何か食べようヤンデレさん
作者「どうも、復活しました。御迷惑おかけしてすみません…………」
君谷「いや、ホントだよ。一体何ヵ月待たせたと思ってるの?」
作者「いやはや、面目ない…………このことについては後書きでジックリと」
前回のあらすじ!!!!!
君谷「氷ちゃんは、海里くんのことが好きだよ! 好きすぎるヤンデレだよ! そんな氷ちゃんと海里くんは、公園に遊びに行ったんだよ! で、大雨の中ベンチに座ってたら濡れたよ! 着替えるよ! あとは竜星群」
陽キャ二人が窓際の席でコーラをストローでチビチビ飲みながらサングラスを通して俺を見つめてきます。
…………あの、サングラス掛けてもバレますけど?
っていうか、飯嶌、さっき色んな人と歩いてたけどどうしたんだ?
しかし、これは無視するべきか、それとも何か一言言っておくべきか…………。
うぅ…………まぁ、無視でいいか。
なるべく見られたくないから、遠くの席に座ろう。
丁度、陽キャ二人の席から見えない場所があったので、そこに腰を下ろす。
「はぁ…………」
なんか、今日初めて休んだかも。
えーと、今日は朝起きて遅刻したかと思えば、雅さんがヤバい格好してて、手錠つけられて、女子トイレに入らされて、大雨の中長時間ベンチに座り、飯嶌に見られ、訂正しようと駆けだしたらこけて、服を着替えようとして、仕舞いには『竜星群』。
これ以上にカオスな一日があるのだろうか?
今日一日がまるで別世界かのように世紀末ってる。
しかも、これでまだ半日しか経ってないんだぜ?
もう俺これ死ぬかもしれない。精神的な問題で。
「お待たせ」
あ、雅さんが帰ってきた。
うわぁ…………マジで着てるじゃん。
雅さんは俺の目の前の椅子に座る。
その胸元には俺の名前と竜星群…………。
…………あー、死にたい。
「あ、いや…………だ…じょぶ…………」
「ハァハァハァ、海里様とお揃いの服…………」
雅さんは顔をリンゴのように赤らめて服に顔を突っ込ませる。
…………美少女として見れなくなってきた。
これはただの美少女です。
「ご注文はお決まりでしょう…………っか!?」
女性の店員が俺たちに注文を聞くが、その状況に隠そうともしない驚きを見せる。
いや、違う。隠せないんだ。
まぁ、俺だってこんな状況の客がいたら変な声ぐらい出すだろう。
普通の反応とも思える。
…………でも、その相手が俺も含まれてると思うと恥ずかしさで死にそう。
俺は今誰が見ても絶対反対だろって感じで着ている。しかも上も下もだ。
雅さんが特例すぎるせいでイマイチインパクトが薄いが、十分変人だろう。
「あ、ぇえと…………こ、れ二つ…………」
この気まずい雰囲気を脱する為に俺はテキトーにメニュー表を取り出し指を指す。
「え、あ、はい。サクラエビかき氷、シュールストレミングを添えて、ですね?」
「は、はい」
「い、以上でよろしかったでしょうか…………?」
俺はこくりと頷いた。
すると、店員は引き攣った笑みを浮かべながら席を去って行った。
「…………何あいつらキチガイコンビじゃん…………」
すみません、聞こえてます。
「…………はぁ」
もう、ヤダァ。こんなのデートでも遊びでもない。
ただの生き地獄、拷問だ。
「大丈夫? どうしたの?」
いつの間にか、雅さんが心配した様子で俺を見てきた。
「あ、いや、何でも…………」
陰キャ発動。言いたいことが言えない。
「そう…………何かあったら言って。私がその元凶を徹底的に排除する…………」
その元凶はあんただよ。なんて言ったら自害しそうだよなぁ…………。
ヤンデレは常識を知らないから怖い。
他人に迷惑かけるし、自分のことだって顧みない。
しかも、それが俺の為ときた。これこそ余計なお世話というものだ。
あと、なんか後ろから黒い何かが見えるんだけど。これ何?
まさか、雅さんの黒い部分…………とかじゃないよね?
…………ハ、ハハハハハ。
すると、さっきの店員がこちらに向かう姿が見えた。
おぉ、早いなこの店。初めて来たからちょっと不安だったけどこういう客への対応が良い場所ってのは美味しい店が多いんだよなぁ。
…………そういえば、俺って何を頼んだんだっけ?
「お待たせしました! サクラエビかき氷、シュールストレミングを添えてです!」
目の前に置かれたのは、サクラエビがどっぷりと乗った冷え冷えキンキンのかき氷。
シロップは全く存在せず、横には缶詰が置かれている。
缶詰の蓋には、『中身をかき氷にかけて召し上がって下さい』と書かれている。
「缶詰を開ける際は我々にお伝え下さい」
そう言うとそそくさと踵を返す店員。
俺は唖然と口を開けたまま固まってしまった。
…………え?
ちょっとまってコレ…………シュ、シュールストレミング…………?
解説しよう! シュールストレミングとは、世界一臭い食べ物とされるニシンの塩漬けである!
主にスウェーデンで食べられているこの食べ物は、一度缶詰を開けたら悶絶する程の食べ物だ!
何でこんなとこにシュールストレミングがあるんだよぉぉぉぉぉ!!
えっ!? 普通シュールストレミングなんて聞きはすれどお目に掛かることは滅多にない食べ物だよね!?
ここ日本だよ!? 何であるの!?
あと!! シュールストレミングで存在ほぼ無かったけどこのかき氷おかしくない!?
かき氷にサクラエビ乗っけるって…………発想がぶっ飛んでるよ!
…………これ、美味しいのか…………?
震える手でスプーンを摑み、かき氷とサクラエビをすくい上げる。
一口。
パクッ。ガリガリガリガリ…………。
…………うん、エビだね。
冷凍保存したまんまのエビを貪り食ってる感覚。
マズい!!
「うっぷ…………」
あー、吐きそうになってきた…………み、水…………。
水を一気に飲み干すが、それで口の中の味が変わるわけではない。
うっわ、なんだこれ食いたくねぇ…………。
旨い食事を求める俺としては、こういった自分好みではない料理は願い下げだ。
とはいえ、お残しするのは俺の理念に反する。
嫌々でも食べなきゃいけなかった。
パクッ、パクッと早足で逃げるが如く作業のように胃の中へ放り込んでいく。
ああああ!! めっちゃ頭キンキンする!
数分後、何とかかき氷を食べ尽くしたが、もう心身共にクタクタだ。
ああ、もうこんな店来るんじゃなかった…………てか、こんなの頼むんじゃなかった…………。
何でこんなマズい料理出してるんだよ…………。
…………てか、まだシュールストレミングがあるんだった…………。
店員を呼ぼうと、俺は声を出す――――わけではなく、すっと手を上げた。
だって、声出ないんだもん。
数分後、店員がこちらにやって来た。
「はい、えっと、何でしょうか?」
「え、えと…………これ」
「ああ、シュールストレミングですね、換気をしますので少々お待ち下さい」
そう言って、店員は慣れた手つきで窓を開けていく。
…………あ、そういえば大雨だったな。ん? ちょ、ちょっとまて、この状態でシュールストレミングなんて開けたら…………。
「では開けますねー」
ガスマスクを顔につけた店員が缶詰を開こうとする。
「ちょ、ちょっとま――――」
その直後、辺り一面に狂気な匂いが立ち上った。
「う゛っ!?」
その臭さに俺は意識を失い欠ける。
な、何だこれは…………? ほ、本当に食べれるのか?
遠くでバタンと倒れる音が聞こえた。
視線をそちらに向けると、飯嶌が泡を吹いて失禁してる。
その横では、ガスマスクをつけた君谷さん。
「さぁどうぞ、お召し上がり下さい」
その言葉は、俺を恐怖のドン底へと叩き落とした。
ジジイ「あ、ワシらにも名前付いた」
弟子「ほんとですね、それにしてもジジイって…………ププ」
ジジイ「おい弟子、今から細切れに切り刻んでやる覚悟しとけ」
作者「茶番はそのくらいにしてね~」
ジジイ弟子「「あんたがやらせてんだろ」」
作者「えー、読者様方、長い間休止してしまい申し訳ございませんでした。まだ休止します」
君谷「うわぁ反省の色無しだ」
ジジイ「こりゃ懲りてないようじゃの」
弟子「このクソ野郎この更新停滞させて違うの書いてましたからね」
作者「だって、厭き性なんだもん」
弟子「厭き性でも責任持って下さいよ」
君谷「そうそう、こんな小説でもワクワクして読んでいる方々がいるんだから…………多分」
作者「ま、まぁ暇な時書くし…………俺、再熱する人だし…………」
ジジイ「今日から日記を書き始めようとして二行で終わった奴が何を言うのじゃ」
作者「違いますー二行三文字ですー」
弟子「クソですね」
君谷「クソだね」
ジジイ「クソじゃな」
作者「ちなみに、作者の厭き性エピソードはこれだけじゃあ収まらない。時には、新しく買ったゲームを一週間で物置に移動させたり、ゲームの体験版プレイしてそれだけで厭きたり…………そういや、買ったラノベを読まずに放置もしてたな~」
君谷「金が勿体なくない?」
作者「そのせいで新しいラノベ買えなくなったんだよなぁ」
ジジイ「うっわこいつヤバい奴じゃ」
弟子「皆知ってますよそのくらい」




