間章
こちらは本日二話更新のうちの二話目です。読み飛ばしにご注意くださいませ。
※ヤンデレ成分がだだ漏れです。苦手な方はお気をつけください。ヤンデレタグを追加します。
アウグストが魔物退治のために二日も王都を離れると聞いて、これほどの好機はないと思った。彼女を置いて行かなければならないなんて、良い気分はしないだろうね。
ルべリアと先に出会ったのは、確かにアウグストだったんだろう。けど、僕だってあのパーティーでルべリアを見かけていて、良いなと思っていたんだ。昔から、君とは好みが合いすぎて、分け合えないもの程お互いに譲れなかったよね。
だからかな、アウグストの名をギュゼルから聞いた時、嫌な予感はしていたんだ。僕が口実を作って離れに通っていた時には、君はもうルべリアを手中に入れていたんだから……。
だけどね、アウグスト。
やはり時期が悪すぎたようだよ。君が他の用事にかまけていた、まさにその頃、セリーヌが可愛いルべリアをいたぶって玩具にしていたんだからね。
夕食会に出なかったのが一番の失策だったんじゃないかな。僕は、ルべリアが裸に直接、侍女の服を着せられていたのを見た時、君の悪戯だと思った。だが、ルべリアはそれを否定した。
であれば、そんな事をしそうなのはセリーヌくらいしかいない。そのセリーヌが、夕食会の後、ギュゼルにこう言ったんだ。
「貴女の可愛い騎士は、侍女にしたの?」ってさ。
「侍女服姿を見たけれど、とても似合っていたわ。ぜひ今度一緒にお茶しましょう。あのまま来させてね」
笑ってしまうね?
自分が犯人ですと言っているも同然じゃないか。
ギュゼルはすっかり騙されているけれど、あの女狐はひとの心を壊すのが大好きだからね。ルべリアもかなり痛めつけられたようだ。
まあ、その分、僕が入る隙間になったんだから、役には立ったかな。傷ついたルべリアに寄り添って、信頼を得るのは容易かった。
でも、セリーヌは良いよね。欲望のままに振る舞って、それでいて許されているんだからさ。僕にはそれが許されなかった。良い子でいなくちゃいけなかったのさ。反動でこんなに歪んじゃったけどね。
セリーヌはねぇ、小さいうちは可愛かった時もあったよ? 今じゃ、どこをどう間違ったんだか。
女王だか何だか知らないけれど、僕が好きなように暮らせるなら、こんな国、どうなっても構わないさ。セリーヌの好きにすれば良いよ。
ラグーナは可愛くなかった。
あれは早くから僕の本性に気がついていたからね。だから遠い国に嫁いで戻ってこない。賢明だね。
父も母も、国のことしか頭になくて、僕らには一切構わなかったから。昔も、今も。
ギュゼルは……。
………………………………………。
まぁ、良いや。僕が一番可愛がっていたのは君さ、アウグスト。
君は僕の本心には全く気が付かずに慕ってくれたよね。今もそうさ。その君が、僕の裏切りにようやく気が付いた時、いったいどんな表情を見せてくれるか……楽しみでならないよ。
けど、なかなかルべリアも守りが堅い。押せばコロッと堕ちるかと思ったのに、余程君に義理立てしていたんだろうよ。君が喜ぶから言いたくないけど、口づけを拒まれたのはこれが初めてだよ。
正攻法で堕ちないなら、汚い手段を使うまでさ。
母上に相談したとき、何て言ったと思う?
「本当に貴方って陛下にそっくりね。ひとのものばかり欲しがるんだから。拐ったら閉じ込めて、外に漏らさないでちょうだい。赤ん坊が出来る前に、よく言うことをきく正妃だけは見つけておいてね」だってさ。
大人しく玉座に座るにしても、うるさい母上だけは始末しておこう。
ルべリア……。彼女は本当に可愛い。
可愛い過ぎて滅茶苦茶に壊してあげたくなるよ。
要らなくなったから捨てられたんだと、毎日囁いて毒を吹き込んで、あの真っ直ぐな瞳が曇るまでゆっくりゆっくり、丁寧に心を砕いてあげたい。
快楽の楔を埋め込んで、犬のように従順なお人形さんに仕立ててあげたい。
元が輝いていればいるほど、この手に堕とし込んだ時の快感は大きいだろうね。
薬で眠ったルべリアの服をはだけてベルトをゆっくり外していった時、いっそこのまま奪ってしまおうかと何度も思った。
でも、何も知らずにいて、誰かにいきなり暴かれた方がルべリアの反応が楽しいからね。せいぜい、その時までは優しい王子様を演じてあげようじゃないか。
目隠しを外すのはいつでも出来るんだからさ……。




