魔術師の初の魔力切れ
このゴーレムは一切攻撃してこないし、判別でも魔物とでている。だが、
「ギ、ギ、オレハアルジニツクラレタ。ダカラアルジニシタガウ」
「知性はあるし、悪いやつじゃなさそうだし薔薇の城の中で巡回さえとけばいいか。じゃあさ、君の名前は、…『日緋色』、かな」
このゴーレムの色合いは薄い赤みがかかった色になっている。先程まではまるでマグマのような赤だった。
という事は、このゴーレム最弱の状態か。生まれたては弱いというが、あの戦闘を見てこいつは強い。育てたらどうなるか楽しみ、だ。
「あれれ、目の前が…くら、く………」
突如自分の視界が暗くなり、体もだるくなる。
(ああ、これが魔力が最低値まで落ちた時の現象かぁ、新鮮だなぁ)
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起きて目を開けるとそこは看護室だった。ティナもベッドで眠っており、アスタルテと小ちゃくなってるヒヒイロがいた。え、小ちゃくなれんのかよ。
「やあ、アルヴ君。随分と大きな騒ぎを起こしたね」
声をかけられた方を見ると理事長がいた。
「退学…ですか?」
「いや、優秀な人材をそうするわけないだろう。君があれほどの魔力を持っていた事について聞きたい。君は「印」持ち。魔法適性は全属性」
「全属性とはいっても超級からは全て使えません」
「なぜだい?君の魔力は足りているはずだ」
「そこまでは知りません」
ふぅむ、と唸ると、
「じゃあ別のものにしよう。君の固有魔法について…」
「すいません、それは家族でさえも教えてないので無理です」
「……そうか、無理ならばいい。では、失礼した」
理事長はそのまま出て行った。
ティナは横でスゥスゥと寝息を立てている。今日も疲れたなぁ、こんな事が連続であるとさすがに疲れる。すると、
「…マスター、命令を守れず申し訳ありません」
アスタルテは恐らく、僕がチンピラに絡まれた時に僕の方へ移っていたのだろう。僕はティナの護衛を命じていた。そして、ティナは連れ去られ、僕はこうなった。その事を詫びているのだろう。
「大丈夫、アスタルテだって心配してきてくれたんだ。今度からはティナと終始一緒に居ればこんな事にはならないし、離れる時はそこのヒヒイロを護衛につければいいよ」
僕はヒヒイロに目を向けながら言う。コクンと頷くヒヒイロ。
「アスタルテも気負う必要なんて無いし、ね?だから泣くのを止めてこっちにおいで」
「………すみません、マス、ター」
ポタポタと涙を流すアスタルテは無表情ながらも心動かされる。
胸に抱きつき泣き続けるアスタルテは本当に可愛かった。これが見られたので気絶した甲斐があったもんだ。二度とやりたくないけど。
それにしても懐かしいなぁ、死ぬ間際に見た美波の顔を思い出す。あれを思い出す度に泣きたくなるが、今でも堪えている。
「これからは慎重に行かないとな……」
黄昏ってるとガラガラと扉が開けられ、
「やあ!アルヴィン君。見舞いに来たよ!」
「おい、病人なんだ。静かにしてやれよ」
「ふ、私が見舞いに来てあげたのですわ」
三者三様、面倒くさそうなのが来たよ………。




