第一話:ワイバーン
この小説は作者のノリと勢いでできています。
誤字脱字やここの展開おかしいだろ、と思うところがあれば遠慮なく言ってください。
更新は不定期ですがなにとぞ勢いで書いていますのでご理解ください。
「ん?」
待てども待てども訪れない衝撃に対して俺は恐る恐る目を開いた。
「はっ?」
見上げる光景は木々の間から漏れる光だった。
「俺は屋上からおちたはずじゃ?」
そうつぶやきながらも俺は仰向けの状態から立ち上がる。うん、体に異常はなさそうだ。足、手、首の順に体が動くか確かめる。とはいえ全長100メートルはあるんじゃないかと思うほどの木は俺が住んでいる地域にはない。というかあったらかなり目立つはずだ。
「ここはどこだ?学園から落ちたはずなのになんでこんなわけの分からない場所に・・・・」
とか考えていると、地響きが遠くから聞こえてくる。
というか地響きってほんとにここどこだよ。
とりあえず(音がするなら人がいるんじゃないかな~?)とその地響きのする方向へと足をむけた。
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「いや、これどうなってんの?」
音を頼りに歩いていくと音は移動していることが分かったのだが、結構な速度で移動しているらしく俺は走ることにした。だが、走ってみるとまずスピードが尋常じゃないほど上がっている。一歩蹴りだすごとに周りの風景がどんどん後ろに流れていくし、一度ジャンプしてみれば10メートルは飛ぶことができた。今の俺は人の域を超えた別の生き物になってしまっているのかとか勘ぐってしまうほどだ。というかもしかしたら本当になっているのかもしれん。
「俺の体どうしちまったんだ?」
まあ、先に状況の確認が優先だと判断した俺は音の元へと急ぐ。しかし、驚くのはここからだったんだ
・・・・・・
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「・・・・・・」
と、無言のまま地鳴りの主へと目を向ける。オーケー、落ち着こう。これは何かの夢に違いない。というか夢じゃないとおかしい。だって地鳴りの音の元に着いた俺の目に飛び込んできたのは俺の体の2、3、倍は余裕でありそうな"竜"だからである。
「いや現実にこんな奴いるわけねぇだろ! というか、ヤバッ!!」
ゲームでもラスボスとかででてきそうな竜は俺の大声に気づきこっちへと目をむけた。そして、俺を敵(もしくは餌)と認識したらしく右足をふりかぶってそのまま俺めがけて思いっきり振り下ろす。
「俺のばかやろう!!くそ、避けきれねぇ!!」
横に飛び避けようとするが、距離が足りないとすぐに判断し俺はそのまま手を前に交差させガードする。しかし、いかんせん体格差がありすぎる。俺はそのまま後ろへとふっとばされる。
「ッッッッツ!!」
声にならないような衝撃を受けた俺はそのまま木にぶつかり背中を打ち付ける。(まぁもし今の一撃を第三者が見ていたら確実に死んでいただろうと間違いなく思うほどの一撃だったのだが)しかし、俺はすぐに地面に着地すると同時に後ろに飛び距離をとる。
「げほっ、はぁはぁ、結構な威力だな。しかもあの体格さであの速さって反則だろ。」
悪態つきながらも俺は構えをとる。あの速さならこっちが逃げることもできないだろう。ふうまったく俺はどんなとこにいるんだか。さて、どうやってこのピンチを抜けようかと考えていると横から声がした。
「なっ、ワイバーン!?」
ワイバーンと呼ばれた竜がその声に反応してそちらに首を向ける。そこには、いかにも"冒険者です"みたいな格好している女の子がいた。そしてワイバーンは標的を確認し口を開く。口の周りに淡い光が収束していく。たしかゲームであったな、あんな技、ゲームでは直線上の敵を一掃してたな、って。
「くそ、バカヤロウ!!逃げろ!!」
その直線上にいる女の子に声をかける。ここから10メートルちょっとある。チッ、間に合うか?俺は思いっきり地面を蹴った。その瞬間俺の体はフッっと消える。
「えっ?」
次の瞬間、ワイバーンの口から白い光線が轟音とともに放たれる。その先にいる女の子はその光の奔流に飲み込まれたかに見えた。光は木々を蒸発させ50メートル近い直線の焼け野原を作る。
「ふう、ギリギリだった。」
「えっ、何が・・・・起きたの?」
と、俺と女の子はその焼け野原のすぐ隣に立っていた。いや女の子のほうは俺が抱えていたが。とりあえず、<疾風>は成功だ。しかし、速度は段違いだな。
「ぐおおおおおおおお!!」
今のでしとめられなかったのに腹を立てたのか、ワイバーンが咆える。
「あの~、ちょっと聞きたいんだけど?」
俺は驚かせないようにできるだけゆっくりと降ろして、落ち着いた声を女の子にかける。というかかなり美人だなこの子。
「えっ!?・・・・・はっ、はい!?」
目を点にしていた女の子は俺の質問ではっとしたように答える。
「あのデカブツについて知ってることがあれば、簡潔に教えてほしんだけど。対処方法を知っているととってもうれしい。」
「というか、ワイバーンなんてランクB以上のクエストよ!!というかあなた誰!?このあたりは村の人が近づかないようにギルドの人が包囲しているのよ!?」
かなり動揺してるなこの子。というか俺もこんな存在を見て結構落ち着いてるな。
「どこからって言われても。ってまた来る!!」
雄叫びを上げながらワイバーンは二人に向かって角を向けて突進してくる。
俺はもう一度<疾風>を使い一瞬で避ける。女の子のほうは俺と同じ方向へと飛びよけた。
「ちっ、先にこいつを片付けよう。ちょっとその腰につけてる剣貸してくれ」
「片付けるって、一人じゃ無理だわ!!どうにかして逃げて対策をとるべきよ!」
「逃がしてくれるか?あの状態で?」
とワイバーンのほうに目を向けるとかなりご立腹なご様子だ。そして、大きく口を開けた。
「まずい、またあれを撃ってくる気だ!!ちょっと貸してもらうぞ!!」
俺は剣を女の子の腰から奪い鞘から抜いた。両刃剣だが何とかなるだろう。
「ちょっと!!無茶よ!!息吹を撃つつもりだわ!!死ぬつもり!?」
「確かに無茶だと俺も思うんだけど、なんか大丈夫な気がするんだ。」
「あなた、頭大丈夫!?」
ひでぇ言われようだな。でも、確かに傍からみても死地に行くようなもんだよな。でも何故かな本当に大丈夫な気がするんだ。俺も理由は分からないんだが。
俺は剣を右手に持ち半身の形で構えた。ワイバーンの口に光が収束していく。さっきよりも光量が多い。溜めも長いので威力を上げているのだろう。
狙いは発射した後の首だ。集中しろ、集中!すると頭がボーっとしてきた。
ヤベッ、さっき頭ぶつけたかな?しかし、不思議と体の中心が暖かくなっていき頭の中に知らない言葉が浮かんでくる。俺はボーッとしたまま無意識に言葉をつむぐ。
《大いなる風よ、大いなる雷よ、我が手に宿り、我に仇なす敵を滅ぼせ》
俺の周りに風が吹いたと思うとそれは暴風のように吹きすさび、時々まばゆいばかりに光を発しバチバチという音と共に俺のもっている剣に纏いついた。
《雷の鎌風》
俺はワイバーンがブレスを撃つと同時にそのままその場で剣を横へと振りぬいた。
振りぬかれた剣の先から出た風は雷を纏ったままキィィンと甲高い音を出しながらそのままブレスを切り裂き、その勢いのままワイバーンの首を切り落とし更にその後ろの木々を扇状に100メートル以上切り倒した。俺はワイバーンの首が地面に落ちた音でハッと我に返った。
「はっ!?」
後ろのほうで女の子は呆然と立ち尽くしている。いや俺もなにがなんだか分からないんだが。というかこれ俺がやったの?
「え!?・・・・・あんた今何したの?」
いや、そう言われましても俺にもさっぱり何ですが・・・。
こうして俺の初めての戦闘は終わった。
この物語のタイトルですが、先のほかの作者が使っているのを発見してしまったので、変更すると思います。調査不足ですいません。