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WITH A FIGHT!  作者: 藍野シント
入隊編
20/22

デスロード

俺は予想外にも程がある襲撃を受け、戸惑っていた。かの鬼神銃のメンバーが一斉に攻めて来たのだ。もちろん俺にとっては不意打ち。その上、相手にはたくさんの敵。苦戦を強いられる。

「うっぜ」

俺は心の底から思っていた事を言う。もちろん相手達には聞こえている。その為、相手の気が立つ。

「んだとぉ!?」

「一番キレたいのは、俺だっての!」

俺は必死になる。キレたいのは山々だ。しかしそれはそれでめんどくさくなる。面倒なのはあまりやりたくない。だから未だに剣は抜いていない。

全力で逃げていた。

「大体、なんで俺なんだよー!?」

俺の悲惨なる叫びは空に木霊した。それが何故か悲しくもあった。


マシンガンによる連射を集中して避ける。弾丸の速さ、ましてや偽物のなら、動体視力で追いつくことができる。その為避けるのも簡単、というわけでもない。

もちろん苦戦する。何よりもめんどくさい。

「どっかいけぇ!」

「それでどっか行く奴がいるかっ!」

何気に変なツッコミを入れてくるユニークな奴が襲ってくる。逆に戦いにくい。

「やめろぉ!」

「それでやめる奴が…」

「黙れぇい!」

俺は静止させる。さらにめんどくさくなりそうだからだ。

「面倒なのは嫌いなんだよ!」

まさに悲痛の叫びであった。

俺の目にはうっすらと涙が浮かんでいる。

俺は腕を大きく振って走る。逃げる。

前には、荒廃したビルがある。

「あそこで隠れよう」

俺はビルに飛び込んだ。そして暗い中、手探りで何処か隠れれる場を探す。

手に何かが当たる。手に取っても軽いものであった。俺は手に取り、それをジッと見る。暗くて何かはわからない。しかし何と無くはわかる。

これは頭骨だ。しかも人間の。

俺はそういうのには態勢がある。というわけでもない。生で見るのはおそらくこれが初だ。

「うっ」と思わず声を漏らしてしまう。

「ここ、なんのビルだよ!てか、ここ何処だよ!」

俺は大声をあげる。

「おい、あっちだ」

決して遠くは無い位置から声が聞こえる。

「やヴァイ」

俺は回れ右をして、もう一度走った。


☆★☆★☆★☆★

ここはクリアネル国、イティディアという都市にある街だ。しかしゴーストタウンと化してしまっている。

その昔、ここで金が取れ、人が大勢集まった。色々な民族、色々な人が集まる。するとやはり金を巡り戦いが生じる。この戦いは[金の6年戦争]として後世にも語られている。確か、この戦いが起きたのが今から、40年くらい前の事であった。

金の6年戦争とは、金を巡り民族間で6年間行われたからだ。戦いに出た民族数は100近くあったという。犠牲者は35万人でたそうだ。

そんな街に俺は居る。

何故か?

修学旅行デスロードだ。

いくらなんでもデスロードは言い過ぎなのじゃないか?いや、そんな事はない。

毎年、死にかける者が現れるそうだ。直接、命こそは落とさなくても再起不能になる者もいるらしい。

だから生徒達の間ではデスロードと呼ばれている。

そして全く嬉しくない自由行動ヘヴンズドアの時間。俺は変なのに追われていたのだ。


☆★☆★☆★

「つかここ、マジでどこだ?」

俺は全力で逃げていた為、道がわからなくなってしまった。

「これが巷に言う、迷子とやらであろうか?」

俺は呼びかける。誰もいない事を知って居るのに。

修学旅行デスロード、恐ろしい。」

俺はブルっと身震いをした。

「奴はどこだ!?」

やけに低い声が聞こえる。

「ここまで追って来ますかー…」

俺は小さく呟いた。

俺はこの時初めてデスロードにて剣を取った。

俺は剣を前方に伸ばす。

「これ以上はさらにめんどくさくなりそうだ…」


☆★☆★☆★☆★

「ダルい!」

相手も相当な手練れ。その上数もある。

俺はこれまでにない大苦戦をしていた。

「チッ」

俺は後方にいる敵に剣を当てようと、回った。その時、軸足のほうに衝撃が奔る。

「うっ!」

「どや?足払いされた気持ちは?」

俺は無理に笑みを作る。

「とても最低だね」

<覇!!>

足払い小僧はここでリタイアとなった。

「ちょっと、あんた」

「お、瑠奈じゃねぇか!」

瑠奈はガクッと肩を落とす。

「あんたがどっか行くから、探す事になったじゃないの!

でもピンチなようね…」

「ピンチじゃないやぃ!」

俺は強がる。瑠奈はそんな俺をキッと睨み、続けた。

「あんた、何したらこんな恨み買われるの?」

瑠奈が首を傾げる。

「I don't know.」

俺も首を傾げた。顔はニヤニヤしながら…

「何と無くわかった…」

瑠奈の顔に苦い汁でも飲んだんじゃないか、と思う程の縦皺ができた。

「そりゃあ、良かった」

俺はヘラっと笑う。

「死ね」

「何故に!?」

俺は数歩、後ずさる。

「なんとなく」

「理不尽っ!?」

「この世は理不尽が溢れてるのよ」

俺は勝てない事を悟り、頭を下げた。

「なんかすんまそん」

瑠奈はふぅっと息を吐いた。

「俺らをほっとくな!」

鬼神銃のメンバーがキレる。

「「うっさい、黙れ!」」

俺と瑠奈は見事にシンクロした。

「とりあえず、ザコは任せなさい」

「二人なら、すぐだな」

「え?私、1人でやりたいのだけど」

俺は目をパチクリさせた後、「頑張れよ」と伝えておいた。

「まあ、本当は四郎と雄大が来るからね。

あんたは黒幕とやってきなさい」

「なんかありがとう」

「恩で返してね」

俺はその場を必死で離れた。


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