ…」

「眠れねぇや…」

 戦争中、いつ何が起きても対応できるように寝れるときに寝ておこうと思っていた。

 しかし、ユニアからのキスにより脳が完全に起きてしまった。

 どうにもならない中、ベッドの上でひたすら物思いにふけった。

 深夜も十二時を回った頃だろうか、一つの影が天井から落ちて来た。

 敵襲か⁉︎

 そう思い、思わず剣を握りしめる。

「ちょちょちょ、待って下さいよ」

 そこにいたのは敵兵ではなくテニーだった。

「この時間に寝てないって珍しいですね」

 なるほどテニーは毎晩天井から落ちて来ていたのか、これは初めて見た。

「なんか眠れなくてさ…」

「何かありました?」

 なんと言ったらいいんだろう。

 まさかキスされて動揺して眠れませんと言った暁にはどうせバカにされる。

「みんないつになったらマサキって読んでくれるのかなあって考えてた」

「そうなんですか…まぁでもマサキ様って…」

「その様付けが慣れないんだよな」

「なんでです?」

 とテニーは不思議そうな表情でこちらを見つめている。

「うーん…まぁ言われ慣れないって言うのが一番かな。あとマサキ様って上から読んでも下から読んでも一緒なんだよね」

 違和感あるなぁっと思い、文字に起こしてみたらそんな感じになっていた。

「へー、なんか面白いですね。マサキ様の呼び名ですか…うーん」

 そう言ってテニーは少し悩むような素振りを見せた。

「マサキ様が嫌なんですよね?」

「そうだね。できればニックネームとかがいいな」

「ニックネームですか。じゃあ『マサちゃん』なんてどうですか?」

『マサちゃん』なんだか子供っぽいニックネームだ。

「まぁいっか…じゃあ『マサちゃん』でいいかな。あと一つ敬語やめてくれない?」

「え?それもですか?」

「それもです…最悪、法書に一ページ付け足して『魔王に対する様付け、敬語禁止令』でも出そうと思ってたから」

「そこまでですか…ならばわかりましたよ。マサちゃんに敬語を使わなければいいんでしょ?」

「そっか…ありがとう」

「で…何に悩んでたの?」

「えっと…ですね」

 唐突にテニーに投げかけられた疑問にタジタジになった。

「ニックネームごときで眠れないような人じゃないでしょ?」

「まぁあったにはあったんだけど…」

 話せるようなことじゃない。

 キスされましたー!

 なんて簡単には言えない。

「さぁ何があったの?言ってみんしゃい」

 敬語なしにした瞬間、親近感ある発言をしてくれるテニーがなんか好きだ。

「うーんとね…」

 まだはっきり言ったらいいのか少し悩みがある。

 しかし、俺の提案を受け入れてくれたテニーには話してもいいかも…そう思った。

「実は…」

 今日起こったことを一通り説明した。

 簡単に言うとキスされて動揺して眠れない。

「え?えええええ!」

 とんでもないほどの驚きを見せるテニー。

「そ、そんな、え?うっそ⁉︎」

 テニーは少し涙目になりながら続けた。

「まじっすか…」

 テニーは落ち着きを見せ始めた。

 それまで大体十分ほどかかった。

 なぜそんなに動揺したのかはあんまりよくわからなかった。

「なら…なら…」

「ん?」

 テニーはいきなり俺の顔目前まで近づき、唇を重ねてきた。

「え?」

 テニーの顔は熱が出たみたいに赤い。

「私のファーストキスです…」

 そこからさらに赤くなる。

「もういいです!おやすみなさい」

 少し投げやりになりながら俺のベッドで横になった。

 一日で、正確には日が変わっているが二人の女性とキスしてしまった。

 というか、普通に同じベッド寝てしまった黒髪の美人を俺はどうしたらいいんだ?

 というかファーストキスって…

 ファーストキスって、おい…

 そういうのに慣れている人間かと思っていた。

「もう…いったいどうしたらいいんだよ」

 異世界に来て急に来たモテ期にどうしたらいいのかわからず、そのままテニーの横で眠りにつこうとした。

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