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第13話「野原に咲くひまわりのように」

土曜日なので第13話です。


もちっと、こう、うまい伝え方があったような気がする。

テンパって転生者なことも大事に温めてたナーロッパ構想もテンパったテンションに任せて全部ぶちまけてしまった。

それもこれも信長ノッブとおさきが仲良くイジってくるのが悪い!

なんであんなに息ぴったりなのさ。

まさかこれがNTR!?

侍女に旦那NTRれるとかやっぱり私は悪役令嬢だったのか。

やっぱり婚約破棄されて脂ぎった豪商に嫁がされてなんやかんやで泣いたり笑ったりできなくされるんだぁあああ・・・


えぐえぐずびびーっと泣いているとノッブが優しい顔で口を開いた。


「面白い。帰蝶、そのなーろっぱとやら、詳しく聞かせてくれねえか。」


とても楽しいいたずらを思いついたような、素敵な少年の顔だった。

しゅきぃ・・・



泣いてぐっちゃぐちゃになった顔をとても呆れた顔をしたおさきに拭われて、乱れた着物を整えて、改めて信長ノッブと向き合う。

おさきはため息つきすぎだと思う。

向き合ったはいいが、恥ずかしさで顔はレッ〇バロン(スーパーロボットの方)並みに赤くなってる自覚がある。

しかしそこは母ちゃんとおさきに鍛えられた姫ムーブを無理やり再起動してきりりとして背筋を伸ばす。


「三郎さま、昨日から重ね重ね失礼をいたしました。

美濃斎藤山城守利政(マムシの本名)の娘、帰蝶にございまする。

以後、いく久しくよろしくお願いいたしまする。」


ふかぶかー。なんという完璧な姫ムーブ。私じゃなきゃ見逃しちゃうね。


「ああ、そういえば挨拶もまだだったな。

改めて、尾張織田弾正忠信秀(ノブパッパの事)の嫡男、織田三郎信長である。

帰蝶殿。よくぞ尾張に来てくれた。うれしく思うぞ。」


はえーきりっとした信長ノッブかっこいひいいい・・・

そしてまた少年のような顔をして


「それで、ナーロッパとはなんだ?騎士団とは?れんきんじゅつやらあくやくれいじょうとはいったい何のことだ?教えてくれよこないだ取ってきた瓜やるからさ。気になって夜も眠れねえよ!」


「あ、あの、三郎さま、それはですね。あの、わたくしは・・・」


「あーいい、いい!

それは「ひめむーぶ」とか言う奴だろ?おさきから聞いてるぞ。

俺とお前の仲だ。もうとりつくろわないでいいぞ。

素のお前と話してえんだ俺は。」


ほわあああああ?!何言ってんのこの人!?

おさきさん、おさきさん!イケメンがいる!イケメンがいるよ!

こここ、こんなコミュ障ぼっちオタのわたわたわたしとはなしたたた」


「そろそろ落ち着けって。」


すぐさま思考回路がショート寸前今すぐ会いたいお状態になって普通に思ったことをオタ特有の早口(偏見)で繰り出す私に信長はぺしっとデコピンをかます。

大鬼ワンパンした力でデコピンされたら私の頭がパーンとなるんじゃないかと思ったが別にそんなことは無かった。

力加減はできるのね。できなきゃ困るか。


「さっきも言ったぞ。もうノッブとは呼んでくれんのか?ってな。

お前には俺をノッブと呼ぶ権利をやろう!」


ドヤ顔もめっちゃイケメン。

ドヤ顔する信長ノッブは尾張のバケモンぶち殺して回る英雄ではなくて、年相応の少年の顔だ。

これは、信長ノッブも素で私に接してくれてるんじゃないだろうか。

私も腹をくくらねばならない。

そのうえで尼寺に入れられたり成人病寸前の年上商人に売られてもまあしょうがないしもう知らねえ。

でも野蛮なオークの群れは勘弁な!

覚悟を決めて声を出す。


「ほほほほ、ほんとに、いいの?

ノッブ、怒らない?

後で追放したりもっと頑張らないと首にするとか手紙送ってきたりしない?」


「お前の中で俺はどんな暴君なんだよ。

怒らねーよ。俺だって取り繕わなきゃこんなもんだ。

嫁の前でまで取り繕ってなんかいられっかよ。

だからな、お前も取り繕わなくていい。

そりゃ親父や家臣の前ではキリっとしてもらうけどよ。

そういうのはおさきと特訓するんだろ?なら、俺の前では別にいいよ。」


「よよよよ、嫁って、うひ、うひへほほほ!フヒヒ!サーセン!」


「あ、ああ。お前は俺の嫁だ。俺の評判は知ってるつもりだ。

うつけの俺なんかじゃ嫌だと思うが・・・」


「キタコレ!俺の嫁いただきました!ひゃいいぃ、嫁になりましゅう!うひひ、俺の嫁だって、キモオタの鳴き声でしか聞いたことないのにイケメンが言うと違うでござる!うひょほほほ俺の嫁だって!私ノッブの嫁!うひひひ」


「・・・なあおさき、正直気色悪いんだが」


「姫様の素はこんなもんなんですよ・・・

正直な話、狐か何かが憑いているんじゃと殿やお方様と相談したことはございます。」


「のっぶもおさきもひどい!狐じゃないもん!

・・・いやよく考えたら狐よりタチ悪いかもしんない・・・

すまぬ・・・オタクですまぬ・・・」


「あー、すまねえな。

とにかくな帰蝶、お前は俺の前ではそれでいい。

いや、それがいいんだ。

変に取り繕われてもあんだけ素を見せられたんだ、背中がかゆくっていけねえや。」


「はうう・・・ノッブマジいけめん・・・一生ついていくぅ・・・一生ノッブ推しガチ勢しましゅぅ・・・」


目がハートの形になってる私を見てノッブもおさきもため息ついている。チョロインですまん。


「それで、ナーロッパについて・・・いや、その前にお前の事を知りたい。

前世があるとか言ってたが、帰蝶は何を知ってるんだ?

それを教えてほしい。

・・・正直、このわけわかんねえ状況にウンザリしてんだよ。

なんだよ鬼って。

昔妖怪なんていないって言って近所のガキと喧嘩になったことがあってな。

あんなにいないって言ってた俺がバカみてえじゃねえかよ。」


「うわあノッブやんちゃ坊主だったんだんえぇ、ごめん嚙んじゃった。

ええとね、わた、私ね。えーと、その・・・今からえーと、今何年だっけ。

たしか・・・1192作ろう鎌倉幕府・・・あれ、今は違うんだっけ、そうじゃない遠すぎる!

ええと、1543(いごよさん)が増える種子島、だから、えーと、ノッブ、種子島って知ってる?」


「お?おお。確か5年くらい前に来た南蛮の武器だったか?

取り寄せを頼んでんだがなかなか届かないうちにこうなっちまった。

それがどうした?」


「となると今は1548年だから・・・

えーと、私はね、今から大体500年くらい後の日本で生きてた記憶があるのです!!」


「500年・・・その頃にも日ノ本があるんだな・・・

となると、そこで死んで帰蝶に取り憑いたのか?」


「違うもん!

気づいたら帰蝶だったってさっきも言ったじゃん。

どうやって死んだかも覚えてないんだけど・・・」


「姫様、それはおかしくありませんか?

なぜ500年後の者が今の姫様になるのです。時は戻らないものです。

道理が通りませんよ。」


「私もわかんないよ!

別に帰蝶になるときに神様とか仏さまに「帰蝶になれ」とか言われたわけじゃないもん。

・・・おさき、未来の有名な詩にこんな一節があるんだよ。

「刻が未来に進むと誰が決めたんだ」ってね。

納得いかなければもう一つ素晴らしい言葉をおくろうじゃないか!

「考えるな、感じろ」!」


「ぶはははは!未来は愉快なところのようだな!帰蝶、もっと聞かせろ!」


「そういえば姫様は生まれたときからどこか変なところがありましたねぇ・・・」


「私の前世の記憶が戻ったの5歳の頃なんだけど。」


「えっ」


「えっ」


私は記憶を思い出す前から変な子供だったらしい。


帰蝶ちゃんはチョロインです。


帰蝶ちゃん、がっつり転生者であることをお知らせ。

もうしばらくこんな感じで続きます。

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