* 披露宴・あかりん編
Just like starting overをご覧いただいていた皆様
お待たせいたしました!!
灯と享のその後を描いたアフターストーリーの始まりでございます♪
このお話はどちらかといえばちょいシリアスのコメディ。
じれじれだった二人がイチャイチャになっていく様をご覧頂きたく!!
もしこのお話からのユーザー様がいらっしゃるようであれば、是非、前作・完結済の
Just like starting over
~アメリカ帰りの幼馴染に振り回されちゃってます!!~をご覧頂いてからの方が、お楽しみも倍増かと思われますので宜しくお願い申し上げます(#^.^#)/
では、はじまりはじまり~♪
好天の空の下。
緑の多いホテルの広大な庭先での披露宴。
誰が誰だか分からないくらい人が来ている。
この人本当に何者なんだろう?と享の事を不思議なものでも見る様な視線を隣に送る。
二人は定席のまま動かず、お客様の方から席に祝辞を述べに来る。
それにしても昨日?今朝?とにかく享に愛された跡が痛い。
挨拶するのも至難の業だ。
「あかりん?」
「は?」
「辛い?」
『てさ、あなたは何故そんな元気な訳?』
口をきくのも億劫だ。
「ごめん」
『何を今更謝ってんの?』
「灯がますます綺麗になってたから……我慢が出来なくて……」
『じゃ、綺麗なままにしておいてよ。多分、今の私ボロボロ』
「あのさ……手を繋いでもいい?」
『は?何言ってんの?』
「灯、またいなくなりそうな顔してる」
『え?私?そんな顔してる?』
「明日の夜便で立つけど大丈夫だよね?」
「え!!」
「昨日、話したよね?」
「……ちょっと、いつそんな話した?」
享はやっとこっちを向いた灯を嬉しそうに抱きしめて、耳元で囁く。
「あの時……愛し合った時に、もう離れない一緒にずっといるって言ってくれたじゃない」
「その時、そんな話をした?」
「したよ」
『これは確信犯だ……覚えてないと思って、なし崩し的に騙そうとしてる』
「聞いてません」
「そう?おかしいなぁ、あの時……僕の肩にしがみついて……」
「ちょっと!!今、言う事?」
「じゃ、何でいつまでも怒ってるの?」
「胸に手を当てて考えてみて」
「胸?」
享は灯をもっと強く抱きしめると、お客様側からは見えない方側の灯の胸に手を当てた。
「!!!」
「考えても分からないんだけど……大きくなった事だけしか分からない」
享は笑った。
「この!」
灯が立ち上がりそうになった時、
「皆様、ご注目下さい。新郎、新婦によるウエディングケーキのご入刀でございます」
アナウンスがあり、目の前にそれはそれは大きなケーキが運ばれてきた。
『そうだった、こんなこともするんだった』
それぞれのお付きの人が横から、あれこれ話しかけて来て、リボンのついたピカピカのケーキナイフを一本二人で持たされた。
「お二人の初めての共同作業でございます!それではケーキにご入刀をどうぞ」
享は満面の笑みを浮かべ、灯を見つめる。
灯は思わず苦笑いしながら、二人で持つナイフをケーキに入れた。
拍手喝采が起きる。
出席人数が500人ほどだと轟音だ。
一度ケーキは引き上げられ、カットされ新郎新婦席とお客様に振る舞わられる。
そして、この後、ファーストバイト※が行われる事に。
「新郎から新婦へ、新婦から新郎ケーキをお口にお運び下さい」
「一生、食べるものに困らせないよ」
享は灯の口に合わせた大きさのケーキをフォークで運ぶ。
灯は、怒りがおさまらないまま、それを仕方なく口にする。
そして自分が享の口に運ぶ時、これは絶対入らないと言う大きさの一切れをフォークに乗せた。
「あかりん、それはいくら何でも」
「一生美味しいお料理作ってあげるのに?」
「!!」
口を開けるか開けないかのうちにケーキを押し付けられて顔半分がクリームだらけになった享。
それを見て灯が大笑いする。
これまた客達も大爆笑大騒ぎだ。
お付きの人が慌ててナフキンを差し出すも、享は手で遮ると、灯の腕を引く。
そして、その顔のまま灯に口づけした。
灯は手に持っていたフォークを思わず落とす。
驚いた灯は目を開けたままで享と目が合う。
顔を離した享が灯の顔を見て笑いながら、同じ様にクリームだらけの灯の鼻の頭をペロっと舐めた。
灯が思わずゲンコツを享の顔に向けて繰り出した時、その手を片手で受け止めると、そのまま肩に担ぎ上げる。
そしてお客様に向けて享が言い放った。
「すみませーん!二人ともこんなんなんで、お色直しってヤツに行ってきます!皆様はどうか引き続き、お楽しみください」
またギャラリーからは盛大な拍手が起きた。
建物の中に入る二人。
「おろして!」
新郎の控室に勝手に連れて行かれた灯。
「おろせ!」
灯はその場に落とされた。
「痛っ!」
いくら足が沈む様なフカフカの絨毯の上でも、いきなり落とされたら、昨日の今日ではかなり痛い。
置いてあったおしぼりで顔を拭く享。
「ちょっと、いくらなんでも落とす事ないでしょ」
「おいたが過ぎる」
「え?」
「お仕置きだ」
「ちょっと……」
享はしゃがむと灯の身体を羽交締めにする様に抱きしめて顔のクリームを舐める。
「いや!気持ち悪い!」
「ダメ!自分がやったんだから」
「やめ、やめて」
「じゃ、後は大人しくする?」
「大人しくする」
「じゃ、やめてあげる」
「……」
黙っていた灯が今度は享にキスした。
またクリームが享の顔につくが、そのまま二人は深い口づけになっていく。
「灯……」
「ん?」
「僕に火をつけて、どうする気?まだ披露宴の真最中なのに」
灯はすっくと立ち上がると
「では、ワタクシはお席で大人しく待ってます」
と、ニッコリ笑いながら部屋から出て行く。
「こいつ……覚えてろ!今夜も寝かさないからなっ!!」
享は楽しそうに笑った。
※First Bite
入刀後、切り分けたケーキを新郎新婦がお互いに口へ運び合って食べさせる演出。
新郎 → 新娘:「一生食べるものに困らせません」
新娘 → 新郎:「一生美味しい料理を作ります」
と言う意味合いがある。




