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超闘祭 一日目④

『続きまして第三試合! 光族、クレン。チーム4、ユール』


 対戦の組み合わせをクランクが発表すると、大きな歓声が上がった。


『光族とSSランクの冒険者の戦い。これは見所ですね』

『そうだね。光族の皆はランクがAと若干低いけど、実力はS……いや、SSランクと渡り合うかも知れないね』


 ラバルト王子がそう解析すると、フィールドにクレンとユールが出てきて、観客達の歓声が更に上がった。

 フィールドの中央付近で目を合わせる二人。

 落ち着いているクレンに対して、ユールは顔に少し緊張が出ていた。


「お前、緊張してんの?」

「え? ……まぁ一応。こうして光族と戦うなんて初めてだからね」

「気楽にやろうぜ。祭りなんだからよ」

「気楽に出来るかなぁ? でも、肩の力を抜けるように頑張るよ」


 ユールは背中の鞘から剣を抜くと、クレンも腰のホルダーから二つのブーメランを手に持った。


『それでは、第三試合……開始!!』


 試合開始のベルが鳴った直後、クレンは両手のブーメランをユールに向かって投げた。

 ユールは飛んで来るブーメランを剣で弾いた。

 普通ならばすぐにクレンへ向かって走るが、ユールは走らずその場を動かなかった。

 弾かれた二つのブーメランは地面に落ちる寸前、ユールに向かって飛び、ユールは飛び退いてブーメランを躱す。


(やっぱりね。あのグローブでブーメランを自由自在に操れるのを知っておいて良かった)


 クレンは風の魔力を宿したグローブでブーメランを操ると、ブーメランを一つ戻して手に持つとユールへ向かって走った。

 ユールは剣を構えてから振ると、クレンが振り下ろしたブーメランとぶつかる。

 すると、ユールの背後からクレンのもう一つのブーメランが飛んできて、ユールは鍔競り合いをしながら左腕を後ろに伸ばして盾で防いだ。


「やるなぁ」

「結構キツいよこれ」


 両手で押さえていたが、ブーメランを弾いたせいで片手で押さえる羽目になり、ユールは体勢が崩れそうになり距離を取った。

 すぐに飛んできたブーメランを剣で弾くと、続けて振り下ろしてきたクレンのブーメランを盾で防ぐが、クレンはユールを蹴り飛ばした。


「うぐっ……うわっ!?」


 腹を押さえて顔上げたユールに向かってクレンは手に持ったブーメランを投げると、ユールは体を捻らせて躱し、もう一つのブーメランを手に持つ。


『クレンのブーメランの猛攻に、ユールは手も足も出ないか!?』

「本当だよ。……っ!?」


 背後からブーメランが飛んできて剣で弾くと、クレンが投げたブーメランがユールの盾の持ち手部分に当たり盾を手放してしまう。


「しまった!」


 盾を失って焦りだすユールに、飛んで来るブーメランと走りだすクレンが迫る。

 歯を食いしばるユールは、剣に雷の属性力を纏わせた。


「うおおおおおおお!!」


 最初に飛んで来るブーメランを弾くと、そのままの勢いで迫り来るクレンに剣を振ると、クレンもブーメランを振りぶつかり合う。


「っ!?」


 さっきよりもユールの力が上がっていてクレンは少し驚くと、クレンの足が一歩下がり、クレンは押し負けて吹き飛ばされる。


「……」


 その光景に観客達が歓声を上げる中、ユールは自分の左手を何度も握る。

 服に付いた砂を払ったクレンが飛んでいたブーメランを戻すと、両手にブーメランを持ってユールへ向かう。

 ユールはハッと顔を上げて剣を構えて剣を振り下ろす。

 クレンも両手のブーメランを振り、ユールの振り下ろした剣とぶつかり合うと、クレンが押されて行く。


「んぬぅぅぅ……」

(やっぱコイツ、さっきまでとパワーが全然違ぇ)


 徐々に押されるクレンだったが、足を一歩前に踏み出して押し返すと、両者は弾かれて距離を取った。

 互いにバランスを崩しすぐに態勢を整えると、試合終了のベルが鳴った。


『試合終了!! 両者、引き分け!!』

「「……」」


 試合が終わり歓声が響く中、クレンとユールは少し複雑な気持ちで自分のチームの所へ戻った。

 フィールドを出たクレンを、ジャーマスのオウワが不機嫌そうに見下ろしていた。


――――――――――――――――――――


「スゲェなユール! 光族相手に引き分けだぜ! 勝てなくてもスゲェよ!!」


 戻って来たユールをソルラが肩を組んで喜ぶが、ユールはあまり嬉しそうでは無かった。


「どうした? 引き分けでもポイントは入るが、やっぱ勝ちたかったか?」

「……いや、そうじゃなくて」


 ブラークが訊ねた後、ユールは自分の手を何度も握る。


(今はいつも通りだ。何だったんだろう? 試合中に感じた、体の違和感は)

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