育った世界は仕事の範囲外だし
―――シロside―――
「おかえりなさーーい!」
エリーが街の出入り口で腕ごとというか全身を使って大きく手を振ってる。
大人が何人かいっしょにいるみたいだけどいつからあそこにいるんだろうか。
雨を降らせたから収穫作業自体は早めに終わったけど、世界食いのことも帰りは予定よりだいぶ遅くなってるはずだけどなぁ。
エリーは農地で働いてた人のほうへ、周りにいた大人達は荷車のほうへ寄っていく。
大人達は荷車の中身を1台1台確認しては採れたダッタ芋を記録していってるみたいだ。
「なんかすっごいモンスターが出たんですって!?みんな大丈夫だった!?」
歩いてる間に少しは乾いたとはいえ、泥だらけの人間にためらいなく触れていくエリー。
1人1人の名前を呼んで怪我はないか気分は大丈夫かと走り回るが、途中で止まって泣きそうな顔で誰かの名を口にして辺りを見回してる。
エンナがエリーの肩に手をおいてそっと首を横に振った。
半泣きで何度も口にしてるのは集団の戦闘で偵察にでていた誰かの名前だろうか。
彼女にそっとデラばぁが寄り添い、抱き寄せてる。
「……………この後はどうするの?」
偵察にいっていた人がどうなったのか、最後の瞬間を見た人はいない。
世界食いに飲まれた爆雷は音なんてしなかったから、あの弓音がした時はまだ世界食いの口に入る前だったはず。
音を鳴らしたのは危険を知らせようという使命感からか、自身を助けてほしい訴えだったのか、話すどころか会ったこともない人だからわからない。
ちらっと横目で見てみるけどブルレもあんまり知らないんだろう、悲しむ人にどう声をかければいいのかわからないって顔してる。
「…………今採れた芋確認してるだろ。全体量を把握したら、カーキンの儀に差し出す分を除いた残りを街が管理して1週間ごとに配給するんだ」
「配給制なんだ」
「今は食料は全部そうだな、ロッパの革もだ」
「はー、たいへんなんだねぇ」
「たいへんなんだよ。でもまぁ今回はたくさんとれたからな、少しは楽になるんじゃないかな」
「そう、だといいけどね」
いい笑顔で芋を確認してる人達、そのすぐ横で響く嘆きの声。
「なにごとも、ままならないものだ……………」
世界をいじくればどうとでもできるけど、管理者がいるとこで許可とらずにやると後がめんどくさいからなぁ。




