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薔薇の令嬢と星を見る人 ――社交界に戻った令嬢が、使用人の天文学者を好きになるまでの話  作者: 直助


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第36話 行く先を決めて

 ユリウスの執務室。



 ニールスが口を開く。


「殿下」


 ユリウスが、視線を上げる。


「どうした」


「……少し、ご相談が」


「大学の方から」


「正式に来ないか、という話をいただいています」


 ユリウスの表情は変わらない。


「……そうか」



 ニールスは、続ける。


「その件ですが」


「お受けしたいと思います」


 一瞬、言葉を探す。


「……問題、ないでしょうか」



「……は?」


 わずかに眉を寄せる。


「なんで俺に聞くんだ」


 短く言う。


「お前の話だろ」



「え……」


「殿下にお仕えしている身ですので……」



 ユリウスは、肩をすくめる。


「お前の好きにすればいいだろ」


「こっちのことは、俺が通しておく」



 ユリウスは、わずかに笑みを浮かべる。


「俺の頼みだけは」


「ずっと聞いてくれてもいいがな」



「はい」



 ユリウスは、軽く息を吐く。


「……まあいい」


「決めたなら、行ってこい」



 ニールスは、小さく頷く。


 それ以上は、言わない。






 オサリア王立大学。


 ソルの研究室。



 ニールスは、軽く頭を下げる。


「大学の件ですが」


「お受けしたいと思います」



 ソルは、目を細める。


「おお、そうか」


「決心してくれたか」



 ニールスは、もう一度頭を下げる。


「よろしくお願いします」



 ソルは、静かに頷く。


 その視線は、まっすぐだった。






 イレーネの研究室。


 机の上には、新しい書類がいくつか重なっている。


 イレーネは、それに目を通しながら口を開く。


「そういえば、ニールスくん」


 紙をめくる。


「ソル教授のところに入ることになったみたいね」



 アリアは、わずかに手を止める。


「そう、ですか」



 イレーネは、視線を落としたまま続ける。


「その方が、彼にとってもいいでしょうね」


「講義のときしか来なくなるから、少し寂しくはなるけれど」



 アリアは、何も言わない。


 ふと、視線を外す。


 窓の向こうを見る。


 外の光が、静かに差し込んでいる。


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