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2才の大学生

次からお話進む予定です。


「かわいいパパのソフィア!

お誕生日おめでとうっ!」

眩しいっ、笑顔が眩しいよパパ。


「かわいいママのソフィー、お誕生日おめでとう!」

ほぁっ、女神の微笑み!



あれから、2年経ちました。

うん、2年も同じ状況だったから、

さすがに受け入れたよ。

なんか、私()()()転生したっぽいです。はい。

もう、ナチュラルに辺境伯も夫人もパパママ呼びだし。


貴族の令嬢として、蝶よ花よと育てられつつ

すくすく成長し、やっと話せるようにもなってきた。


「パパ、ママ。ありあと。」

どうよ、

この舌足らずに、一生懸命話す愛娘は。

かわいかろう!


すでに鏡で、顔の良さは確認済

まぁあの親から、ブサイクな顔は生まれたいだろうけど。


ママ譲りのブロンドヘアに、パパとお揃いのブルーサファイアの瞳。

顔の造形+綺麗な色彩。

お伽話のお姫様になれそうだわ。


「かわいいなぁ!ソフィアは!

今日は色んな人がプレゼントを持って来てくれたんだよ?どんなプレゼントだろうね?」


パパの整った顔がデレデレとだらしなく歪む。

せっかくのイケメンが台無しだわ。

あと、年齢不詳の彼は25歳らしい。

20歳でも通りそうだけど。


ママは、23歳。

2人とも若っと思ったけど、貴族社会じゃ10代もザラらしいから、むしろ遅いくらいらしい。

すごいなー。



ボケーっと考えていたら、天使が来た。


「ソフィア様、お誕生日おめでとうございます!」

4才になったアダルベルト君は、

まだ子供だと言うのにウチでお手伝いをしてくれている。

そのせいか、たどたどしかった言葉遣いはなりを潜め、すっかり子供紳士になってしまった。


今もかわいいけど、2才のマイエンジェルが忘れられない…ぐすん。


「あだりゅべりゅとくん 、ちゅきっ!」

しまった。

お礼を言うつもりが、プレゼントを持った天使が尊すぎて、つい心の声が。


パァァッ!っと顔を明るくさせて震える天使。

犬の尻尾が見えるわ。


喜んでくれたなら、まぁいいか。



―――パリンッ


「そんなっ、まだパパも言われたことがないのに…

こんな若造に好きだなんて!」


ショックで手を滑らせたらしい、パパの足元には割れたグラスが。

危ない。


「どうしてなの?ソフィー。ママが1番でしょう?」

瞳を潤ませてママが訴えてくる。

あらま、意外とダメージ受けてる。


さて、どうしたものか。


「ママとパパも、だいちゅきよー?」

とりあえず分かってない風に、

コテっと首をかしげてみる。


「かわっ…!じゃなくて、ソフィア?

何でパパとママより、先にアルに言うんだい?」


ありゃ、ダメだったか。

………ん?

今アルって言った⁇



「これは、アルに任せるのは考えなきゃいけないかもしれないね。」

ムッとした顔のパパに、

今度はアダルベルト君が慌てた。


「そんなっ!ソフィア様 専属になっていいと仰ったじゃないですか!」


えっ!いつの間にそんな話が!


「やめなさい、子供とはいえ、使用人が旦那様に声を荒げてはいけません。」


こわっ。

いつになく厳しいバートンさんの声に、

思わずビクッとしてしまった。


「っで…申し訳ありません。」


ぎゅっと拳を握りしめて、言葉を飲み込んだ天使。


うん――――




悔しそうな顔もかわええ―――‼︎‼︎


「旦那様、息子が失礼しました。

…しかし、こうしてソフィア様もアダルベルトを気に入って下さっている事ですし、そんな子供みたいな理由で皆を困らせないで下さいませ。」


敬っていると見せかけて軽く主人をディスっとる。


「や、そうだが、」


「それにお嬢様のお祝いの場で、

このような話など……ほら、

お嬢様が震えていらっしゃいます。」


これは違うんです!

あなたの息子さんに興奮していただけなの!

やだ、なんか変態っぽい?


「あぁっ!ごめんよソフィア!

さぁ、こっちでケーキを食べよう。」


パパは私の手から天使のプレゼントをとると、

サッとマリーに渡した。

バートンに怒られてもダメなのね、、。


ママはニコニコとケーキの前に立って、

私を待っている。

切り替え早っ。


でもまずは―――


「パァパ、せんぞくってなぁに?」

あやふやになんかさせないわ!

マイエンジェルが待ってる!


「お嬢様、専属というのは、ソフィア様だけに仕えるという事ですよ。」


パパが答える前にバートンさんが食い気味で答えた。


「ちゅかえるって?」

つまり、四六時中 天使と一緒ってことはですよね。

分かります。


「アダルベルトがお嬢様のお手伝いをするのです。」


ですよね、知ってる!


「わぁっ!パパっ、わたち あだりゅべりゅと、せんぞくにすりゅ!」


「うーん、それはまた今度考えよう。」


逃すか!


「パパ、おねがい!」

どうだ、このうるうる光線!


「ゔっ、でもまだ早いんじゃないかな?」


ちっ。


「わたち、あだりゅべりゅとがいいっ。」

今度はバートンさんに向かってうるうるしてみる。


「………旦那様、とりあえず試してみてはいかがでしょうか。アダルベルトはまだ4歳で、出来る事は限られますが、一生懸命お嬢様に仕えることでしょう。」


ないすぅ!


「だが、バートン。」


「それに、旦那様。お嬢様が大きくなられて、グランディア学園に入る時、年の近いアダルベルトなら一緒に入学出来ますが、大人は入れません。」


ちょっと待って!

今、グランディア学園って言った⁈


「んー、年が近い()()心配のような、、」


「むしろ、一緒に行かせるべきです。

アレン王子も、コンラッド公爵家ご子息もソフィア様と同い年です。()()辺境伯ですからね、クラスは同じになるかと。」


アレン王子っ?

まさか第1王子のアレン王子?メインヒーローの?

コンラッド公爵家?

それって攻略対象のリオンじゃない?


ナニコレ、じゃあパパがアルって呼んだのは、聞き間違えじゃないって事?

アルって、悪役令嬢ソフィアの根暗執事じゃないっ!


嘘でしょっ?

私、本当にグラ学に転生しちゃった⁉︎


まって、そしたら、マイエンジェルはあの根暗になるの?

というか、私 悪役令嬢っ?

そんなっ!まだ2才なのに、私の人生詰んでるじゃなーーいっ‼︎


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