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18.今夜こそお邪魔します

ブックマークしてくださった方々、ありがとうございます。たくさんクリスマスプレゼントもらった気分です。あぁ、満足したら当方も死ぬのかな…とかアホなことを思ってます。

「あれ、偶然だね?」


心なしかゆーちゃんの笑顔が怖い。


「あぁ。偶然だね?ゆーちゃんどうしたの?」


「うん、買い物に来たの。そちらはどなた?」


マジ怖いんですけど…ゆーちゃん、目が笑ってないよ?


「大学での悪友のトウマユイ。さっきばったり会ったんだ。」


嘘じゃない、信じて、ゆーちゃん!!まだ(・・)今は何もしてないよ!!と若干何かをする気だった自分に言い訳しながら心の中で弁明する。


「どーも、トウマです〜♪あぁ、本命の彼女ね?」


「バカ!失礼な言い方するな!同じ会社のハルナユリちゃん。」


ゆーちゃんは「どうも」と言ってトウマの姿の淫魔にぺこりと頭を下げる。本命の彼女って言い方はどうなのか?まるで俺がトウマと遊びの関係みたいだぞ。まぁ、淫魔自体とはそういう関係だけど…。


「今度、彼氏候補を紹介するって話をしてたんだ。ゆーちゃん、買い物だったら俺も一緒に行っていい?」


別の男を紹介するって話をしたので、ゆーちゃんの顔が少し和らいだ後、少し困った顔をした。


「え、でも、トウマさんと話の途中じゃないの?」


「いや、だいたい話終わったんだ。態度次第じゃ紹介しない!それで話は終わり。じゃあな!トウマ!」


早くこの場を切り抜けたかったので、俺はゆーちゃんの手を引いて来た道を戻ろうとする。なんだかトウマに誘惑されるたび、何かが警告してくるのだ。だからトウマの姿をした淫魔からいち早く離れたかった。


「え!あ…トウマさん、すいません。」


「まぁ、いいわ。私はちゃんと会わせてくれればそれでいいもの。またね。」


片目をつぶりウインクのようなことをして淫魔は雑踏に消えていった。結局、淫魔をトウマの身体から追い出すことはできなかったな。でもしょうがない。とりあえず、切り抜けられた方が重要。


「ねぇ…少し痛い…。」


ゆーちゃんの声に我に返る。


「あ…ごめん。強く握っちゃって…。」


そう言って、ゆーちゃんの手を優しく撫でた。撫でているとゆーちゃんは少し頬を膨らませて


「ちょっと訳ありな雰囲気だったからちょっと妬いちゃった。ただの…友達なんだよね?」


少し心配そうに俯いてゆーちゃんは俺に聞く。


「うん。タツキさんが女の子紹介して欲しいっていうから、偶然会ったトウマにその話をしてただけ。」


「タツキさんって…あのタツキさん?」


「そ、あのタツキさん。」


ゆーちゃんと付き合うはずだった、イケメンのタツキさんだよ。と心で呟く。自然と話はタツキさんの話へ。


「意外だなぁ。タツキさんって会社ではイケメンって言われてて、人気もあるけど…なんていうのかな…女の子に興味ない感じが軽くしてたから。」


「そっち系ってこと?巨乳好きなのに?」


「違うよ!なんていうか、没頭するタイプで他の人に興味なさそうって意味!って、あの人巨乳好きなの?」


あ、やべ。タツキさんが巨乳好きなのばらしちゃった。まぁいいや。


「だからかー。トウマさん大きかったもんね?」


自分の胸を見ながら続けた。


「…やっぱり男の人って大きいほうが好き?」


確かにゆーちゃんの胸はトウマほど豊かではない。問題は大きさではない、どっちでも好きだ!!と、個人的には思っている。


「俺はゆーちゃんのが…好き。」


人通りもあるので、小声で言った。


「もぅ!」


そう言って照れるゆーちゃんがめちゃ可愛い。さっき誘惑されて暴走気味だったところが怪しい動きを見せはじめる。


「買い物、どこ行くの?」


「あ、うん…ちょっと一緒には行きづらいと思うから、今度にするね?」


男を連れて行きづらいというと、下着かなにかかな…下着…妄想は尽きない。やばくなる前に思考を切り替える。


「せっかく会ったし、買い物行かないなら、ご飯でも行きますかー?」


「そうだね。ところで今日は何しにきてたの?」


「…俺も買い物。でも、急いでないから…あはは…。」


ナンパなんて口が裂けても言えない。俺はゆーちゃんと食事に行き、駅まで送っていつも通り別れた。依然として不満は溜まったまま。明日の朝が少し怖い…。






そして、翌朝、早起きしておいた俺は色々(・・)と済ませて朝シャワーを浴びた。その際、ふと気になったことがあった。腰にタオルを巻いたまま、しげしげと自分の身体を見る。


「どうしたのだ、主。」


「いや…なんか…びみょ〜に、自分の身体が変わった感じがしてな…。」


淫魔風にいうと身体もフツメンだった俺だが、細マッチョまでは行かないけれども、引き締まった感のある身体になってきていたのである。洗面台の鏡では身体は見えないし、気にしたことはなかったのだが。


「最近変わったといえば…うーん、自炊し始めたから?」


自問自答する。ユウちゃんに弁当を、ゆーちゃんとごはんを作って以降、食材が家にあったので、なんとなく自炊する機会は増えた。料理するのが楽しくなったというのもある。でも…そんな短期間でこうはならないだろう。


「後は…オッドのおかげで基礎体力が上がったし、スポーツも外出も頻繁にするようになったし…何より…」


俺は下半身を見る。確かに…出番は増えた。意外と運動量あるっていうし…まさか、欲求を満たすために身体が強くなってきているとか…?


「まさかなー。」


笑いながらもなんとなくスクワットしてみてしまう。30回は軽く突破。お…100はイケそう。タオルが取れて全裸でスクワットする俺をオッドが呆れた目で見ながらいう。


「…主。今日は早く行くのではなかったのか?」


「あ、そうだった!今日約束してるから仕事は早く終わらせるけど、帰りは遅い予定だからな!」


バタバタと支度を済ませる。オッドが来てからオッドにせっつかれて支度をするのが日常になりつつある。本当に気が利く悪魔だ。


「うしっ!行くか。オッド行ってくる!」


いつも通りオッドを撫でて出ようとするが、


「あっと、チケット、チケット。」


一度部屋に戻ってチケットを持って、オッドを撫でてから家を出た。






仕事終わり、俺は会場そばの駅でゆうちゃんと待ち合わせをしていた。クラシックコンサートなので、いつもより少し大人びた格好のゆうちゃんがこちらにやってきた。俺は会社帰りなのでスーツのままだ。本当は俺も小洒落た格好したかったがしょうがない。

軽く手を上げて挨拶すると小走りでゆうちゃんはやってきた。うん、いいね!絵になる!


「本当は飲み会に誘われてたんですけど、断っちゃいました。」


えへへとイタズラに笑う、ゆうちゃん。いつぞやトイレで話した男が悔しがっている様子を思い浮かべた。ふふん、俺の約束の方が優先だぜ?そう心で思いつつも、


「大丈夫?学校の付き合いも大事でしょう?」


口ではゆうちゃんを気遣う。


「大丈夫です!」


そう言って満面の笑顔で俺の腕に手を絡ませる。俺は驚いてゆうちゃんをみると、


「あ…嫌…でした?」


パッと手を離された。いやいやいやいや!!そんなことは!!むしろ大歓迎ですよ!!ウエルカムです!!心の中の俺は鼻息荒く答えているが、俺は落ち着いて答えた。


「いや…ちょっとびっくりしただけ。ゆうちゃんがしたければ、いいよ?」


「あ…良かった…。ベタベタされるの嫌いなのかと。じゃあそうします。」


ゆうちゃんはホッとした顔で腕を組んだ。なんて可愛いんだろう。美女にこれをされてオチない男などいるだろうか。いや、いない。でも俺はオチていないフリ。ひどい男だよなぁ…思わずニヤつきそうな顔を正す。しかし、手を繋いでいるのではなく、腕を絡ませているので、時々当たる、女の子の柔らかい部分。コートやら洋服やらが阻んでいると言えども感覚は伝わるものだ。思わず鼻の下は伸び、ニヤつく口元。口元を撫でて誤魔化すのはいつもの癖だ。


「どうしました?」


「いや…。朝ヒゲ剃ったけど、伸びてきてそうだなって。」


誤魔化せたかはわからないけど、誤魔化した。

コンサート自体は楽しめた。何せ俺の好きな映画だし、音楽もいいのだから。いくら古い映画でもいい曲はいつ聴いてもいい。今度サントラを買おう。そう心に決めつつ。ただ…ゆうちゃんは楽しめたのかな。ちょっと不安になったのだが、


「良かったです!ちゃんと映画ももう一度見ようと思います!」


と目を輝かせていた。


「良かった。」


俺はホッとして笑うとゆうちゃんは俺を熱っぽい目で見た。そんな視線で見られたら…一気に妄想が膨らんで、違うとこまで膨らみそうになる。懸命に妄想を押し込めて、


「どこかで軽くごはん食べて帰ろう。」


そう提案すると、ゆうちゃんは俺のスーツの袖を引っ張った。可愛いすぎだろっ!


「あの…ごはんはうちで食べて行きませんか?私が作ります。」


「え、でも悪いよ。」


「食材も、実はもう買ってあるんです。余らせたら勿体無いし。だから…うちで食べて行きませんか…?」


ゆうちゃんが上目遣いに言う。家に上がって欲しいってことは…思わずゴクリと唾を飲んだ。気づかれてないかな。


「うーん、じゃあ…食材が無駄になるのは勿体無いからお邪魔しようかな。」


俺はちょっと困ったような表情を作って言うが、全然困ってない。むしろ率先してお邪魔したいと思ってる。明日ツライかもしれないけど全然構わない。万一泊まるようなことになったらオッドのことが心配なだけで。いやいや。俺よ。泊まるなんて…気が早すぎるぞ。夕飯をご馳走になるだけ…夕飯をご馳走になるだけ…ご馳走…勢いでゆうちゃんもご馳走に…いやいや、だから!!色々な鬱憤が溜まっているせいか、すぐそちらに思考がいってしまうし…へそ下あたりもムズムズし始める。


「行きましょう?」


ゆうちゃんが俺の左手を両手で掴んで上目遣いする。…あぁ、もうダメ。コートの下に暴発した欲望を隠して、俺はゆうちゃんとそのまま手を繋いで歩いていく。早めにどうにかして収めないと。そんなことを思いながら。

読んでくださってありがとうございます!

クリスマスですね。クリスマスっぽいネタでしたけど…この小説内は12月上旬だ…。ちょっとズレている時間軸。そして感じる息切れ感。頑張れ自分…。当方も涙目。

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