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神に愛されし者  作者: シューニャ
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ヨルスからの啓示

意識が段々と覚醒していくのを感じる・・・背中には硬い石でできた床らしき触感がある・・・

目が開いていく・・・薄暗くあまりいいところに寝ていたようではないようだ・・・

背中側が少し痛い・・・ここはどこだろうか?・・・何故ここで俺は寝ていたのだろうか?


シセスタは自力で体を起していく・・・


???「あっ、気が付かれましたか?」


女の声が聞こえた。声のした方を見ると肩まで掛かる綺麗な金髪長いモミアゲで、薄い黄緑の目の色をした眼鏡をかけた少女が慈しみに満ちた眼差しで、こちらにやってくるのが見えた。服は神官らしき格好をしており、お付きの一回り小さい少女らしき聖職者を従えている。


シセスタ「申し訳ない・・・まるで状況が飲み込めない。ここはどこで?なぜ?おれはここで寝ていたのか?まったく覚えていません・・・ところであなた方はどちら様でしょうか?」


シセスタは丁寧な言葉で尋ねると神官らしき少女は歳に見合わぬ、優しく落ち着きのある声で応対してくれた。


???「どうやら、記憶が混乱しておられるようですね?無理もありません。ですが…大丈夫でしょう。重傷者にはよくある症状です。順を追ってここがどこで、なぜ、あなたがここに寝ていたのか理由をご説明しましょう。」


クーン「まず、わたしの名前を名乗らせていただきますね?わたしはクーン・リンパルという者です。このアーリュン教の教会で司祭させて頂いています。わたしの隣にいるこの方はアテナ・ミューズ助祭です。わたしのお勤めする教会・・・この教会で修行に励んでいて、あなたの呪術治療を施すのに力を貸してくれました。」


シセスタ「呪術治療?俺は怪我をしていたのか?・・・」


クーン「ええ。セレスティア様が転移魔法であなたをここに運んできました。何でもあなたがギルド内でトラブルに巻き込まれたので怪我をさせた者を処罰しに戻ると・・・詳しいことは我々も知りません。」


シセスタ(ギルド内・・・トラブル・・・あっ!思い出してきた。)


アイラに絡んでいたザックとか言う冒険者の相手をしていて、教官たちが来たから安心していたら後ろから蹴り飛ばされて、そこからはあまり良く覚えていないが・・・そうか・・・それで教会に。


シセスタ「ありがとう。司祭様。助祭様。借りができたみたいだな・・・」


クーン司祭「いえ、聖職者として当然の事したまでです。」


シセスタは自分の聖油でグチョグショの服を見ながらクーン司祭たちに治療にかかった代金を聞く。


シセスタ「治療代金はいくらですか?時間がかかっても必ず払いますので・・・」


クーン司祭「いえ、お金は頂いておりません。清貧に精神に反しますので・・・」


シセスタは耳を疑う。


シセスタ「治療をタダでしているのか?」


クーン司祭「はい。善行に対価を求めるのは信条に反しますので・・・」


シセスタ「なら、寄付は受け付けているかな?」


クーン司祭「寄付していただけるのですか?あなたの慈愛に感謝します!あなたにアーリュン様のご加護を!ありがとうございます!貧者への炊き出しへの出費に充てさせていただきます!」


シセスタ「自分はあなたたちに感謝しているのですが・・・まあ使いみちはお好きにどうぞ。」


シセスタは気前よくクーン司祭に1000ユーフティスを渡すが・・・


アテナ助祭「はわわわ!!クーン司祭!1000ユーフティスです!1000ユーフティスですよぅ!!わたしこんな大金初めて見ましたぁ!」


クーン司祭「なぁ?!!いけません!こんな大金いただけません!!アテナ助祭あなた聖職者でしょう?!目が輝かせてはいけません!!」


なんと?!クーン司祭はお金を突き返そうとしてくる!!


シセスタ「いや、ですが・・・あなた方にしてもらった事を考えればこれくらいは・・・それにこの教会は建物としては古いですし・・・そちらに充てられては?」


クーン司祭「ダメです!例えこの教会が崩れ落ちたとしても、信者からお金を毟り取り自身の保身の為に、助けをもとめる貧者を見棄てるなどあってはいけません!!」


シセスタ(いや…そこまで大袈裟な話をした覚えはないんだか…)Σ( ̄Д ̄lll)

「わかりました。仕方がないので92ユーフティスの寄付に留めます・・・」


しぶしぶ、908ユーフティスをアイテムボックスに戻す。


クーン司祭「それでも多額の寄付ですが・・・二回も断るのは失礼になりますね・・・」


シセスタ(いや?!一回目も凄く失礼だったぞ!!)(;゜0゜)


アテナ助祭「クーンさま~あぁ!。゜゜(´□`。)°゜。どうしても…高額な寄付金を頂いてもダメなんですかぁ~教会の雨漏れもヒドイですし、カビや苔のお掃除してもまた・・・」


クーン司祭「アテナ助祭!いけません!聖職者が対価を求めだしたら、各教会の司教や大司教のように腐敗してしまいます!!絶対にいけません!せめて我々、末端の聖職者だけでも神の貧者の味方であらなければいけません!」


アテナ助祭「でも…司祭さ~まぁ…屋根の修理代に上層部からくるお金まで、貧者の方々に回さなくても・・・ねぇ?」


クーン司祭「アテナ助祭・・・あなたにまで苦労をかけているのは申し訳ないと思います。わたしもあなたに責任感じていないわけではありません・・・ですが、飢えて苦しんでいる人々を見捨てるなどわたしには出来ません・・・どうしても耐えられないとおしゃられるなら、わたしの元で無理に修行に励む必要はありません・・・優秀で部下に窮屈な思いさせない司祭は、他にも沢山いらしゃるのですから・・・」


クーン司祭は暗い顔をして…アテナ助祭に返事する。


アテナ助祭「そんなぁ!クーン様みたいな・・・お優しい方だからこそついて行こうと思ったんです!!クーンさまぁ~困らせるような事を言ってゴメンナサイ・・・」


アテナもクーンも萎れてしまっている・・・できれば、何とかしてあげたい・・・


???「なんとかしてやればよいではないか?」


・・・ザックに蹴り飛ばされ頭がおかしくなったのだろうか?シセスタこの世界に送った神ヨルスの声が聞こえたような気がする・・・


???「幻聴ではないぞ?シセスタよ?」


クーン司祭「えっ?!今だれか?喋りました?」


アテナ助祭「わたしじゃないですぅ!あなたですか?」


ふたりともシセスタの方を見るが、もちろんシセスタではない・・・

すると教会の祭壇が光りだした!!!!


シセスタ「うっ??!これは・・・・・・??!!」


クーン司祭「この光は!!暖かな光は神の奇跡の光?!なぜ?!こんなボロボロの教会に主が?!」


???「久しいな?シセスタよ・・・試練を乗り越え続けているようで何より・・・」


シセスタ「ヨルス様なのか?!!」


クーン司祭「よ!ヨルス!主神ヨルス様のことですか?!」


ヨルス「如何にも、小娘共よ!よく我が名を聴くが良い!我はこそは主神ヨルス。献身と犠牲の神。慈悲を司りし神。この世界を作り光を当て続ける者・・・貴様ら慕いし、癒やしと献身と豊穣の女神アーリュン神の姉の神。」


クーン司祭「あっああ・・・主神様に顕現なさるなんて・・・」

クーンは感動で泣いてしまう。


ヨルス「アーリュンの敬虔なる純粋な信徒よ!よく今まで腐らずにその心持ちを持ち続けた・・・お前のその透き通った思い!このヨルスが、しかと受け止めた!それと、我が遣わせし使徒を救ったこと・・・褒めてつかわす!」


クーン司祭「使徒?!彼は聖人なのですか?!ヨルス様?!」


ヨルス「そうだ!小娘よ!其奴は我が遣わしたまだ現れて間もない聖人だ。其奴はまだ弱い。到底、本来の敵である邪神や魔神・悪竜も倒せぬどころか…冥王や魔王・魔人も倒せぬ。普通の竜や高位の魔族の足元んも及ばぬ。」


シセスタ「?!なんか物騒な名前が沢山出てきたような・・・聞き間違えですか?ヨルス様?!」


ヨルス「何を言っている戯け!この世に光を当てたら当然、影が出来き闇も出来る。副産物としてそのような者たちが出てきてもおかしくない・・・」


シセスタ「ええぇぇええ!!!!おれヨルス様の不始末の為に、この世界の来たの???!!!」


ヨルス「当たり前だ・・・何のために戦う為の能力を与えたと思っていた?!」


シセスタ「ええぇぇええ?!前世のご褒美じゃないの?!」


ヨルス「それもあるが・・・ともかくなんとかするのだ!大丈夫!!シセスタ!お主は不老だから死ぬまで何とか戦え!!それじゃ我は光の刻限なので・・・これにて!!」


光が急速に消えていく!!


シセスタ「あっ!!逃げた!!ちょょよよ?!!なにそれ死ぬまで戦い続けるとか?!加護って名の呪いじゃん?!聞いてないよぉ?!ヨルスさまぁぁああああ?!」


無情にも光は完全に消えた。


シセスタ「マジですかー・・・嘘だよね・・・ヨルス様・・・」


シセスタ(ちょょよょよお!!!!!ヤバイじゃん!!ええ?!マジで死ぬまで戦うの俺?)


クーン司祭「聖人様!聖人さまが!この世界にいらした!!凄い!凄いです!」


アテナ助祭「クーンさまぁ~?聖人ってそんなに凄いですかぁ?」


クーン司祭「勿論です!!あなたもみていたでしょう?特権階級の方々が崇拝する主神ヨルス様が顕現されたのを!!アテネ良いですかよくお聞きなさい・・・聖人様はまだ弱いそうですから、無闇に他人に喋っていけません。この事は内緒にするのですよ?」


アテネ助祭「周りに漏れたらどうなるんですか?クーンさまぁ?」


クーン司祭「それはもう!聖人様が弱いうちに殺してしまおうと沢山の魔人がこの地におしよせてくるでしょうね。」


アテネ助祭「魔人?!こ、怖いですぅ!!クーンさまぁ!!」


シセスタ「げっ!!マジで!」


クーン司祭「聖人様。ご安心ください。ここに秘密をバラす者はおりません。彼らとは運命の引き合わせで、いずれ戦う事になるでしょうが、それまでに貴方様も強くなられますから絶対に。」


シセスタ「そ、そうなん?やっぱ!戦う運命にあるん?!」(;-_-)

(冒険はしたいけど・・・凄く気が進まないわ・・・)


シセスタ「取り敢えず今日は疲れたので帰ります。用事があったら来ます。本当に助けてくれてありがとう。クーン司祭。アテナ助祭。」


アテナとクーンに礼を言って教会を出る。外はすっかり暗くなっていた。どうも、教会は少し街外れのにあるようだ。街の灯りが見える。


(よりにもよって城壁の外かよ・・・教会ってもっと良い所にあるもんじゃないのか・・・)


アイテムボックスからワンドを取り出し、転移魔法でエーデルワイス亭の自室に帰る。


【モア テレポーテ】


ようやく、一息つけるシセスタは晩ごはんも摂らずベットに転がると深い眠りに落ちた。



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