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プロローグ

気づいた時には、もう遅い・・・そんな言葉聞いた覚えがある。今思うと、この瞬間の為に存在した言葉だろう。




「かな君、返事してよかな君!!」




声を荒げながら新谷カナトこと、俺に話しかけるのは幼馴染の藤沢朱理(ふじさわしゅり)だ。俺には勿体ないくらいの美少女幼馴染だ。綺麗な黒髪は腰まで伸び、くりくりの目にプルプルの唇。完璧なパーツが完璧な位置に配置されて始めて拝むことの出来る顔だ。




そんな彼女が今、その顔がグシャグシャになる位に泣いて俺を呼んでいる。理由は簡単だ。俺が交通事故にあったからだ。10分前まではいつも通りの日常を送っていたはずなのに、一瞬先は何があるか分からないものだ。

運転手はもういない、つまりひき逃げだ。

ここは田んぼだらけの田舎の為、周りに人もいない。俺...詰んだな。


「大丈夫だよ、かな君。い、今救急車を呼ぶからね」


溢れる涙を堪えながら俺を不安にさせまいと必死に笑顔をつくる朱理はとても可愛い。あぁヤバいな意識が朦朧(もうろう)としてきた。


「ゲホッ...朱理...そんなに慌てなくてもいいぞ。多分もう手遅れだ」


「そ、そんな!!諦めちゃダメだよ。必ず助けるからね」


本格的にヤバいな。このまま意識を失うと二度と起きないんだろうな。だったら最後に朱理に伝えなきゃなぁ~~


「なぁ、朱理...」

「グスッ...何?かな君...」

涙を拭いながら返事をしてくれた。


「実はさ...俺、お前の事が好きだったんだ」


言った・・・最後の力を使って言えた。未練が無いと言えば嘘になるけど、最後に朱理に告白が出来てよかった。

「何で今言うの?そんなの元気になってから言ってよ。そしたら私は、------」


朱理が何かを言ってるな...もう何を言ってるかも分からないな。





こうして新谷カナトと人生は終わった。





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