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最強傭兵団でこの先生きのこるには  作者: 蛇色の海
フローデ・・・イタリア語で詐欺
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18/27

王女様が見てる

かくしてセイジョルニの監察官が戦場にいた頃のような

一大決戦の振りが始まり

ちょうど佳境に入る手前で王女と俺と副団長は小高い丘へと到着した


「おお、、、これが噂に名高いフロメルの戦場なのねキーリ姉様」


いつのまにか王女殿下は副団長を姉様と呼び出していた

ここに来るまでの間何があったんだ


「レスビカ、しっかり目に焼き付けておくのよ、丘での戦いをね」


副団長は副団長で顔をすっかり紅潮させて

馬の後ろに乗った王女の顔を自分の肩に持ってくると

またしても耳元で甘く囁いていた

今王女の耳たぶを噛んだような気がするが気のせいだろうか


「えー、あれがフロメルで、あっちがアルメルで、

現在はアルメルが押しているようですね

俺が出ます、王女殿下には約束通りここで待機していただきます

副団長は王女の護衛でよろしいですか?」


「ええ、大丈夫よ、エリオ君気をつけてね

さあレスビカ、日除けの下で観覧しましょう

ゆったりとね」


日除けなんてあったかと思い辺りを見渡すと

トラットリアさんとロランが

テキパキと日除けにリクライニングチェアにドリンクまで用意している


「王女殿下!どうぞトラットリア商会の名前覚えていってくださいね」


副団長は馬から降りると王女殿下を御姫様だっこで傘のような日除けの下の

リクライニングチェアにやさしく降ろした


いい加減王女と副団長のいちゃこらを見るのが目に毒だった俺は

そそくさと戦場へ馬を駆けさせた


そういえばベルと団長はどうしているだろう

流石にこちらへ向かっているだろう

、、、向かっているよね?



―――フロメル陣営地―――

団長とベルはペイシュパルデ平原に急いで向かっていた


「やばいよやばいよ!かたぬき屋が繁盛しすぎて中々抜け出せなかったよ!

ベル!とソシェちゃん!もっと急ぐよ!」


団長が馬を全力で駆けさせる横で後ろにソシェを乗せたベルがものすごい勢いで馬を走らせる


「急すぎるのよ!てっきり明日だと思ってたのに!おかげでもう少しで完成しそうだったかたぬきも中途半端でおいてきちゃうし!

帰ったら続きするわよ!絶対!ソシェちゃんだっけ?あなたも覚えているわよね?私、後少しでかたぬき完成していたよね?」


「あ、いえ、あの、、、そうです、、ね、完成してたと思います多分」

(ちょっと!さっき打ち合わせしたでしょ!完成してたってはっきり言ってくれないと!)

ソシェは困ったような顔でベルの背中に捕まって揺られていた

ユーリ団長とベルの下へ伝令がやってきた時に戦場へ向かうなら

連れて行ってほしいとソシェが申し出たのだ

いいよいいよベル後ろに乗せて行けよと団長が言うのでベルは仕方なしに

自分の後ろに乗せていた

そこであれこれと話をしている内にかたぬきの成功料金をなんとかして

かすめ取ろうと画作したベルはソシェに無理やり頼み込んで

自分の発言をサポートしてもらおうとしたのだ

問題なのはベルの策略がまるでうまくいかないであろう事ではない

問題なのはソシェがなぜ戦場に行きたがったか

そして王女殿下のメイドだと聞きそびれた事、かつその事を知っている団長がまったくもってその事を気にかけなかった事だ

ともかく団長とベルとソシェは全速力でペイシュパルデ平原に馬を駆けさせていた


―――ペイシュパルデ平原 戦場のど真ん中―――

俺は必死馬を走らせていた

必死に馬を走らせていたと言うのは半分嘘で

そこそこ必死に見えるように余裕を持って馬を走らせていた

戦場の様子は凄惨な様子だった

凄惨な様子だった言うのはこれまた半分嘘で

実際は凄惨に見えるように

みんなが必死に戦う傭兵を演じてくれているからだ

それと傭兵団の倉庫に眠っていたリアルな血のりのおかげか

しかも偽物の腕や偽物の足なんかも駆使して戦場は地獄のようだった

なかでも傑作なのはあまった豚の腸にトマトジュースを詰めた物を引きづりだす演出だ

、、、散々頼み込んで唯一入れてもらった俺のアイディアでもある

ネタ元は副団長のあだ名である内臓引きずり出し鬼だ


あれ?俺戦場に出向かなくても問題なくね?

けどあの二人の世界にいるのも楽じゃあなかったしなぁ

とりあえず突っ込んでいってえいやあと剣を振り回すと

さも攻撃が当たったかのように周りの傭兵達は吹っ飛んでくれた

、、、これはこれで気持ちいいな

いつもこれくらい真面目にやってくれたらいいのに


調子に乗ってぶんぶん剣を振り回していると目の前から

あ、これに当たったらステータスとか関係なく

頭が潰れたトマトみたいになるんだろうなって思える速度と重量で

大きな槌が迫ってきた


間一髪でそれを避ける事に成功し一安心していると目の前から

あ、これに当たったらステータスとか関係なく

顔に無数の穴が開くんだろうなって速度と重量でモーニングスターが

迫ってきた

それも間一髪躱して馬を反転させると

禿げ頭に緑がかった皮膚のでかい男と赤髪ツインテールの褐色娘が

大槌とモーニングスターをそれぞれ持って並んでいた


「よう突撃隊長!やる気まんまんじゃねーか!ぎゃははは!

突撃隊長相手だったら手加減は必要ねーな?」


「よー突撃隊長!やるきまんまんか―!!

ふたりあいてでいけるかー!

ベルが全然きてくれないんだよ!

何しているんだよー(^▽^;)」


ベルがまだ来てないって事は団長も来てないんだろう

何やっているんだあの人達は

しかも二人相手にしろだって?

アルメル団長と突撃隊長の二人を?


考える間もなくジュリィ団長は襲い掛かってきた

俺は体を後方に回転させ馬から降りてジュリイ団長の攻撃に対応する

思えばジュリィ団長と戦うのは初めてだ

チカチーはモーニングスターもそうだが呪術に注意しなければ、、、


「うぉあぶね!」

ぼーっとしている時間はなかった

大槌が頭をかすめてモーニングスターが足元をかすめる

一応やられた時用にトラットリアさんに特注してもらった血のりチョッキを

着ているが、できれば血のりは出さないでこの二人に対応してみたい

嵐のような猛攻を俺はなんとか凌いでいく


「おらおら俺たちが優勢だったら意味がねーんだぜ!

それともいっそこのままコリナポルタ領を蹂躙しちまうか、ぎゃははは!」


「蹂躙しちまうかヾ(▼ヘ▼;)!」


本気で言っているのか俺を奮い立たせようとしているのか分からない

分からないがともかくやられっぱなしは面白くない


俺はいったん距離を取り二人が縦に並ぶような位置から突っ込んだ


前にいるジュリィがニヤリと笑って体を屈めると後ろからチカチーがここだと言わんばかりに鋭い一撃を放ってくる

一人ずつ戦うつもりが逆に不意をつかれた俺、を演じる俺は

一瞬だけ驚いた顔をしてそのままチカチーに肩からタックルをした


「きゃ、エリオお兄ちゃん私まだ心の準備が、、、(*・・*)」


おかしなことを言うチカチーをそのままがっちり抱きかかえてジュリィがいる方向へ

思い切りぶん投げた

ジュリィはチカチーを片手で受け止めてその場で立たせる


「やるなあ隊長、そろそろ引いたらいいかい?

それともまだまだ続けていいのか!」


二人を相手にするのに必死だった俺が周りを見ると

傭兵達は倒れたり腕を押さえてうずくまったりと

あと一歩で雌雄が決するかと言った状況だった

それに加えて息が上がっている連中も増えてきた

頃合いだろうかと思っていたその時

馬が地面を蹴る音が二つ聞こえてきた


「はっはっはー!!ここで主役の登場よ!

さあ大暴れして王女殿下にアピールしてやるよ!」


ユーリ団長にベル、、、来るのが遅いだろ、、、しかも王女のメイドまで連れてきて

まったくやれやれ、メイドを戦場まで馬に乗せて来た

なるほど王女のメイドを戦場まで連れてきた


俺はその場で卒倒して後の事は全部他の誰かに任せたい気分になった

だがなんとか気持ちを持ち直しそれっぽくジュリィ団長へ切りかかり

そのまま鍔迫り合いのような体制になって団長へ話しかける


「ジュリィ団長!!なんでなんすか!なんであの人はああなんすか!

なんなんすか!みんな一生懸命やっているのに!なんで!あいつは!」


「何にキレてるかはなんとなくわかるぜ

いや俺も嫌な予感はしたんだよ?

王女のメイドだって言うからかたぬき屋は任せて出てきたんだけどよ

まさか連れてくるとは思わねーよな」


「え、ジュリィさん知ってるんですか、ソシェの事?」


「ああ、さっきまでかたぬき屋で一生懸命遊んでたよ」


「顔は?」


「顔はまあいい方だったな、ちょっと若すぎると思うけど」


「顔は見られたんですか?」


「ああそういう意味か、もちろん俺もチカチーも顔は見られているはずだぜ

なあ突撃隊長、言いたい事はわかるが単純に考えろよ

さっさと俺らを退却させちまえば問題ないだろ?

もっと肩の力を抜いて、柔軟に物事を考えなきゃならんぜ?」


ああ、たしかにジュリィ団長の言うとおりだ

退却させよう、それでこの戦場は終わらせて

ああ団長遅かったですねって言って何事もなく陣営地に帰ってみんなでBBQだ


ずどんと音がして戦場のど真ん中に隕石が落ちた

実際はベルの馬から跳躍したソシェが上空から戦場のど真ん中に着地したが故に

そう見えたのだった


「傭兵団の方々にはお世話になりました

微力ではありますがお手伝いさせていただきます」


彼女はそう言いながらスカートの中からぽっぽ焼きを取り出した

そしてそれをすぐにしまいもう一度スカートの中へ手を突っ込むと

中からレスビカ王女が使っていた銃のデカい版を取り出して

近くのアルメル傭兵に向けた








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