次元、空間
自由の国、アメリカ最大の都市、ニューヨーク。
人口は凡そ900万人、通称「眠らない街」。
ミッドタウン。多くの観光客が訪れるビル街。
その中心が、爆ぜる。
瓦礫が飛び散り、一瞬で多くの人の命を奪う。
土煙が晴れ、その目に映るは、大きなクレーター。
「ふむ、少々やり過ぎたかもしれぬ」
肩に大きな斧を担ぎ、クレーターを歩くのは、唯一神α。
「〘黒星赦銃〙」
αがそう呟くと、遠くのリバティ島の自由の女神の頭部が外れ、中から巨大な銃が現れる。
「ネバダ」
その一言で、ネバダ州に巨大な銃弾が撃ち込まれる。
「RC物質で強化した弾丸だ。イズンの術式で殺傷能力を本来より300%向上させている」
ネバダの上空3000メートル。
弾丸が、姿を現した。
「させるかぁぁぁぁっ!」
テレポートして来たアマガキが銃弾を切り裂く。
ふぅ。ギリギリセーフかな。
遡ること数時間前。
◇ ◇ ◇
「その世界、俺の前世かもしれない」
「……なるほどな」
スピリット・バグが頷く。
「一瞬で受け入れたな」
ユイがツッコミを入れる。
ミコトはまだタイピングを続けている。
「私の時空干渉でも無理そうね……」
ソラリスが手のひらに歪んだ火の玉を浮かべ、握り消す。
「空間波紋の相互干渉による転移の妨害術式も掛けられている」
バグが大きくため息をつく。
その場にいた全員が詰みだと感じた、その瞬間。
管理者ハウスの玄関を突き破り、黒い獣が姿を現す。
「久しいな!」
その獣はみんなを見ながら喋り出した。
「クラウディ!?」
みんなの声が合わさる。
「ふむ。状況は一目で把握した。何、空間転移、生成は儂の専門じゃ」
空間の管理者、クラウディ。
「ほら、前世の空間に行くのだろう?」
魔法陣が地面に描かれる。
「あぁ」
全員が魔法陣の中に入ったのを確認して、クラウディが咆哮する。
空間転移のオリジナル。
「《次元位相転換術式》」




