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その頃、魔界では三人が話し込んでいた、
今回の遠征での結果について。
「今回の遠征では、そこそこ間引きが出来ました」
ヒアキが成果を報告する
「そうか」
「はい。これでしばらくは資源不足の方はある程度の目途が付きました。
また、反逆の恐れのあるものは大方、勇者達が始末してくれたので
こちらの手を使わずにすんで助かりました」
そう、今回の人間界への侵攻はあくまで不足気味の資源の回収と
魔族の間引きである。
「次回の遠征の為の情報は、ほぼ得ましたので準備に入ります」
ヒアキの報告が終わる。
「クロヴァ、どうだった首を斬られた気分は」
横で聞いていたグロッパが聞く
「もう御免だね。あんなもの経験するべきじゃない」
首をさすりながらクロヴァはいう
「だとよ。ヒアキはどうよ」
「私ですか? まぁ悪くはありませんでしたよ。
体験としてはそうそうないですからね」
ヒアキは感慨深げに感想を述べる。
「当り前だ。そんなに首を斬られてたまるかよ」
「ですが、クロヴァ様は首を斬られることはなかったのでは? 」
いくら人形だったとは言えクロヴァが勇者ごときに
首を落とされる事なんてあるはずもない。
「まぁそうなんだが、ちょっとなあの勇者は……」
勇者を連れて帰って来た三人は英雄扱いをされて過ごしていたが
あまり納得は出来ていなかった。
確かに魔王軍とは戦ったし、幹部連中も仕留めはしたものの
本当に倒すべき相手には手も足も出なかったのは堪えた。
それにあの時、自分たちの力量だけでなく
心構えさえも足りていなかった事に
気づいてしまった今となっては周りからの対応が胸に刺さる。
勇者の演説を聞きながら三人は思うのだ
「ねぇ、私達ってここにいてもいいのかな? 」
「うむ、それは私も思ったが…… 」
「私たちは勇者パーティーですぅ」
「そうね、それは確かだわ。でもこのままって訳にもいかない気がするのよね
なんていうのか罪悪感っていうのかな? しっくりこないのよね」
「確かにそれはあるな」
「貰えるものは貰うですぅ」
「そうだな、私達だってやることはやったんだからな」
「はいですぅ。後は各々でどうするのか決めればいいのですぅ」
「はいはい、わかりましたよ。こんな事で悩んでなんかいられないわ」
それにしても……
「「「うちの勇者、ニャアニャアうるさいわね」」ぅ」
三人は声をそろえてそう言ったのであった。




