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序章

ご覧いただき、ありがとうございます。

この作品は完結まで書き切っています。

毎日投稿で小出しにしてはいきますが、安心して追っていただければ嬉しいです!

※追記 タイトルを少し見直しました。

 空が淀んでいる。

 

 その空の下に、黒々とした海が広がる海岸があった。

 そして、ちょうどその海を見渡すことができる崖があり、その崖を海岸から少し登った辺りには、人が数人ばかり入れそうな、小さな洞穴があった。

 

 その洞穴の中には、肩まで髪を伸ばした着物姿の少女が一人、黒々とした海に視線を落として佇んでいた。

 

 少女は大きく透き通るような瞳を、眼下の海から淀んだ空へと向けた。

 それと同時に、淀んだ空から静かに雨が降り出した。



 

 ——それは、全てのはじまりを意味していた。




 今よりはるか昔、人々は戦に明け暮れていた。

 その醜い争いは、多くの数え切れない犠牲を出した。

 そして、その人々の醜い行いはまた、多くの計り知れない憎悪の念を生み出した。

 

 その憎悪の念はとどまるところを知らず、ついには人々に害を成す『アヤカシ』と化し、人々を苦しめた。

 

 人々はとどまるところを知らぬ憎悪の念と、それから際限なく生まれ続ける『アヤカシ』、そしてそれによる終わりなき苦しみから、いつしかこの世を『よろづ世』——永久・限りなく続く世——と呼ぶようになった。











  

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