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信長公斬魔録~転生帰蝶ちゃんは急にダークファンタジー死にゲーみたいになった戦国日本をナーロッパにしたい~  作者: simopo


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34/45

第34話「学習しない系ヒロイン」

一日空きましたが月曜日なので34話目です。

3月って忙しいですよね。


「久助か。……そういえば帰蝶は奴の技に随分興味を持ってたな。確かにアイツなら魔境に潜っても生きて帰ってこられるかもしれねえな」


「そうなのです!戦国!ニンジャ!侍!寿司!テンプラ!

前世では世界中で大人気のコンテンツなんだから!

久助って前世で読んだニンジャまんまなんだよね!!」


大興奮でニンジャを語る私。

無双のカラテでイヤー!グワー!とかするニンジャかっこいい!

そのテンションのままどんどん話す。


「実際わけわかんない魔物だらけの場所に潜入するとか、普通の兵じゃ無理じゃんね!

だから単独潜入、武器は現地調達!死して屍拾うものなし!

うわあまるでス〇ーク!スネー〇じゃん!

久助ならそういう訓練積んだらいけると思うの!

たぶんだけど、そういう人材も知ってるんじゃないかな!?

うひょおお!織田忍軍結成だよ!!」


ニンジャはかっこいいしもう勝負ついてるから。

それしか頭になかった。


「帰蝶……お前な」


「う?」


信長ノッブが心底呆れた顔で顔を振る。

どうしたんだろうなんかマズいこと……あったわ。

土田御前ノブマッマの存在を思い出した私は恐る恐る土田御前ノブマッマを見る。

何という事でしょう!

そこには、それはそれはお美しい笑顔を浮かべた土田御前ノブマッマが!


「やっべぇ」


ごく自然に口から出た。

何をしている私の姫ムーブ!今こそお仕事をする時だよ!

……だめだ、姫ムーブちからのゲージが上がらん!

……こっちだって手いっぱいなのよ!!

謎のサブパイロットの声が聞こえる。

もしかしたら私の姫ムーブちからが発動したらなんかどっか異世界へのゲートが開いたりするのかもしれん。

そんな益体もないことを考えながらパニくっている私に、土田御前ノブマッマはにっこり微笑み、


「帰蝶殿にはいろいろと聞かねばならぬことがあるようですね」


と言った。


まあね、そのね。

土田御前ノブマッマには転生者だって明かしてきちんと味方になってもらいたいなあとは思ったけども、それはもっとこう、厳かで静かな感じでやりたかったのよ。

それがこんな、ブチアゲテンションでなし崩しに開示する羽目になるなんて。

帰蝶ちゃん、一生の不覚!

……よく考えたら信長ノッブにばらしたときも似たようなもんだった。

なんだろう、学習能力が無いのねワタシってば。

床に手を突いて落ち込む私の頭をイナリちゃんがよしよしとばかりに撫でてくれる。

余計に泣けてくるから勘弁しておくれイナリちゃん……


そんな私をうんざりした目で眺めながら、信長ノッブは言う。


「こういう奴なんだよ、母さん。うつけにしか見えんが、その発想には驚かされる」


「……まあ、わかりました。はぁ……本当に大変な嫁が来たものです」


「うう……なんかすみません……」


この様子を眺めてるおさきは顔を赤くしたり青くしたり忙しそうだ。

いつものようにツッコみたいけど土田御前ノブマッマの手前そうもいかない、という様子。

なんかすまぬ。


「とにかく、久助を中心に魔境の物見に出られる兵の育成、というのはよくわかった。

……こんなことなら久助を置いてくるんじゃなかったな。

犬千代、あとで久助に文を書く。熱田まで走ってもらうぞ」


「はい!」


元気なお返事で大変結構です犬千代くん。

なんやかんやで小学生の癖にクソ強いし足早いからねこの子。

信長ノッブは続けて慶次にも指示を出す。


「慶次、久助と入れ替わりで兵の鍛錬を頼めるか?」


慶次はニヤリと笑って私を見て言った。


「よろしいので?濃姫様」


そういえば慶次は私の直属護衛だったよね。

彼の上司は私なので一応私にも聞いてるんだ。

かぶいておるなあ。


「うん。今はそうしてくれる?」


私はしばらく奥にいる羽目になるだろうし、慶次の護衛はそれほど必要ない。おさきもイナリちゃんもいるからね。

何より信長ノッブが一緒なので安心感が半端ない。

うへへ、イケメンつよつよダーリンに守られる私は今最高にお姫様である。

姫ムーブは仕事しないけど。

だらしなく笑う私に慶次は容赦なくぶっこんでくる。


「わかり申した。熱田の兵に濃姫様の素晴らしさを叩き込んでご覧に入れまする」


「んなことしないでいいよ!?」


「しかし尾張の女神とも言うべき濃姫様を軽んじる輩がいれば拙者の堪忍袋は緒がどこかへ行きまする故」


「探してきて!ちゃんと縛っておかなきゃだめだよ!」


ぎょっとする私にはっはっはと笑う慶次。

なんだ冗談かあ。

なんか目が笑ってない気がしたけど気のせいだという事にしよう。


「久助が来るまで時間がある。その間、帰蝶は兵の強化策をもっと練ってくれ。

イナリの術も使えるかもしれねえしな。その調べも必要だろ?」


慶次とのやり取りを楽しそうに見守っていた信長ノッブが言ってくれる。

私が今一番やりたいことを指示してくれるなんて、やっぱり運命でつながった二人であるのだ♡


「その前に帰蝶殿、女子おなごを戦に出す、強くする策を聞かせなさいませ」


イチャイチャしたくなった新婚夫婦に土田御前ノブマッマが冷や水を浴びせる。

なんかテンションが上がりっぱなしでいろいろ忘れてたがそうだったこの話が途中だった。

私は居住まいを正して話す。


「……失礼しましたお義母さま。私の前世やらなにやらはまた後の機会にします。

ここまで私と三郎さまとのお話でお判りでしょうが、人は迷宮で魔物を倒し続けると強くなります。これを私たちは「レベルアップ」と名付けました。

正確には迷宮の外の鬼を倒しても強くなれますが、迷宮の中の方が早く強くなれるようです。

このレベルアップですが、男女関係ありませぬ。

私もこの数日で、小鬼を数匹相手取っても後れを取ることは無くなりました」


「……貴女が?」


「その、私とて美濃のマムシの娘です。なぎなたの鍛錬は積んでまいりましたがそれほど腕前は良くありませんでした。初めて小鬼を斬った時は空振りして危うかったくらいで……」


「なっ、何をしているのです貴女は!!怪我などしていないでしょうね!?」


さっと顔を青ざめさせた土田御前ノブマッマが叫ぶ。

慌てたように私の傍により体をあちこち触る。

目を白黒させる私にクスクス含み笑いをしながら信長ノッブが言う。


「大丈夫だよ母さん。殴られる前に俺が止めた」


「そういう問題ではありません!三郎殿がついていながら何という事です!」


「あーお義母さま?その、怪我などありませんし、私がやると決めて三郎さまが許してくださったことですので……」


なんだろう、すっごい心配された気がする。

ちょっとうれしいかも。


「貴女は!……こほん。まあ良いでしょう。迷宮で小鬼めらを倒せば強くなるのですね?」


ちょっと顔が赤い土田御前ノブマッマが取り繕うように言った。

私はもちろん元気よくお返事する。


「はい、それはもう!!」


「では、いかほどのものかわたくしに見せてみなさい」


「は?」


「ですから、貴女がどれほどのものか、わたくしに見せろと言っているのです」


えー?急に何言ってるんだろうこのおば……お姉さま。

レベルが上がった(多分)スーパー帰蝶ちゃんの実力じつりきが見たいとおっしゃいましたか?

よござんす!お見せしましょう!!

さあ相手はドイツだ!!

なんか信長ノッブが小声で


「やめとけ帰蝶!聞いてるのか帰蝶!」


とか言ってるけど無視だ無視!

迷宮の洗礼を受けて顔の作画が原〇夫っぽくなって相手を「うぬ」とか言っても違和感ない感じと自任している帰蝶ちゃんのパワーを見せてやろうじゃないか!!



と、意気込んで向かった修練場で、私はなぎなたを構えた土田御前ノブマッマにぼこぼこにされて這いつくばっていた。

うわ土田御前ノブマッマつよい。


「ごぜんさまつえー!!」


犬千代くんが身も蓋もない感想を言う。


ワタシモソウオモイマス……



よく考えたら投稿初めて1か月たってましたね。

わざわざ読みに来てくださる皆様に最大の感謝を。

おふざけと小難しい話の連続でしょーもない作品ですが、今後も読んでくださると嬉しいです。



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