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33 モップに魔力が必要

閲覧ありがとうございます。

コソッと後ろの2人を見る。


王子は若干ビビってはいるようだが、エーデル侯爵とは普通に会話しているようだった。


エーデル侯爵とは普通に喋れるんだね。つっかえてなさそう。


2人はあのうさぎさんにまた呪いを施すようだ。


もう3回は黒く光ってる。


何回腹痛魔法かけるんだろう。めっちゃ腹痛になりそうじゃないか。


嫌だな〜と思っていると、黒うさぎがこっちにぴょーんと飛んできた。

「わ、わわ。」

思わずキャッチすると、向こうの2人がびっくりしていた。


そしてうさぎがブルブルっと震えた。


「あ、呪いを解きましたね。」

エーデル侯爵が呆れた顔をする。


え、知らないけど。

いや、私のせいではないよね。


私はキャッチしただけだし、呪いが嫌だったのよ。


きっとこの子が私を気に入ってくれたのね。そう思ったら嬉しくなった。


取り返したいけど近づきたくないという動きを繰り返してる王子に、

「殿下質問してもよろしいでしょうか?」

もふもふしながら聞いてみる。


ビクッ…………もじ……もじもじ。


まだ慣れないか〜安定のモジモジに苦笑いになる。


「な…に?」

おお〜意外に返事早かった。


「殿下の使役しているうさぎさんはなんて名前ですか?」


「た…ただ…の、……う…さぎ………じゃ……ない。」


王子が首を振って髪がもっさもっさ動く。

おお、ただのうさぎにしか見えないが。お気に召さなかった。


えっと、なんだっけ。ウィ、ウィー……。


「この子はうさぎではないのですね?」


「神…獣………ウィード…ラビット。闇属性の魔力を与え続けて、魔力解放する時真の姿になる。闇を切り裂く事も、空間を移動する事も、敵を滅ぼす事も、時間も操れる。」

めっちゃ小声早口。


でも聞こえた単語が不穏。


この小さく可愛い子、めっちゃ魔王のようだ………。


顔が引き攣って、

「う、うさぎとは比べ物にならない神獣ウィードラビット様という事ですね。」

答えると、もっさり王子は大きく頷いた。


「それでこのウィードラビット様はなんとお呼びしたらいいのでしょうか?」

再度聞いてみる。


「………………モップ。」


「はい?」

聞き間違いかと思って聞き返す。


「…モップ。」

もっさり王子が手をモジモジさせて言う。


見た目まんま、モップだった。


笑いそうな所を必死に我慢して、

「モップと、プにアクセントではなく、モにアクセントで、モップ様なんですね。」


そう言うと満足そうに王子は頷いた。


ぷぷぷ、めっちゃかわいい名前。


能力魔王、見た目ひ弱、まんま王子と一緒‼︎ 飼い主に似るとはよく言ったものだ。


そうそう。

「殿下、モップ様はこの2日間全く食事を取っていません。大丈夫でしょうか?」

心配になり聞いてみる。


王子は左、右と体を捻りながら動き始める。

………どうして喋る前に動くの……。


「…………まりょ……くが…食……事。」


魔力が食事!さっき魔力与えてって言ってたね。

確かに、ただのうさぎじゃないね。


「そうですか、殿下の魔力が必要だったのですね。お腹すかせているはずです、与えてあげてください。」

王子にうさぎを差し出すと、王子がバッとうさぎを取った。


「…魔力は………き…みの………もらった………み……たい。」


「えっ‼︎」

大きな声で驚くと、王子は一気に部屋の後方に下がって行った。


「き…みの、……ま…りょ……く、気に入っ……て、………勝手……にすっ……てた。」


王子の言葉に目が丸くなった。

はい? 勝手に吸われてたの? 気づかなかった。


「ルキアーナ様立ちくらみなどはなかったでしょうか?」

エーデル侯爵に聞かれる。


「そういえば、庭園で出会って立ち上がる時に、あとは今朝起きてベッドから出る時に。あれは暑さとか朝だからとかではなく、モップ様に魔力を吸われてたからなんですか?」

「おそらく。神獣に与える量は多いはずなので。」

エーデル侯爵が頷く。


そうなのか、ご飯食べていたんだね。

「良かったです。」

私がそう言うと、

「良かった?」

エーデル侯爵が首を傾げた。


「そうです。ご飯食べなかったから心配してましたが、ちゃんと私の魔力で栄養が取れていたのですから。」

ニッコリ笑うと、エーデル侯爵はやれやれという表情になった。

「ルキアーナ様という人は。」


「………モ…ップ……は…あげない。」

なんでか王子は私に背を向けモップ様を隠したのだった。







閲覧してもらえて、嬉しく思います。


モップ様はルキアーナちゃんが好き


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