伝説の武器
「魔法武器?それって伝説の12武器の事?」
ラトが目を輝かせて尋ねてくる。
伝説の12武器。それはファルテス教団との戦いに際し、神々が教団と戦う人々に貸し与えた武器の総称。
神の世界にのみ存在するという金属「神輝鋼」や妖精達が武具を作る際に使われるという「妖精銀」等を素材に人ならざる者の手によって生み出されし武器。
その絶大な力は人知を超えた代物とされており、すでにいくつかは失われているが、今なお各国に受け継がれ、権威の象徴となっている例もある。
手にすればその力を背景に国を興すことも、莫大な富を得ることもできると言われている。
先の大戦も帝国がその武器を独占し、復権を狙おうとしたことから始まっている。その際に失われた『太陽の光弓』などもその一つである。
ガシオン公もかつて、深森痩精たちから貸し与えられた『深森痩精の護剣』を手に教団との戦いを生き抜いたという。
「あれほどの力ではでないが、他にも多数存在する」
「古代王国時代には人間でも作れたらしい、だから南の遺跡とかからも見つかることがあるんだ」
ビアトロも幾度かそれを求める冒険者達の探索を共にしたことがある、大抵は空振りに終わるのだが…
「12武器級の代物もいずれは手にしたいが、はて、どこにあるのやら」
「はははっ」
肩をすくめるアルザーを見て苦笑するビアトロ。それを見ていたラトがぽつりとつぶやく。
「魔法武器かあ、うちでも扱いたいなあ」
「うち?」
「この子はあのスリエード商会の子なんだ」
「なるほどな。だがやめておけ、物によっては城が買える値段になる。さしものスリエードでも手におえまい」
しれっとそうアルザーがそういうとラトは目を白黒させる。
「うえぇ~でも、ううーん」
デウニテル=神輝鋼 既存のファンタジーものではオリハルコン等ともよばれる幻想世界独自の希少金属
深森痩精=セレシス・ルフォ 森に隠れ住む人外の種族、いわゆるエルフに相当する存在




