反転増幅
ギリギリセーフってとこか。
ネバダに向けて撃たれた銃弾の欠片は違う次元にしまっておいた。
ネバダ上空2km。神々の戦いが始まった。
殴りかかってきたαの手を受け流す。
相手の腹に蹴りを入れようとするも、いなされる。
「〘落花情死界〙」
無数の花びらが舞い、俺の体に触れる。
すぐに呼吸が出来なくなる。
意識が途切れるギリギリのところで俺を包むように世界を創造。
花びらを防ぐ。
恐らく、敵の生気を奪う呪い。
誘導ミサイルのように迫りくる死の花弁は、恐怖そのもの。
管理者相手でも通用しそうなのが恐ろしいな。
αが俺に向かって人差し指を立てる。
「FSC」
無数の巨大な弾丸が俺に迫りくる。
「準備完了」
俺は微笑むと、別次元に収納しておいた弾丸の欠片を解放し、それぞれの弾丸目掛けて発射する。
「なっ……」
αが動揺しているのが見える。
別次元の中でナノメートル単位の距離を永遠に、光速以上で反復させ続けることで加速を付与。
ジャストのタイミングで開放することで、新たな弾丸としてこの次元に発射できる。
自分で言うのもなんだが、まさに”神業”。
イメージを最大限に具現化できるFSCを利用しているからこその技だ。
そういえば、さっきαが俺をターゲットにする時に名前じゃなくて俺に付随するFSCを標的名にしていたな。
俺の名前は多分知っているだろうし、FSCにする意味はあったのか?
FSCさん、どういうこと?
『神には、神化の際にそれぞれ神名が与えられますが、あなたは【ζ】を行使したため神名を拒否しています。管理者の名前がそのまま受け継がれた形です』
なるほど、つまりαは俺が神名を与えられたと思っているのか。
こちらにとっては好都合かもしれない。
「よし、ユイ。君にしかできないことがある」




