強い君たち
世界を育てるにあたって、どれくらい生き物に干渉するかはそこを育ててる上級天使の性格次第だ。
こまめに干渉してお気に入りの生き物を世界の長にしようとする天使がいれば、わざと滅びの道を進むのを放置して微生物からやり直すような天使もいる。
ボクはどちらもしたことはない。
一応世界が壊れそうだったら多少手を入れはしたけど、そうじゃない限りは進化も退化も、その生物も生きるがままに任せてきた。
幼い世界は小まめ小まめに手を入れて支えて、ある程度育ってきたら徐々に手を放して、完全に手を放してしばらく経っても崩壊の兆しが出なかったら旅立ちの時だ。
別にボクが育ててる世界ではなくてもこのやり方を変えるつもりはない。
この世界はすでに育てる者ーウンエの民ーの手を離れて、ツクモ神という管理者の元でなんとか育ってるんだ、支援する必要はない。
もちろん、めんどくさいことを回避するためならこの限りではないけれど。
目元を赤くしたエリーの指示で確認の終わった芋から順にどこかへ運ばれていくのをぼぉっと眺めてる。
だんだんボクとブルレがいる荷車に近づいてきてる。
「…………………………」
距離が近寄れば心が寄る。
心が寄れば手を出したくなる。
いつもは世界に下りて作業するのは下級天使達、手間がかかる時でも中級天使で対応してきた。
報告を聞いてきた限り、あの子らがボクの方針に逆らった行動をとったことはない。
「……………よくもまぁ心が強い……………」
「あったりまえでしょぉ」
なんんとなしにこぼれた言葉はエリーの耳に流れていったらしい。
うちの子について言ったつもりだけどまぁ彼女のことでも間違いではないしね。
「悲しいわよ、悲しいに決まってるじゃない。でも、下を向いたままじゃいれないの。お爺様はどうにかどこからか支援を受けれないかと走り回ってて、お父様もお母様も王都にいったっきり帰ってこない。今この街で貴族位にいるのは私だけ」
まぁ、そうか。
ぜんぜん気にしていなかったけど未来の領主なんてのはそりゃほぼ貴族に属してるだろう。
でもいっちゃ悪いけどそう利便性のある土地じゃない。
街人との距離もだいぶ近いから、そう高い位じゃないんだろうな。
「……………両親が今いないのは、働き盛りが少ないのに関係ある?」
「出稼ぎって名目で連れてったわ。そんなこと言ったって、ろくにお金が流れてきたことないわ。どうせ全部向こうで使い切ってるわ」
「…………………………」
「ねぇ、あなたも、立場があるって言ってたわよね。私より小さいのにね」
確かに身長的には小さいけどねー。




