なんとか着地。そしてもういらんがな
割れ鍋のダンスには、固定ファンがいたりします。ダンスには。
当日は、そらもう戦場だったよ。
舞台の最終確認のために、と何人かがガチダンスして床踏み抜くは、やっぱり強度がとか言って舞台バラそうとする先輩を必死で説得してる間に、3分クッキング並の素早さで補修が終わってたりとか。黒子かと思う程の存在感のなさで、仕事は完璧だった。何者。
それから、着替えた私の胸元に詰め物するか悩んでた母よ、後で覚えとけ。自分は自前だからって、くそぅ。どこが姐御なんだ、理不尽。
「私も自前だよ~」
黙れ割れ鍋。揺らすな、見えるぞ。そういうのは男にしなさい。あと、君だけスカートじゃないのは陰謀とかじゃなく、ただ単に見せないでくれと要望てか懇願書が男子総意として届いたからだ。ダンスはカッコイイからメンバーからははずさないでくれとも言われたらしい。よかったね?
着替えた人からヘアメイクに行くんだけど、全員分をさぁやんが(この人も打ち合わせから参戦)メイクしてたし、さすがに髪は他の人がやってたけどさぁやんのチェックでOK出ないとダメだったし。声かけられないほどの緊迫感あふれる現場だった。ここにも姐御がいたよ。
さぁやんのスゴいのは、みんな顔も肌の色も違うのに同じように見えるメイクをするとこ。塗る色も場所もそれぞれ違うのにあら不思議。先輩方ムービーやら写メとか撮ってた。参考資料なんだって。
「将来そっちに進むつもりだから、これくらいは勉強済みよ」
スゲェなさぁやん。てか君、なぜうちの科にいるんだい?
「ヘアメイクは専門学校にいくつもりだから、興味あるの習っとこうと思って」
大人だなさぁやん。てか、さぁやん。なんで私だけ髪くるくるなの? ねぇ、なんで目そらすのかなぁ、さぁやん?
そんなわけで、裏方の大変さなんて微塵も見せずにダンスは成功に終わった。目立ちたかった先輩方も無事アピールしたい人に見てもらえたよう。よかったよかった。
しかし、何故にこの面子で来年の新入生歓迎会に参戦しなきゃならんのさ? 決定? 知らんがな。しかも軽音部が生音で参加したいとかさらなるカオス。
そして新たにダンス部爆誕。私は名誉部員なる称号をもらった。
いらんがな!
瑞癸ちゃんがメインなのは未だ秘密です。別人メイクしてるので。