おかえりー
「あ、あら、あなた達もここにいたの」
誰もいないか、いてもまーさんだけだと思ってたであろうエリーはちょっと恥ずかしそうに頬を赤く染めた。
椅子が足りないからとってくるわとまーさんが水をとりにいったほうにそのまま歩いて行った。
「ふふ、コップも水も足りませんわね。私も追加分をもってきますわ」
そう言ってカートを押しながらまーさんも姿を消すと懐かしい人ことシスターがにこにこと寄ってくる。
「おお、エミリエンヌ司祭、おかえりー」
「おかえりー」
「ただいま戻りました、ブルレ、シロ様。こちらは平穏でしたか?」
にこやかに笑いながら、ボクの隣に膝立ちになるシスター。
平穏、ではなかったなー。
「ねぇ、そこの先の扉って閂かけられてなかった?どうやって入ってきたの?」
「ふふふ、ここはあちらこちらに隠し通路があるんですよ。初代学校長と当時の後援者との意見のすれ違いがきっかけなんですけどね」
シスターの視線が上から下へさっくり流れていく。
「なにやら世界樹聖堂の方々が騒がしかったのですが、シロ様はご無事のようですね」
「いや、めっちゃ渦中。シロが世界食いとやりあってなんか聖堂のに目ぇつけられてる」
「……………いったいなにがあったのですか?」
シスターが呆然としているとエリーとまーさんが仲良く戻ってきた。
「それは私も知りたいわね。あれに絡まれたのってそれ関係してるんでしょ」
もともとあった椅子にシスターが、エリーはまーさんの横に持ってきた椅子を置いてそこに座る。
エリーにずびしっと指を指された。
「司祭様は世界樹聖堂の本隊と一緒に戻ってきたんだけどね、先発隊のだと思う人となんか話してからずっとシロのこと探してるのよ。街中の人に行先を知らないかしつこく絡んでてうっとおしいたらありゃしないわ」
「芋の収穫後なんて1番忙しい時にそんなことされて皆さん怒ってしまいまして、けっきょく何も話してもらえてませんでしたけどね。この図書室は街の人にとっても特別な場所ですから」
シスターはまーさんから柄杓を受け取ってとぽとぽ水を配りだす。
特別な場所というシスターの言葉に胸を張るまーさん。
「この街はね、283年前にこの世界にやってきたの」




