カオスなヤンデレさん
【ぜぇんかぁいのぉあぁらぁすぅじぃぃ】
作者「どうも、今回は時間の合間を縫って書いているので手短に終わらせます人除機です」
君谷「いつも手短に終わらせたらどうなの?」
作者「作家の血が騒いで…………」
君谷「作家歴ほぼ一年の奴がよく言えたね」
作者「体感時間は長かったから」
君谷「世の中は体感時間で決まるんじゃないんだよ」
作者「おっとこれまた長くなってしまうパターンか?」
君谷「マズいねー。それだけは避けないと」
作者「必死さが伝わってこない件について」
君谷「本編で海里くんが必死だからダイジョーブ」
作者「それはそれで大丈夫じゃない」
君谷「一番大丈夫じゃない奴が言った」
作者「最近当たり強くない? 疲れた心に突き刺さる言葉。言葉選びを考えてみましょう。A◯ジャパン」
君谷「A◯ジャパンって変なCM多いよね」
作者「どうにかして気を引かせようてしてるって俺は思ってる。内容結構大事だし」
【前回のあらすじ】
君谷「雅さんと話す海里くん。手錠をかけられたが取り敢えずトイレで着替える事に」
作者「いきなりっすね」
君谷「長くなりそうだったから」
作者「まだ千文字もいってないのに?」
君谷「前書きに普通千文字も使わないから」
作者「でも面白くないまま終わるのはちょっとな」
君谷「読者様も前書きに面白さを求めるもんじゃないからね。この作品が異常なだけだから」
【もっかい前回のあらすじ】
君谷「雅さんと話す海里くん。手錠をかけられたが取り敢えずトイレで着替える事に」
恥ずかしい!!
俺は顔を両手で覆う。指と指の隙間から見るなんて真似はしない。
「きゃぁぁっ!!」
「へ、変態ぃぃぃぃ!!!」
若い女性の声が俺の脳内を狂わせる。……は、ははは。人生終わりましたよ。
これ警察のお世話になるパターンですよ。もう、俺の人生ってなんなんでしょうね。
雅さんに引き摺られたまま二人で小さな洋式トイレに入る。
そして雅さんは鍵を閉めた。……何で鍵閉めてんの?
「へ、へへへ……これで海里様と二人っきり……」
危険思考の持ち主に襲われてます。助けて下さい。
雅さんはドス黒い笑みを浮かべたが、直ぐに正気に戻ったようで、一旦手錠を外してパイプにつける。
おい俺は犬か。そんな手錠なんか無くたってどっちみち出れないから。
「……じゃ、じゃあ脱ぐね」
え、ちょ、ここで!? 俺いるのに!?
あ、いやでも別に全部脱ぐわけじゃないから良いのか……
べ、別にその場で雅さんが真っ裸になるとか思ってないからな?
こ、このシチュエーションに動揺していただけで……け、決して雅さんに誘われたらOKしちゃおうかななんて考えていたんじゃない!!
雅さんは一枚ずつ服を脱いでいく。
……少しエロい。
「ん、終わった……」
雅さんのお着替えシーンは想定より早く終わってしまった。
「おぉ……」
感嘆の声を上げる。そこには紛れもない美少女がいた。白いロングコートに黒のブーツ。手袋、サングラス、マスクは無くし、もこもこの耳当てと服に隠れて見えなかった青色のマフラーが色合い的にマッチする。絶世の美女。
いつもの制服じゃ分かり得ない雅さんの美しさがそこにはあった。思わず口にしてしまう。
「可愛い」
その一言に目を見開く雅さん。
「可愛い? 私が?」
雅さん以外に誰がいるんだよ。頷く俺。
「えへへ」
デレた。もっと可愛い。でもこれをまた口にしてしまうと収拾がつかなくなりそうなので口を固く閉じる。
「も、もう出ようぜ……」
着替えが終わったならば早くここから出たい。
「むぅ……もっと二人だけの空間を楽しみたかった。それで、私は海里様に――」
おっとこの先は自主規制だ。R18指定がかかってしまうのでご想像にお任せする。
それにしても妄想がえらいことなってるぞ雅さん。
「い、行こ……」
「ん」
妄想を邪魔されてほんの一瞬だけ不服そうな表情をしたが、直ぐにいつもの顔に戻った。
…これでやっと遊びに行ける……
俺がドアのロックを開こうとした、その時だった。
「――ここです!! このトイレに怪しい人と変態が入ってきたんです!!」
一足遅かったかぁぁ!! 俺は早く出ていればと後悔する。
「ここか……?」
野太い男性の声が聞こえ息を殺す。ゆっくりと足音が近付いてきた。足音は俺たちが潜んでいる個室の前で止まる。
コンコンと、扉が音に合わせ揺れた。
「すみません。失礼ですが、例の不審者と変態だよね? 女性用トイレに籠もるとか何考えてんの?」
ド直球な発言に俺の心拍数は早まる。
はいそうです。と、応えるにはいけない。俺が出来るのは声を出さないように口を抑えることだけだ。
どうすればいいんだよ……! このままじゃ俺女子トイレに入った変態だぞ!? いやまあ合ってるんだけどさぁ!
必死に解決策を考えるが、何も案が浮かんでこない。
もうだめかと諦めかけたその時、雅さんが動き出す。
「はいってます」
「ん? あれ?」
警察が困惑の声を漏らした。
うおぉぉぉぉ!! ナイス雅さん!
俺は心の中で褒め称える。
「あ、あれ? えっと、す、すみません。ここに不審者と変態を見掛けませんでしたか?」
「あぁ、あのキ◯ガイどもなら先程出て行きましたよ」
逃れる為だとはいえ自分をキ◯ガイも言えるのは凄いと思う。
「奇声を上げながら」
いらんもん付け足すな。
「そうですか……では、どのくらいの時間に出て行ったかは分かりますか?」
「それは……すみません。トイレに夢中でして、時間は分かりません」
「そうですか」
なんだこのシュールな事情聴取。
屋外の女子トイレの中個室挟んで多分四十代くらいの男性と美少女が取り調べを受けてる絵図とか……
「ありがとうございました。お手数かけてすみません。今後そのような不審者と遭遇したら警察署までご連絡下さい」
「はい」
「では」
足音が遠ざかっていく。完全に聞こえなくなると、俺はドッと力が抜け、壁伝いに下へ座り込んだ。
「海里様、もう大丈夫邪魔者はいなくなったから思う存分――」
「――よし出よう」
「むぅ……」
気を抜く暇なんてありゃしない。しかも今日は一日この状態だから……
死にゲーぐらいは死にそう。いろんな意味で。
雅さんに手錠を外してもらい、自由になった俺はトイレから出る。
ふぅ……焦ったー。
「んっ」
安心したのも束の間、後ろから雅さんが片腕を絡めてきた。
「っ!?」
その破壊力は戦車をも超えた!! ふと脳内にいやらしい言葉が浮かんでしまったが、直ぐに振るい捨てる。
理性を保て!! そう、俺はまだ高校生。ヤるとかそんな年じゃ……それにMIちゃんも裏切る事になるし……
どれだけ言い訳を並べようとも、俺はヘタレなだけである。
人目を気にして足先を見ながらそのまま歩みを進める。公園は隣町にあるので駅で行かなければならない。
駅でMerunを使って楽々ホームへ到着した。
「むぅ……反応しない……」
バリバリ反応してますが? 主に下半身が。すました顔をするの大変なんだぞ?
と、もう電車が来た。ギリギリだったのか。朝から色々ありすぎて時間気にしてなかったな。
電車の中、俺と雅さんがくっ付いて揺れる。何処にいても視線が集まるのは、やはり雅さんの影響だろう。
この視線をものともせずただ俺の匂いを嗅いで興奮している雅さんは尋常じゃない精神力が付いたんだなと思う。
流石催眠術、と、言ったところか。最早初めからコミュ障じゃなかった気分だ。
俺は真っ正面の景色を見つめる。電車の外の風景はこの年になっても普通に面白かった。
何も考えずに外を見る。
すると突然、俺の左手が肌に触れた。
左手を見ると、雅さんのすらりとした細い右腕が上に乗っかっているではないか。
連想させるのは、カップルという単語。
ラブラブカップルが手を重ねるという非リアが見たら発狂しそうな場面を容易に想像出来た。
「……み、雅さん?」
さっき程ではないものの、この状況に羞恥心を抱かない俺ではなかった。
幸い、この車両には俺たち意外に数人いないが、一人にでも見られてると思うと顔が熱くなるし、しているという事実だけで悶える。
そんな血走った目で俺を見ないでくれ……こっちだって見せびらかしたいわけじゃないんだ。
そんな中、彼女は前だけを向いていた。
だが、気にしてないわけではないようで、いつも以上に興奮しているのは見てわかる。
大胆だな雅さん……。これも催眠術の影響か?
いつもならこんなことオーバーヒートして出来ないだろうに。
果たして、これは彼女が慣れたからなのか、はたまた普通にこれはオッケーなのか。
よくわからないが、恐らく前者なのだろう。
電車の走行音のみが聴覚を蝕む。
今度からこの音を聴くだけで今の状況を思い出しそうだ。
……そうなったら俺は電車に乗るたびに恥ずかしくなるのかもしれない。
少々、陰キャぼっちにはカップルの真似事など難易度が高すぎるのだ。
「…………」
「…………」
誰も何も喋らないまま時間が経つ。
俺が『恥ずかしいからやめてほしい』なんて言えるわけがなく、徐々に人も増えてきた。
『次は〜宇治抹茶〜。次は宇治抹茶〜お出口は左側です』
「あ、この駅だ。……降りよう、雅さん」
結局、一度も喋ることなく目的の駅へと着いた。
「……ん」
俺たちは逃げるように電車から降りた。




