34 墓穴掘るとかないわ
閲覧ありがとうございます。
「まぁ〜かわいいわ、ルキアーナ。」
私のドレス姿を褒めてくれるのは、ルキアーナちゃんの母オリビアさん。
母が選んだドレスは白とスミレ色のグラデーション。
ルキアーナちゃんの瞳の色と同じ色が使ってあって、とてもよく似合っている。
そして褒めてくれる母も赤からシルバーに変化するドレスを着ている。デザインがお揃いだ。
今日の母が褒賞式で1番美しいだろうと思う。
父の瞳の色を繕って、途中まで父がエスコートする。
私はお城についてから、第一王子にエスコートされる。
「いや〜ルキアーナが褒賞を受けるとは、喜ばしい事だね。すごい事だよ。」
父が控えめに頭を撫でて褒めてくれる。
ルキアーナちゃん良かったね!お父さんを喜ばせてあげれてるからね。
褒賞式初めて、一緒に楽しもうね。
兄はもうすでに城に出向き警備についている。
私達3人は馬車に乗ってお城に向かったのだった。
♢♢
父と母が馬車を降りたので、私も扉に向かうと白手袋が見えた。
手袋から視線を上げると王子然とした第一王子が立っていた。
「ありがとうございます。」
手を借り降り立つと、周りが少しざわついた。
王子が迎えに出る事も、また迎えた相手が幼いのも珍しい事だろう。
そしてもっと珍しいのが、王子があまりキラキラじゃない。
白を基調とした正装で、差し色に少しスミレ色が使われていた。
めっちゃペアっぽいし、なんかキラキラしてないのが変な感じ。
「今日は変な顔をしないんだな。」
前を向いて澄ました顔をして歩きながら、王子が話す。
「まあ。」
そりゃ、キラキラしくないし、ぱっと見は好ましいと思う。
いつも以上に王子様。それが気に入らないだけ。
「なんだ。」
「ペアっぽくなるくらいなら、キラキラの方が良かったなと。」
私が素直に気持ちをこぼすと、
「フッ、いつもは私が輝きすぎるから、おまえがついて来れないだろう。今日はお前レベルに合わせてやったのだ。仲睦まじい所を見せる場だからな。」
…………確かにいつも輝きすぎでついていけないよ。環境破壊で、目が失明する。
普段から環境に優しくが大事っていつ気付くんだろう。
半目になりながら、どんどん歩みを進める。
「素直にドレスを受け取れば良かったものを!」
「いや、それはご遠慮。」
「…………。」
お互い棘をバンバン飛ばしながらアルカイックスマイルを貼り付ける。
豪華な扉を抜けてホールに入ると、先に談笑していた人達がどんどん振り返ってくる。
おお、大人ばかり。視線が低いのは私だけだ。
少し萎縮した私の上から、失笑。
「いつもは豪胆なのに、こういう場では怯むのか。」
チッ、慣れてないんだよ!
でもイラッとしたおかげで、緊張は飛んだ。
反対に目が座るわ。
グッと背筋を伸ばし、振り向く人に負けない笑顔を向ける。
高い所に王と王妃、側妃、側に父が控えているのが見える。
王様は豪華な衣装を着ているが、相変わらず渋地味メン。
王妃様は白金の髪にオレンジ色の瞳で、聖女様に近い色味を繕う華やかな方だった。第二王子の真っ黒が生まれたのが遺伝子の不思議だ。
側妃様は金髪に朱色の瞳で、目力の強めな美人で第一王子の母という感じでキラキラしかった。
そんな御前の1番前まで王子のエスコートで歩んだ。
この時私は気づいてなかった、その堂々とした姿が王子と対のように輝いていた事を。
王子が陛下の前に頭を下げる、それに続いてなんか王子に張り合うように渾身のカーテシーを披露する。
感嘆の声が次々上がるが全く聞こえてなかった。
頭の中は、王子より私1番的なことがぐるぐる渦巻いていたから。
王子が壇上に上がり定位置につき、私1人凛として立つ。
そして陛下からこの度の褒賞の経緯と褒賞内容が紹介されて誇らしい気持ちになった。
続いて私の紹介が行われ、そして。
「ここに王子どちらかの婚約者にルキアーナ・ノア・ウィンテリア公爵令嬢が必ずなる。しかと周知し、皆で守り、皆で支えよ。」
と明言された。
割れんばかりの拍手に我に返った私は、顔面蒼白になった。
王様の宣言で王子の婚約者を余計に辞めれなくなった………。
褒められ舞い上がり、バカなの、私。
ごめん、ルキアーナちゃん。
お姉さん本当に婚約者を辞退させてあげたかったの。
上がっていた気分は深く深く沈んでいくのだった。
閲覧してもらえて、嬉しいです。
キラキラ衣装じゃない第一王子はすごくカッコ良くて、千笑はやりにくい(笑)
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