16 仲良し家族
翌日の昼休み。
さっそく吉田さんに写真を見せて、聞いてみた。
「この人、私たちの修学旅行の写真にずっと写り込んでるんだけど、吉田さん、心当たりある…?」
「え! ホントだ! んー…えぇぇぇ! これは…パパ!? えー!? なんで台湾での写真に…」
パパ!?
どうやら、写真に写り込んでいたのは、吉田さんのお父さんのようだ。
「やっぱり、どう見てもパパな気がする! なんでパパが私たちの修学旅行の写真に!? 全然気がつかなかった! 家に帰ったら聞いてみるね!」
真相がわかったら連絡してもらう約束をして、その場は解散した。
そして、その日の夜。
吉田さんからメッセージが届いた。
“やっぱり、写真の人、私のパパだった! 娘の海外旅行が心配で、出張ついでに後をつけてたんだって。声かけてくれればよかったのにね。もー恥ずかしい!”
どうやら、本当に吉田さんのお父さんだったみたいだ。
桜にも報告しなきゃ。
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次の水曜日。
「というわけで、写真の人は吉田さんのお父さんだったの! 桜、どうして吉田さんの知り合いだって分かったの??」
「あー! 簡単よ! ほら、これこれ! この子がカバンに下げているキーホルダーと同じでしょ? みんなでおそろいのキーホルダーしてるなんて、仲良しな家族なら、初めての海外旅行が心配で修学旅行の後をこっそりつけてることもあるかなーって」
桜が指さした写真を拡大してみる。
本当だ! 写り込んでいる吉田さんのお父さんと吉田さんのカバンには、同じキーホルダーがついている。
こんな小さなところに気がつくなんて、桜は本当にすごい。
「ま、海外で小春が怖いことに巻き込まれなくて、本当によかった!」
そう言って、ニコッと笑ってくれる。
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「桜は本当にすごいよね」
「湊もそういうの、すぐ気がつくんだよな。そういう意味では、田中とお似合いなのかも」
部活帰りの電車で伊藤くんと遭遇し、修学旅行の話をしているところだ。
行き帰りの時間が同じくらいなのか、電車で伊藤くんとは何度も会っており、会えば少し世間話をするような仲になった。
「そういえば、はい、これ。伊藤くんにもお土産」
パイナップルケーキを渡す。
「え、俺にもあるの!? ありがとー! 大事に食べるね!」
すごく喜んでくれる。
他の友だちにあげたやつの余りを、たまたま持っていたとは言わないでおこう。
その日の夜も、“パイナップルケーキおいしかった! 俺も今度どこかに行ったら、お土産買ってくるね!”とメッセージをくれた。
律儀な人だ。
文化祭に修学旅行も終わり、高校二年生も過ごしてみればあっという間に終わってしまいそうだ。
来年はいよいよ高校三年生。
桜も私も受験組なので、今ほどは会えないかもしれない。
将来、私たちはどうなっているんだろう。
見えない未来に期待と少しの不安を抱えつつ、高校二年生のとある冬の夜は更けていく。




