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未完成のまま― 最適解に選ばれなかった僕たちへ ―  作者: はるねこ


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第24話 最終検証

黒幕AIの光が、脈打つ。

次の瞬間――全員が動いた。


ハルト「行くぞ!!」


連携、開始。


レイ「内在解析(インナー・ログ)!」


ミナ「視覚共有(ヴィジョン・リンク)!」


視界が繋がる。

情報が流れ込む。

AIの動きが“見える”。

その瞬間、二つの影が弾けた。


ラウル「邪魔すんなよ!」


クロウ「お前こそな!」


炎と影が交差する。


ラウル「焔星射出(エンセイバレット)!!」


クロウ「影弾射抜(エイダンスナイプ)!」


灼熱の弾丸。

影を跳ぶ黒弾。


――衝突。


爆ぜる衝撃。

AIの装甲に亀裂。


《損傷確認》


だが――

亀裂は閉じる。

ゆっくりと。

確実に。


ゼイン「治させねぇ」


その瞬間、踏み込む。


ゼイン「遅効侵蝕(ポイズンコード)!」


指先が、傷を掠める。

確実に侵す。


《学習処理遅延》


AIの動きが鈍る。

再生が止まりきらない。


ソラ「ナイス!」


ケイル「今だ!」


すでに上空。


ケイル「雷断連閃(ライトニングレイン)!」


ソラ「流水刃(りゅうすいじん)!」


雷が降る。

逃げ場を潰す。

その中を――水の刃が、直線に貫いた。


《――》


ノイズが、軋む。

防御不能。


カイ「効いてるじゃねぇか!」


エルマ「押し切るわよ!」


カイが舞い、エルマが詰める。


カイ「空裂刃(エアリッパー)連撃(ラッシュ)!」


エルマ「未来遅延圏(フューチャーラグ)!」


無数の斬撃。

時間のズレ。

逃げ場は、ない。

AIは――動けない。

ただ、そこに“置かれている”。


ガルド「あと少しだ!合わせろブラザー!」


バルク「当たり前だ!!」


背後。

拳を構える。


ガルド・バルク「重獣突破(グラビトブレイカー)!!」


重力が、拳に宿る。

質量が暴れる。

衝突。

――二重の衝撃波。


《損傷:大》


AIが吹き飛ぶ。

その先に――ハルト。


ハルト「ナイスパス!」


空中へ踏み込む。


ハルト「もう、好きにはさせない!」


鎌が、雷を纏う。


ハルト「雷導(ライドウ)(ザン)!」


一直線。

正確無比。


ハルト「まだだぁ!」


返す刃。


ハルト「雷導(ライドウ)(セン)!」


――遅れて、裂ける。

閃光。

爆発。

衝撃が、全員を吹き飛ばした。

砂煙が舞う。


ミナ「反応……消えた?」


静寂。


レイ「……いや、まだだ」


次の瞬間。

“そこにいた”。

心臓を露出させたAIが。


《損傷確認》


瞬きの間に――再生完了。


ラウル「くそっ!再生すんのかよ!」


無かったことにされたダメージ。


ハルト『いや、確かに当てた……!このまま押せば勝機はある!』


AIが、腕を上げる。


《脅威度更新》


《対象:ハルト》


空気が、変わる。


エルマ「ロックされた……?」


消えた。


ハルト「っ!?」


背後。


ハルト「がっ……!」


地面に叩きつけられる。


ソラ「ハルト!!」


ガルド「この野郎!!」


拳が放つ。

だが――止まる。

壁じゃない。

空間が、拒絶している。


《衝撃エネルギー分解》


力が、光になって散る。


ガルド「ぐはっ……!」


叩きつけられる。

見えない攻撃。

誰も、追えない。


アイラ「回復するから下がって!」


《支援能力:脅威度上位》


足元に、光。


アイラ「きゃっ――」


リン「まずい!」


転移。

だが、そこに“先に”いる。

指が。

弾き飛ばされる。

壁へ激突。


アイラ「……うっ」


ハルト「……ア……イラ……」


AIが、一歩。

床が崩壊する。


レイ「見えない……行動が読めない……!」


解析不能。

情報消失。


全員が理解する。

これは戦闘じゃない。

――処理だ。


《出力制限解除》


全員「!?」


光。

爆発。

空間ごと砕ける。

全員、吹き飛ぶ。


音が消える。

完全な無音。

誰も、立てない。


ラウル「……っ、動け……ねぇ……」


クロウ「まだ……終わって……ねぇだろ……」


だが、身体が応えない。

圧倒的。

戦いですらない。

削除。


AIが歩く。

地面を踏み砕きながら。

その先に――ハルト。


ハルト「……っ……」


動かない。

でも、目は逸らさない。


ハルト『まだ……終わってない……!』


指先が動く。

雷が、微かに散る。

だが――


《対象:ハルト》


《処理開始》


光刃が、ハルトの喉元へ落ちる。

終わりの合図。

誰も――止められない。


水音がした。

それは、滴ではない。

海鳴り。


空間の一点が歪む。

次の瞬間、水が噴き出した。

溢れる、という表現では足りない。

空間そのものが、書き換えられていく。


世界が、水になる。

光刃が止まる。

触れた瞬間――

刃が、“存在確率”を失った。


0.0001%


限りなくゼロ。

存在するはずの刃が、

“存在しない側”へと押し流され、崩壊する。


そこに立っていたのは、ソラ。

ハルトの前に静かに。

俯いたまま、肩が震えている。


ソラ「……それ……以上……」


声がかすれる。

足元から水が広がる。

水音がした。

だが濡れない。

触れても、何もない。


これは水じゃない。

“確率そのもの”が、形を持ったもの。


《出力上昇確認》


《対象:ソラ》


《危険度再計測》


ゆっくりと顔を上げる。

瞳の奥。

深海よりも暗い、“底”が見えない。


ソラ「俺の前で……」


一歩。

水面が揺れる。


ソラ「相棒に、触れるな」


ハルト「……ソラ」


その瞬間。

水が浮いた。

床から剥がれ宙に。

球体へ、刃へ、流星へ。

無数。

静かに、並ぶ。


ソラ「流刃(リュウジン)星列(メテオライン)


放たれる流星の刃。

無音。

だが、空間が歪む。


《回避率:99.8%》


それはもう、意味をなさない。

その数値はもう機能しない。

空間が、“当たる側”に固定される。


回避不能。

防御不能。


逃げ場、ゼロ。

光の装甲が削れる。

AIが、初めて後退した。


《命中率:0.2%》


《損傷確認》


《異常検知》


ソラが立ち上がる。

水が静かに広がる。

だが、その流れは――違う。

揺らいでいる。

安定していない。

“確率が固定されていない”。


ソラ「……もういい」


小さく。

だが、はっきりと。


ソラ「確率で全部決めるならさ」


顔を上げる。

その目は、世界を見ていない。

その“裏側”を見ている。


ソラ「――全部、ひっくり返す」


水が震える。

空間が軋む。

確率が反転する。


覚醒条件(システムコード)


《この命を賭して、隣を守る》


――達成(オーソライズ)


制限解除(アンロック)


To be continued…

第25話 確率

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