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32 王子を守れるの?

閲覧ありがとうございます。

連れて帰ったうさぎは癒しだった。


全く鳴きもしない、寄っても来ない、けど抱っこしたり触ると、手触りが良すぎて和む。


真っ黒な長い毛に垂れた長い耳、まん丸の黒い瞳。かわいい。


ルーラ曰く黒は闇のイメージで忌み嫌われる対象だから、なるべく人に見つからない方がいいらしいので、私の部屋の寝室に囲う事にした。


私とルーラでこの2日間、うさぎのもふもふを堪能した。


床で寝そべってる姿は、まんま黒モップ。そこもまたかわいい。


やばい連れて行かないといけないのに、離れ難い。


けど連れて行かないわけにはいかなのだ。なんせこのうさぎ、全く食を取らない。

何を与えても食べない、水も飲まない。


けど全くグッタリもしてない。

飲まず食わずでなんで元気なのか疑問だが、何も食べないならやはり心配なので飼い主に返すべきだろう。返した時何を食べるのか聞いてみなくちゃ。


そんなこんなを考えながら、バスケットにうさぎを入れて王宮に向かった。


  ♢♢


講義室について誰もいないので、座って膝の上にバスケットを置いた。


開けるとうさぎが首を傾げていた。

「かわいい〜。」

可愛さにメロメロになる。


エーデル侯爵が来たら、聞いてみよう。

いつまででも眺めておける。


そう思っていたら、いつものように部屋の後ろの空気が動いた。


第二王子の登場だな。


振り向きもせず、うさぎを撫でる。


ふと自分に影ができ暗くなったので顔を上げると、真横にいつも通りもっさりした王子が立っていた。


珍しく近い、そして細長く、黒バージョンの貞子のよう。


びっくりしてうさぎから手を離し、固まる。


「あ……あ…、そ、……う、うさぎ……。」

ボソボソと王子が指を指す。


うさぎと王子を交互に見て、

「殿下のうさぎでしたか?」

私が聞くと、指をさしたまま。


「ど…どう…………やって、………捕まえた…の?」


どうやって…………2日前を思い出し苦笑い。


「王宮の庭園のベンチで休んでいたら、空から降ってきて私にぶつかりました。」

顔にぶつかった件は黙っておこう。


「……………。」

ものすごく沈黙。


見上げると、王子は小刻みに揺れていた。


どういう状況………。


「君は………なんなの。」

それだけ言うと、ゆらゆら横揺れをし始める。


なんなんだ揺れ出した。少し怖い。なんなのとは、どういう意味……。


お互い微妙な空気に包まれていると、

「おはようございます。殿下、ルキアーナ様。おや、珍しい殿下がルキアーナ様に寄って行っているのですか?」

エーデル侯爵が入ってきて近くに来た。


そして目ざとく私の膝のバスケットに気付き、中を覗き込んで目を見開いた。

「これは殿下の。」


「殿下の?」


聞き返すとエーデル侯爵がニッコリ笑って、

「王族男児は各々魔獣や神獣を使役します。ラトルスネイク殿下はこのウィードラビットを使役しております。」


使役?ペット?

首を傾げる。


「使役獣はいざという時に主人を守り、また様々な手助けもしてくれるのです。」

エーデル侯爵の言葉にびっくりして、思わず黒うさぎを見る。


この子がもっさり王子を守るの? このつぶらな瞳の小さなうさぎさんが? どうやって?


もっさり王子の周りをぴょんぴょん飛ぶ姿しか想像できない。


この子そんなにすごいの?

ゆっくり掴んで、持ち上げて視線を合わせる。


「あ、触っては!」

「あ!」

急に2人が慌てた声を上げたので、びっくりした。


そっとバスケットにおろした私を見て、エーデル侯爵が顎に手を当ててまじまじ見た。

「ウィードラビットの保護結界が消えてますね。」


「保護結界?」

なんだろうと首を傾げると、

「殿下が使役獣を守るために、腹痛の呪いの結界を厳重にかけていたんですよ。」


また腹痛の呪い。


目を座らせて、もっさり王子を見上げる。

見ただけで、3歩下がられた。


なんでいつも腹痛にさせようとするんだ!


少し睨み気味に見続けると、ボソボソ聞こえた。


「………腹痛、に、な………たら、連れて……………い…か………ない。」


ああ、まあね、お腹痛くなったら捕まえるどころではないよね。

まあ、守ろうとしたんだろうけど。


「……ふつ…か、…………ま…え…………けっかい………と……けて、……焦った……。」


ああ、そうか、誘拐されたと思ったのね。危険があったかと心配したんだね。


「ごめんなさい、連れて帰って。飼い主がわからなくて、王宮教養の時エーデル侯爵様に聞いたらわかるかと思って、それまで保護していたのです。」

頭を下げると、エーデル侯爵が、

「ルキアーナ様は腹痛にならなかったのですか?」

と聞いてきた。


そんな事全くないので、首を横に振る。


エーデル侯爵が少し目を見開く。


するともっさり王子が黒うさぎを持ち上げながら、

「この子………ぼ、ぼく…の、結界…………はじ…く。」

と言って後ろへ逃げて行った。


あ〜うさぎさん〜


名残惜しく手を出すと、エーデル侯爵に捕まれた。

「殿下の結界や呪いが効かないのですか? そんな、そういえばこの間も私の束縛魔法を解いてましたね。ああ、なんて素晴らしい!」


恍惚とした表情に手を引くが、全く引けない。


「離してください。そもそも結界なんて知りません。私は何もしてませんから!」

ブンブン振るが、離してくれない。


後ろから、

「結界………張っ……てい…て……も、勝手……に…通過して……………くる……か…ら、保護…………結界……も…無…………意識…に…解いてる……………と…思………う。」

もっさり王子が何か言ってる。


何?何言ってるの?


「素晴らしいですね〜私と殿下の魔法が意味をなさないなんて。ルキアーナ様、あなた様の魔力はもしかしたら私達よりずっと上なのかもしれませんね。」

色っぽい表情で手を持ち上げられる。


そして手の甲に、チュッとキスをされた。

「ギャっ⁉︎」

全身逆立って変な声が出た。顔もマジで熱い。


そんな私の姿を見て、エーデル侯爵はクスクス笑って手を離してくれた。


すかさず手を抱え込む。


なにすんだ!ルキアーナちゃんの手に!勝手にキスしちゃダメでしょう。

ギッ睨むと、エーデル侯爵は気にする風もなく、王子の元へ歩いていき何か喋り出した。


ゴシゴシ、ドレスのスカートで手の甲をしっかり拭く。


何かわからないが、何故キスした?

何が素晴らしいのか全くわからないし、多すぎる魔力いらないんだってば!


エーデル侯爵の行動にイラッとして、今度はハンカチでしっかり手を拭くのだった。






閲覧していただき、ありがとうございます。


黒うさぎ、小さくてふわふわで可愛い。


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