大反省しました。
実際子育てなんて楽しいだけなんてありえない。
ましてや初めてだったりすると子供に振り回されっぱなしだ。新聞やテレビに連日酷いニュースが流れても少しの違いで自分だって追い詰められてはわからないかもしれないと思ってしまうことだってある。パン屋の奥さんは子供の夜泣きに苦労して毎日夜中に子供をチャイルドシートに乗せてドライブして寝かしつけていたというし、酷いアレルギー持ちのお母さんは敷布団まで何度も洗っていた。母親になって結婚式に言った「お母さんありがとう」がどんなに薄っペラなものだったか分かる。こんなに、大変なんだって。あの時欲しかったオモチャを買ってもらえなくて泣いたことも、お姉ちゃんのお下がりの服しか着せてもらえなくてダダをこねたことも今では母に謝りたい気持ちでいっぱいだ。こんなに見返りなど考えても見ないうちに愛情を注ぐことが子育てだなんてね。
少し飛ばし気味で始めてしまったが私は決して育児放棄は考えたことはない。
でも……子供が三人になったとき、明らかに二本の手では足りないことがある。
いや、決して言い訳じゃあ……
いやいや……。
お友達兄弟が遊びに来てくれた日の出来事……。
友達、母 「こんにちは~。」
友達兄弟 「「こんにちは~。」」
母 「どうぞ、どうぞ~。あれ?入んないの?」
友達、母 「玄関先に置いてある苺に興味あるみたい。ごめん。ほら、もう入ろうよ。」
ヒロ 「どうしたの?あ、それ、一年中実がつくんだよ!」
ミチ 「たべる?」
母 「こら、あんたたちまで外に出ないでよ。も~。」
トモ 「いちお、いちお……。」
母 「トモも出るの?ややこしいなあ。」
暫らく追いかけっこが始まる。苦笑しながら友達、母と雑談。
友達、母 「そろそろ入れてもらうよ!」
母 「ほら、皆入って!」
友達兄 「ぼく、いちば~ん。」
友達弟 「え~!ぼくも!」
ヒロ 「はいる。はいる!」
母 「こらっ!慌てないで脱いだ靴をそろえなさい!ふ~。」
押し合いしながら家に入る子供たちを見ながらドアを閉めた。
友達、母 「三人いたら大変ね~。」
母 「まあでも、最近は皆で遊べるようになったから。あっちの部屋は放っておいてお茶でもしよ!」
友達、母 「男の子が集まるとすごいパワーよね……。」
母 「まったくだわ。あれ、トモあっちで遊べてるのかな……。お~い!そっちにトモいる?」
ヒロ、ミチ「「ギャハハハハハハハ」」
母 「なんだあの、当てにならない連中は!」
友達、母 「まあ、まあ。トシくーん(友達兄・二年生)そっちに赤ちゃんいる~?」
友達兄 「……いるよ~!」
友達、母 「トモくん、居るって!」
母 「ふ~。」
それから30分経った。
母 「そろそろ、おやつにするよ!こっちの部屋においで!」
子供たち 「「「「は~い。」」」」
母 「あれ?トモは?」
ヒロ 「トモ、いないよ?」
母 「え!?だってさっきトシくんが居るって……。」
慌てて見に行ったもののトモはどこにも居ない。青ざめながら玄関に行くとトモの靴が無かった。
母 「もしかして、苺の苗見てた時から!?」
友達、母 「ごめん。トシに聞いたらミチくんのことだと思ったって!」
青ざめてドアを開けると……
その勢いで外のドアの前で尻餅ついて泣いているトモが……。
母 「トモ!!!!!」
小さな体を力いっぱい抱きしめて、打ったお尻を高速で擦ってやった。
ごめん!
ごめんよお!
かあちゃんが悪かった!
30分以上は外でほったらかしだったよね!
マンションといえども、階段下りたら自動車がビュンビュン通る車道だ。
た、助かって良かった~!!
天国のじいちゃん、ばあちゃん、ありがとう!
これで何かあったら洒落にならなかったが青ざめる出来事だった。
ちなみに彼は乳幼児の時によくお出かけ前まで忘れられていたことがある。
抱きしめた時どこから持ってきたのか濡れた黄色いスポンジを持ってお尻を濡らしていたところを見ると彼なりにエンジョイしていたのだろうか……
しかし、かあちゃんは大いに反省した!
二度としない!
ほんと、
何も無くってよかった……(涙)
ああ。こうやって鉄の心臓が出来上がっていくのですね……。