魔術師、翼人との出会い
「ん、んぅ……」
おや、翼人の人が起きたようだ。
「おはようございます」
「おはよ……?」
すると彼女はこちらをハッキリと見て、
「誰…?」
「僕は薔薇の城の主、アルヴィンです」
実際、こう言っといた方が都合が良い。理由としては僕の魔力を使ってるので誤魔化してもバレるので、だったらもう主で良いじゃないか、と。
「……いきなり超級魔法放たれたんだけど」
「それについては城の半径20メートルに近づかなければ大丈夫でしたよ。まあ、守る必要性すら感じないんですけど保険ですよ、保険。これ食べます?」
僕が出したのは冷凍庫 (魔道具)から出したバニラアイス。それを見ると、
「…貰う」
「甘いの好きなんですか?」
「ええ…」
それにしてもこの人、喋るけど一言だけだなぁ。あれかな、コミュ障的な。
「あなたは、あれをどうやって浮かしてるの?」
普通に喋れました。はい。
「あれは物体構成を変え、維持する魔術にフライトの魔術を使い………」
「じゃあ、魔力は大丈夫なの?」
「はい、魔力を消費していかないと結晶が出来て死ぬ可能性があるので」
「魔力固結症?どれだけの魔力を秘めてるの?」
「それは分かりません」
こうやって色々と話しているうちに分かったことが何個かあった。
彼女達は高度30,000メートル近い山奥に住んでいる。
寿命は長く、1000年以上は生き続ける。つまり彼女はロリバb…。
魔力量は極めて高く、魔法適性は風が多い。
僕の薔薇の城に近づいたのは魔力の塊が浮いていたから、など。
「つまり、興味本意で近づいたら沢山の弾を撃たれたと」
「ええ、そう。もう撃たれたくはない」
ジーッとアスタルテを見る。あ、顔逸らした。確信犯かな?まあ、警備は怠ってないし、今回は不問だな。今度からは敵意を感じたら速射で良いや。
「取り敢えずもう帰れば?」
「ええ、できたらそれがしたいのだけれど」
「出来たら?」
「魔力を防ぐのに全部使ってしまって。回復速度は遅いから明日まで待たないと」
「……あ〜、じゃあ、薔薇の城に一晩泊まっていって下さい。これ持ってれば迎撃される事は無いので。回復効果がありますし、明日までには多分大丈夫でしょう」
「…感謝する」
僕は外に出てフライトを使ったエレベータ的なものに彼女を乗せ、そのまま上に上がらせた。
「あ、そうだ。これに手を乗せて自分の名前言って。それで今度からは入れるから」
「……分かった。…『ジルヴェスト=ゼフィロ』」
すると、彼女の手に淡い光が現れ、腕輪になった。
「それ外さなければ入れるから。あと、誰かが使おうとしても撃退装置が発動するから気をつけてね。じゃ、また今度」
「…ありがとう」
そのまま下に飛び降り、つかの間の自由落下を楽しむ。地面が近づくとフライトをかけて地面に降り立つ。
「はぁ〜、風呂入って寝ましょう」
おそらく、彼女とはまた会う事になるだろう。てかなるな。
ああ〜、戦争みたいな事にならなきゃ良いんだけど。
しかし、悲しくもこの予想はあたる事を今のアルヴは知らなかった……。




