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The salesman defeats fucking Great-Evil. Chapter5(訳:営業マンはクソったれな巨悪をぶっ倒す 第5幕)

相変わらずというか、私の苦手な戦闘描写バリバリ回でして、結構疲れました(汗)。

Salesman(営業マンは) defeats(クソったれ ) fucking(な巨悪を ) Great-Evil(ぶっ倒す)Chapter5(第5幕)


 ミシュリアたちナーベラ商会本部の制圧隊は、現在予想外の敵の猛烈な抵抗に遭っていた。

 冒険者陣営にとって予想外だったこの展開は、”闇”を取り仕切る代表のランザム男爵が『影』の拠点にスパイの侵入を許したのを知っていたことに端を発する。拠点自体がナーベラ商会が有する設備だったこともあり、商会長のナーベラはすぐさまこの事態を重く見て、夜襲に備えて警備を厚くする。

 結果、タカヒトが持ち帰った情報よりも多くの敵戦力が本部に集うことになっていた。


 無論、敵にこちらの目論見を察知されること自体は可能性はあるだろうと、冒険者側も認識していた。だが、相手の対応の早さや、ここまでの規模の抵抗をされるとまでは思っていなかったのが実情だった。


 冒険者側はいわば少数精鋭とも言うべき人数なのに対して、彼らは下手すると騎士団の部隊が何隊も出てくるかのような数の戦力がいる。

 幸い今の時点では、取締役で黒幕の一人のナーベラ会長が脱出したという動きは見られていない。しかし今のままこの状況が続けば、そう遠くない内に主要な幹部の脱出が決行されるのは簡単にわかる。

 が、この状況を打破するにはどう考えても戦力が足りず、彼らは手詰まりの状態にあった。



 そんな中、前線で戦ってきた冒険者が休むポイントにて、リサは懸命に自身の回復魔法を使って傷付いた仲間を回復していた。



「うぅ……」


「頑張って下さい! まだ勝機はありますから!」


「クソ……、情けねえなぁ俺。仲間の仇を討つことも出来ないなんて……ガハッ!」


「喋らないで! もう少しで傷を治せるから……」



 この場にタカヒトがいれば、まるで戦場の野戦病院がごとく惨状に目を見開いただろう。

 いくら此方の一人一人の実力が高くとも、圧倒的な数の暴力に抗うことはとても難しい。

 その結果が、リサの目の前に大勢横たわる負傷者の数だ。



(このままじゃあ、私や他の冒険者による負傷者の回復が間に合わない!)



 リサ以外に回復魔法を使える者は4名ほどいるが、計5名の支援体制でいざ戦闘が始まれば。想定を超える敵の猛抵抗によって多くの前衛冒険者が傷付いている。このままでは、戦力の回復よりも損耗の方が大きく上回り、戦線を維持することが出来なくなる。

 そうなれば冒険者側が真に求める、”闇”に関わる者たちや書類等の証拠をむざむざ取り逃がす結果に繋がりかねない。それはすなわち、リスクを承知で敵地に忍びこんで情報を得たタカヒトの努力を無駄にする事と同義である。

 なんとしてでもこの戦線を敵に突破され、目標を取り逃がす事だけはあってはならなかった。


 後方で負傷者の治療にあたる回復魔法使いたちも、前線で本部になんとか侵入しようと戦っている冒険者たちも、皆その思いを胸に必死に戦っていた。



「リサ、君は体は大丈夫?」



 回復魔法使いの護衛役としてリサのそばにいたミシュリア、度重なる回復魔法の行使により疲労を隠せない様子のリサを見て、心配そうな表情で駆け寄ってくる。



「へ、平気です。こんなの、戦線で戦ってる冒険者の方と比べたら、なんだってこと、ないんですから……!」


「……リサ、手を出して」


「手を、ですか?」



 ミシュリアからふと言われたことの意味を測りかねつつも、言われた通りに手を差し出すリサ。

 するとミシュリアはその上に自身の手を重ね、瞬く間に暖かみのある色の光が灯ると同時に、自身の中でかなり消耗されていたはずの魔力が体に湧き上がってくる感覚を覚えたリサは驚く。



「ミシュリア? これって……」


「へへへ……。便利でしょ? 私の魔力を少しだけリサにあげる。回復できる人がいなくなっちゃうのはマズイからさ。それに他の人にも魔力をあげないとだし、こんなチョビッとの量だけど大丈夫そう?」


「そんな……。むしろ魔力を分けてくれて本当にありがとう! 私、まだまだ頑張れるよ!」


「えへへ。それじゃあ、もうチョイ頑張ろう。私も精一杯頑張るからさ」


「はい!」



 ミシュリアのやったことは至極単純。

 自身の魔力を他者に分け与えただけのことである。

 しかしミシュリアは冒険者としてはBランクのグレード1に位置する、冒険者の中ではかなりの実力者という部類に入る。自身が持つ魔力の総量も常人と比べてかなり多く、人間一人に少し魔力を分け与えるくらいはどうってことない事である。


 しかし、いくら実力者といえども分けられる魔力の量には限りがある。

 なんとか自分の魔力が枯渇する前に良い方向へ状況が動く事を、ミシュリアもまた祈るほかない。



「……しっかし。ここまで抵抗が激しいとなると、そろそろ騎士団とかが出てきてもおかしくないんじゃないかな……?」



 現在の戦況はこちらが劣勢に立たされている。

 商会本部を取り囲うようにして脱出者が出ないように目を光らせているとはいえ、肝心の本部内で戦闘をする冒険者たちの消耗が予想外に激しい。このままでは、作戦が破綻する恐れもあるレベルだ。


 いざとなればミシュリアは自身の戦闘能力をフル活用して前線に加わる気でいたが、回復魔法使いたちに魔力を分け与えなければ後方支援も回らない事を考えると、魔法剣士としての自分が前線に出て戦う事は無謀と言える。


 この拠点を制圧するための、決め手となる要素が足りない。



(正直、マズイかも……)



 自分たちの中で最も頼りになる男・・・タカヒトは別の目標を制圧に向かっていてここにはいない。

 リサはもともと回復が専門で、真正面から戦う事は専門外。現状後衛にいる中で敵が突破してきた時に戦えるのは自分だけ。そう思うと途端に不安な気持ちが湧き上がってくる。



(ダメダメダメ! ここで私まで崩れちゃったらいざという時に誰がみんなを守るのさ! しっかりしろミシュリア! 生きて帰って、タカヒトに顔見せるって約束したじゃんか!)



 不安に押しつぶされそうになる自分の気持ちに喝を入れ、気持ちを奮い立たせて鼓舞するミシュリア。


 直後、信じられない声が後方の彼女たちに聞こえた。



「不味い!! 『爆走』が第2隊を突破してきやがった! すぐこっちに来るーーぐわぁっ!?」


「へへへへへ……可愛こちゃん達はここにいるってのかァ??? へへへへへ……」



 前線と連絡役をしていた男性の冒険者が倒されたのを認識したのと同時に、獣欲を隠そうともしない生理的に忌避したくなる声が響き渡った。

 ミシュリアが振り向けば、そこには斧を持った2m越えの山のような大男が立っていた。口端から滴る涎を拭う事もせず、女である彼女達を下種な視線で舐め回すように見ている。



「あんだぁその反抗的な目はァ? この俺サマがこれから、お前達可愛こちゃん達を美味しく頂いてやるってぇのに。ぶっ殺したくなっちまうなァ???」


「あんたにそんな目に遭わせられたら、あんたにやられなくとも自分から死んでやる」



 目の前にいる女を性的対象としか見ていない大男に対し、ミシュリアは吐き捨てるように言う。こんな男に抱かれるなんて真っ平御免だと、強い意志を持って相手に告げた。

 その態度が癪に障ったか、大男の表情が極めて不快そうな顔に変わる。



「……テメェ。まさか『爆走』と呼ばれるこの俺のこと、知らねえわけじゃねえだろうな?」


 今まで間延びしていた男の口調も変わったのを感じ、ミシュリアは片眉をピクリと上げる。

 しかし相手を見据える強い視線は変わらず、尚も敵意を向けながら彼女も口を開く。


「確かに『爆走』という名前の”冒険者”がいるという事は知っている。まるで汽車のように物凄い勢いで周囲を破壊して蹂躙し尽くす凶悪性ゆえ、そう呼ばれる男がいるというのは噂で聞いているわ。

 でも貴方って冒険者でしょう? こんな犯罪組織に手を貸してて、自分の行いが白日の元に晒されたらどうなるか分かってるんでしょうね?」


「はっ! そんなもん、バレなきゃ犯罪でもなんでもねえ!! 気が変わった。楽しんでやろうかと思ったが腹が立つ。銀髪のオメエはぶっ殺してやる」


「ハン! やれるもんならやってみなさいよ、このデカブツ( ブタゴリラ)!!」



 その瞬間、『爆走』と呼ばれる大男の顔が憤怒の色に染まるのを誰もが見た。

 だが、リサやその他の回復魔法使い共々、この男に対して抱いた感情はミシュリアと同じものだ。

 言い表すなら『女を舐めんじゃねえ!』というところか。


 男が斧を構え、ミシュリアも鞘から剣を抜く。

 刹那、剣と斧が真正面からぶつかり合う音が響き渡った。



 まず初めの一太刀は、お互いの刃先がぶつかり合う形で始まった。

 相当の勢いに火花が散るが、持ち手はどちらも気にする事なく鍔迫り合いを繰り広げる。



「ぬぅっ!? テメエのそのなりのどこにこんな力が!」


「見た目は非力そうでも実際は相当な実力者の場合もあるって、新人の頃に習わなかったのかっ!」


「うるせえ!! まだまだ序の口だろうが!!」


「当然! この程度で根を上げるんじゃ困るんだよ!」



 男は斧を振るい、ミシュリアはそれを防ぐように剣を振るう。

 とにかく凄まじいパワーで打ち付けてくる相手だが、ミシュリアはこれでもBランクの一番上の位階にいる冒険者。真正面から衝撃を受け止めるのではなく、すこし刃を滑らせて衝撃を受け流しながら相手の攻撃を防いでゆく。

 流れるように流麗なその所作は、ただ戦いを見ている事しかできないリサ達が思わず状況を忘れて見入るほどに素晴らしかった。


 一方男の方も、実力的にはミシュリアに負けずとも劣らずの戦いぶりを見せる。

 斧を振り回す動きもまた、このような組織に身を置いているとはいえ確かな実力を感じさせる腕さばき。それ一つだけ子供くらいの重さはありそうなそれを、片手で振り回すその剛腕は本物と言うべきか。

 まともに正面からこんな質量のフルスイングを受け止めるなんて、いくら実力者でも超人級のSランカー以上でもなければ受け流さずに受け切るのは難しい。

 ミシュリアは冷静に相手の特性と自身の力量をしっかり見極めた上で、自分のできる戦い方で戦闘を進めていた。



 加えて、タカヒトのような眼でなければ追いきれない程の瞬間的な移動。

 これにより速さで敵を翻弄し、『爆走』に本格的な攻勢に出させなかった。



「チィっ! 鬱陶しいくらいに早えじゃねえか!!」


「それはどうも!」



 剣を振るい、相手が斧で攻撃しようとしたら素早く離れて回避。敵の死角へ移動して再アプローチを掛けては防がれて。

 斧を振るい、相手がわずかな隙を見せれば攻撃しようと振るっては回避され、死角に移動されて攻撃を受けるも咄嗟に斧で防いで。


 並みの冒険者ならヤキモキしそうな展開だが、ミシュリアにはそのような感覚は無かった。

 なにより『魔法剣士』である彼女は、なにも剣だけを使った”肉弾戦にこだわる”必要性は無いのだから。



「『ファイア』!」


「がぁっ!?」



『爆走』がこちらを振り向いた瞬間、炎属性の初級魔法たる『ファイア』をお見舞いする。

 初級魔法のため、あまり大したダメージを与えられるものではないが、それでも敵の裏をかくという面で見れば有効な手段である事は間違いない。

 加えて、魔法の持つ威力が大したものでないだけで、魔法による相手へのダメージ自体は確かに存在する。

『爆走』の片目を焼いたというダメージが。


 結果、『爆走』は突然の片目の焼失という予想外の自体に見舞われ、慌てて斧を持っていない方の手で目元を抑える。



「はぁっ!!」



 無論、命のやり取りをしている状況で敵の隙をむざむざ見逃すほど、ミシュリアは甘い人間ではない。

 敵が仰け反ったこの状況を好機とばかりに、男に向かって剣を振りかぶる。


 しかし、男の腕を切り落とすはずだったその剣は。


























 他ならぬ『爆走』の斧によって防がれていた。



「なっ!?」


「はぁぁあああああ!!!!」



 直後に油断を突かれたミシュリアは咄嗟に後退するも、振るわれた斧によって胸を大きく袈裟掛けに斬られる。



「あぁァァッッ!?!?!?」


「ミシュリアっ!?」


「……へっへっへっへっへ」



 目が眩んでいたはずの『爆走』は変わらず目元に手をやりながらも、その顔は確かに醜悪な笑みによって歪んでいた。

 ミシュリアは何が起きたのか分からないという表情を浮かべ、斬られた自分の胸を手で押さえながら『爆走』を睨む。



「あぁ……分かるぜ。オメエが俺を睨んでる様が、”気配”を通してよ〜く伝わってくる……。そりゃあもう、ビンッビンになぁ!」


「……チッ」



 口からツバをペッと吐き出しながら、男が目を焼かれてなお攻撃可能な理屈を理解したミシュリアは相手を睨み続ける。


『爆走』がミシュリアの攻撃を防いだのは何て事のない、周囲の存在を『気配』で察知する事が出来るからだ。極端な話、今のように何らかの理由で視界が使えなくとも自身の周囲の気配を敏感に感じ取る事で、敵の存在や相手の行動を察知する事が出来るのである。


 自身が伯爵領の領主として仕事をする前に冒険者として仕事をしていた時にも、そうした『気配』で敵や人の居場所を探れる冒険者というのは何人か見てきた。


 油断していたのは自分の方だったか、ミシュリアは先ほどまで余裕を持って戦えていたと思っていた自分を恨めしく思う。



「へっへっへっへっへ……。嬢ちゃんも中々やるようだけどよぉ、目が使えなくたって戦う術はいくらでもあるんだぜ?」



 こんなようにな!と、『爆走』は刃に風を纏わせて斧を振るう。

 斧が大きく振るわれた途端、刃に纏われていた風がミシュリアたちに向かって飛んでくる。



「!?」



 咄嗟に自分も剣に風を纏わせて振るい、風の刃をぶつけて相殺する。

 その様子を見て、どことなくつまらなそうな表情を浮かべる『爆走』。



「んだよ嬢ちゃん。こりゃいよいよ厄介な相手ってかぁ? 俺もちったぁ魔法には自信があったんだが、いきなりぶっ飛ばされたもんが少しだけ手を掛けて飛ばしたもんを相殺するって、どういうことだよ。ええ?」


「知らないっての……。あんたより私の方が魔法の素質はあるって事だろうよ。あんたはパワー寄りで私は魔法寄り、両方使えるってだけでも相当の武器になると思うけど?」


「うるせえんだよっ!!!」



『爆走』は再度風の刃をミシュリアたちに飛ばしてゆく。それらを同じように剣に纏わせた風の刃で迎撃するミシュリア。かと思えば、『爆走』がミシュリアに向かって駆ける。

 真正面から対抗するように、ミシュリアも剣を構える。


 そうして一斉に相手に飛びかかり、何度目かの鍔迫り合いをする。



「ぐぅっ!」


「くっ……」



 両者とも拮抗した力で相手を押し留める。

 だが、時間にして1分にも満たないくらいの頃。

 先に動いたのは『爆走』の方だった。



「うらぁっっ!!!」


「うぁっ!?」



 いきなりフッと斧に込めた力を抜いて足を後ろへ一歩下げた『爆走』と、そのせいで勢い余って前のめりになるミシュリア。

 そうして出来た僅かな隙を見逃すはずもなく、今度こそ『爆走』はミシュリアの体を大きく斬りつけた。



「がぁっ!」


 自身の体を袈裟切りにされた事で、出血の量がかなりマズイ事になっているミシュリア。

 このまま適切な治療を施さなければ、すぐに死んでしまうほどには切迫していると言っていい。

 回復魔法を扱う者として今すぐにでもミシュリアの傷を癒したいリサ達だったが、先ほどから繰り広げた戦いをみていて足が竦んで立てなかった。


 そうこう迷っている内にも、『爆走』はニヤニヤと笑みを浮かべながら一歩ずつ距離を詰めてゆく。

 ミシュリアは痛みのあまり、ただ悶える事しか出来ない。



「嬢ちゃ〜ん、いよいよもってここで終わりだなぁ? せいぜい最後は華々しく散れや。な?」


「だ、誰が散るっていうのさ。私はまだ、終わりだと言った覚えは、無いんだけど?」


「思いっきり可愛いお胸に痕が残るくらい斬ってあげたっていうのに、どうやってオメエは俺サマに楯突くってんだぁ? おとなしく諦めちまえ。心配しなくとも、そこの奥にいる可愛こちゃん達は一人の例外もなく、俺が美味しく頂くからよぉ」


「ほざけ、この、デカブツ( ブタゴリラ)


「……テメエは本当に口の減らねえ女だなぁ。ぶっ殺してやるぞ!!!!!!」



 ミシュリアの意地とも呼べる暴言に本当に頭にきた『爆走』は、余裕綽々とした表情を再び憤怒に染め、たち上がると同時に斧を真上から振り下ろす。その射線上にはミシュリアが。

 ああ、ここで終わりか。約束を守れなかったと、ミシュリアはふと心の中で思う。するとまるで走馬灯のように、今までの思い出が思い浮かんだ。けれどもなぜか一番鮮明に思い浮かぶのは、ずっと過ごしてきた家族との思い出よりも、タカヒトとリサと3人で旅をした記憶だった。

 リーシュの街から王都までという短い距離とはいえ、とても充実した時間を過ごせたように感じる。



(あはは、ダメだねこれ。ごめん二人とも、約束守れなくてごめんね)



 だが。

 いよいよ斧が彼女の頭を粉砕するその直前。

































 真っ白に輝く鎌の刃が、斧の刃を受け止めていた。



「……え?」


「ばーか。必ず生きて帰ってこいって言ったろう。年上のおっさんより先に死のうとするなんざ、100万年早い」



 死に際の思い出を思い浮かべるように目を閉じていたミシュリアが再び瞳を開ければ、そこには黒衣の鎌使い( タカヒト)が立っていた。



「ウチの大切な仲間が随分と世話になったようで……」



 タカヒトはうつむき、一度そこで言葉を区切る。

 だが彼をよく知る者、例えばこの世界にはいない彼の家族や友人なら分かるだろう。

 タカヒトは今、今までの中で感じた事の無いほどの怒りを宿している事を。


 それを感じたのか、『爆走』もやや怯みがちな顔を浮かべる。

 やがてタカヒトが顔を上げると、そこには強い怒りの感情を眼に浮かべていた。


 ミシュリアに振り下ろされていた斧を、タカヒトは自分の腕力で鎌ごと勢いよく上に振り上げる。

 それに煽られる形で体制を崩した『爆走』に向け、正面から鎌の刃を突きつける。



「覚悟はできてんだろうなァッッ!!!!!!!」




 タカヒトの本気の怒りが、『爆走』に向けられた。

次回、タカヒトさんが本気でキレた後、ダークド◯アムがデスタム◯アを蹂躙するがごとく戦い(チート保有者基準)が始まります(多分)。

ドンパチが主軸の回になるのは間違いないですけれどね笑

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