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『アホ神話ーしょーもなと笑ってください【古事記コメディ・神様たちの黒歴史】』  作者: 杉勝啓


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『漁業をやめて農業を始めた兄の優しさと、ポッケの中で二つの玉を握りしめる山幸彦』

地上に帰ってきた山幸彦くん。兄ちゃんの元へ釣り針を返しに行きました。

「なんだ?お前、生きていたのか。三年もどこをほっつき歩いていたんだ。心配したんだぞ」

「ごめん……兄ちゃん……あ、これ、兄ちゃんの釣り針」

「そうか、もしかして、これを探しに行っていたのか」

「うん」

「でも、もういいんだ。俺、漁業やめて農業始めようかと思っているんだ。お前もやるか」

「え?兄ちゃん、あんなに海が好きだったのに」

「仕方ないさ。食っていかなきゃいけないしな。俺は高いところに畑作るから、お前は低いところに作るといい」

「もしかして、兄ちゃん、この土地って」

「うん、お前がいつ帰ってきてもいいように手に入れたんだ。ホスセリの奴は相変わらずだしな。頼りになる弟はお前だけだよ」

「兄ちゃん……」

「あ、山で狩りをするなら、それでもいいぞ」


山幸彦くんはそっと二つの玉を握り締めました。

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