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<合図の紅饅頭>

最近テレビドラマVIVANT2を見た影響か?今朝ゴミ出し後に郵便受けを確認した際に、(中に紅饅頭が置いてあったら、どうしよう?)等と妄想してしまい、それがキッカケで、こんなVIVANTパロディのような物語が浮かんできてしまいました。ちゃんと最後まで書き切れるか?思いつきで始まった物語ですが、お読みいただければ幸いです。

ゴンベは朝のゴミ出しを終えると、小さな庭に水やりを行い、ポストを開けて確認した。


すると中には、鹿塩かしおさん(近所の和菓子屋さん)の紅饅頭が1個入っていた。

それを手に取ると、(ついにこの時が来たか……)と呟き、急いで部屋に戻り、慌てて身支度を整えた。


そして玄関を出て愛用のママチャリに飛び乗ると、強くペダルを漕いで「ある場所」へと向かった。

その場所とは、「町内会の集会場」であった。


ゴンベの住む地区の谷場町会は数組に分かれており、更に各組も幾つもの班に分かれて活動していた。だが、昨今の高度化・凶悪化する犯罪対策として、町会長発案による、より選り抜かれた町会員達による「別班」が組織されたのであった。


そしてゴンベもまた、その選ばれた一員であった。が、別班発足後も特別な活動はなかったのだが、ついにゴンベにも呼び出しの饅頭が置かれたのである。(急いで集会場へ行かなくては)と思いながら急ぐゴンベであった。


ゴンベは集会場に向かって自転車を漕いだ。別班に任命されて初の呼び出しである。なぜか「遊び心」を感じさせるこの制度に参加できて、妙に心を弾ませる自分を感じていた。


まもなくゴンベは集会場に着いた。そして勢いよく中へと入る。目の前に広い集会室が広がっている。が、中には誰もいない。ゴンベは気にする様子もなくズカズカと奥へと進み、一番奥の隅にある扉の前に立つと、一気に扉を開けた。中はバケツやモップ、ほうき等が入った1畳ほどの物置であった。


ゴンベは物置へと入ると、物置内の壁をペタペタと何箇所か触れていった。5箇所ほど触れた時、目の前の壁からゴトンという音が聞こえた。どうやら壁には通路が隠されていたようだ。何気に壁に触れているようで、実は触れる箇所には順番が決められているらしく、決まり通りに触れることで隠し扉のロックが解除されるのであった。


ゴンベが扉を軽く押すと扉が開いた。そこには地下へと続く階段が見えた。迷わずゴンベは階段を降りていく。後ろから再び隠し扉の閉まる音が聞こえてきた。


階段を降りきった突き当りを左に折れ、そのまま狭い通路を進むと、正面に再び扉が見えてきた。扉の前に立つと、ゴンベは軽く扉をコンコンと叩いた。すると中からもコンと一つ、扉を叩く音が返ってきた。再びゴンベもコンと一つ返す。更に中からはコンコンと2つ返ってきたので、再度ゴンベはコンと一つ返した。その音を確認したのか、扉が静かに開かれた。そして中には一人の男が立っていた。


「町会長! ゴンベ参上いたしました」

ゴンベがお辞儀をしながら名乗ると、町会長と呼ばれた男は「ご苦労」と一言いうと、クルリと向きを変えて部屋の奥へと進んで行った。その後をゴンベも追う。


その部屋は8畳程度の部屋であり、正面の席に町会長が座ると、ゴンベは両脇に3個ずつ置かれた椅子の左側1番前に着席した。


そして辺りを見回してから、「私が1番でしたか?」と問いかけた。それに対して町会長も軽く頷きながら、「うむ。まもなく他の者達も集まるであろう」と答えた。


それから沈黙の10分が過ぎた。


「皆さん遅いですね」とゴンベ。

それには答えず、目を閉じたまま腕を組んで難しい顔をしたままの町会長。


そして更に10分……。


「遅いですね」とゴンベが再び呟くと、なぜか町会長は急に頭を抱え、ガクッと項垂うなだれてしまった。


それを見てゴンベは驚いたように叫ぶ。

「町会長! どうしたのですか? 町会長!!!」

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