勇者から見たこの世界
国王の説明が始まり皆が集中して聞いている。
説明が終わり幾つか分かった事がある。
まず、此処は私たちの目線で言うところの異世界だ。世界の名はカルノス。人間以外にも様々な種族が生きる世界らしい。
妖精種...エルフやドワーフと言った精霊の力を借りることの出来る種族の事をさすらしい。
亞人種...知性ある魔物の事をさす。オーガやゴブリンなど。
幻想種...ドラゴンやグリフォンといった、かなり数が少ないが個々の力が絶大な個体をさす。
そして、人種...これは人間や魔神族、獣人族などの体内の魔気によって魔法を使う種族のことをさすらしい。
全ての種族に共通していることは言葉を話し意思疎通がしっかり出来る点だ。つまり、知性があるのだ。
様々な種族の中で警戒すべきは幻想種と魔神族だ。
幻想種は、普段は温厚で争い事を好まないが...怒らせたり、お腹が極度に空いている際は国を滅ぶような力を向けてくるらしい。
ファンタジー世界の代名詞のドラゴンがこの幻想種に入るが幻想種は数が少ないうえに普段は温厚な為、滅多に襲われることはないらしい。
...問題は魔神族だ。彼らは人と変わらない容姿をしているが戦闘能力は幻想種すら上回りとされ凶暴で残忍な性格をしているらしい。
しかし、魔神族は800年前に魔神族以外の種族が協力し倒したとされている。だが、それでも僅かに生きている魔神族もいるらしい。中でも最強とされる魔王がまだ生きているらしい。
「そなたらに頼みたいのは、その魔王を倒して欲しいのだ」
「ふざけんなよ。無理だろ」
国王の頼みは佐伯によって阻まれた。
それと同時に騎士たちが剣を抜こうとしたが....
「騎士たちよ、待つのだ。....何故ダメなのだ」
国王が騎士たちを止め佐伯に聞いた。
「はぁ、そもそも無理だろ。ドラゴン級の存在の相手なんてよぉ」
それは、私も思っていた...
「それについては大丈夫だ。そなたらは神託によって選ばれた勇者なのだ」
「勇者だと...」
「そうだ。シーニアには断片的な未来を視る先天性特殊技能を持っておるのだ。そこで視たらしいのだ、そなたらが魔王と対峙する姿を」
佐伯と国王の会話に天ヶ埼が割り込む。
「つまり、俺達には魔王と戦う力があるという事ですね」
「そういう事だ。まだ、眠っておるだろうが訓練や実践で必ず目覚めるだろう」
力があるとはいえ恐怖しないわけではない。クラスの大半が怯えている。
私は不思議と恐怖はないが怯える気持ちもわかる。
「みんな、どうだろう。率直に言って俺はこの世界を救いたい。この世界のを救う力を持っているのは俺達だけなんだから」
「もし、魔王を倒すことが出来たなら。なんでも願いが叶うという言い伝えがあるのだ。...つまり、誰かが死んでも助けることが出来るのだ。だから、頼むこの通りだ」
何?つまり、それはかな君を救うことが出来るという事だ。........やるしかない!!かな君に私の気持ちを伝えるために手段は選んでいられない。
「そうね。私も世界を救うために頑張ろうと思うわ」
「朱理....お前なら分かってくれると思っていた」
うざい、何か勘違いしているコイツがうざい。でも、我慢だ。魔王討伐の確率を0.1%でも上げておきたい。仲間は多い方がいい。
「そうね。私も世界を救いたいから」
「朱理....」
天ヶ埼と私が国王に協力的だと知って他のクラスメイト達も
「そうだな、いっちょやりますか」
「わたしも頑張る」
「しゃあねーな」
「藤沢さんのために...」
「天ヶ埼くんのために...」
「そうか、やってくれるか。では、今日は休んで明日から訓練としよう」
国王は嬉しそうに言った。
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朱理たちが眠り国王と宰相だけが残る
「それにしても、勇者達にはすまないことをしたな」
「仕方ありません。こうするしかないのですから」
「そうだな....だが、願いが叶うと嘘までついてしまった」
「それほどまでに危険な存在なんですよ、魔王というのは」
「そうだな。初代国王の言い伝えによれば、始まりの勇者と同等以上の力らしい」
「彼らに、始まりの勇者と同等の力があるとは思えませんが、数で圧倒できます」
「そうだな。とにかく、様子をみましょう」
最初にアフィアが戦ったドラゴンは知性がないので幻想種ではありませんね。




