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31 空から降ってきた

閲覧ありがとうございます。

あ〜、疲れた。


第一王子を相手にすると精神がゴリゴリ削られる。


内面の毒々しさと外見のキラキラの差が激しい。

あの子はなんであんな性格になったんだ?


第二王子は…………ルンバール医師に支えられる王子を思い出して…………姫だったな。


なんなんだ、あの兄弟は!


ルキアーナちゃんの旦那になるの?

いやいや無いよね。


あ〜、休みに来たのに、また考えてた。やめよ、やめよ。


目の前には王宮の庭園。


「だいぶ、お疲れのようですね。最後は楽しかったです。」

思わず笑いがこぼれたといった風に、ルーラが楽しそうに言う。


「そう?でも、あの王子からのドレスなんて無理!絶対キラッキラよ!」

「キラキラもお嬢様なら、お似合いになりますよ。」

日除けのパラソルを傾けて、ルーラが優しく笑う。


そりゃね、ルキアーナちゃんの見た目なら似合うと思うよ。でも嫌だったのよ、王子の粉がかかるみたいで。


ふ〜、どうしたらいいものか。


「もう少しここにいるわ。ルーラ1人にしてくれる?」


前を見たまま言うと、

「かしこまりました。少し離れた場所におりますので、ゆっくりして下さい。」

「ありがとう。」

建物の際までルーラが離れて行った。


サラッとした風が頬を撫でていく。

花の良い香りも鼻を掠めて、落ち着くようだった。


そんな時。


(ルキアーナに入った君、聞こえる?)

耳元で聞き覚えがあるような声が聞こえた。


え?え?


周りを見るが誰もいない。


(返事してよ。なかなか会いに行けないから、わざわざ状況を伝えてあげようと思ってるんだから!)

あ、この怒った感じが懐かしい。


「ラウルね。」

(聞こえてるんじゃないか、返事が遅いよ!)


ふふふ、思わず笑ってしまう。

いつも怒ってる。その姿はかわいいんだろうな。


(あまり時間が無いから、いい、君の体を持ち帰って神達に相談したんだ。何故転移してきたのかは今調べてる。けどどの世界から来たのか見つけるには、もう少し時間がかかる。そしてやっぱり僕が思ってた通り、彼女の魂が覚生したら、君はその体から離れることができそうだ。その為の体も探してる。)


「という事はいつか私は、ルキアーナちゃんから離れて別の体で生き返れるの?」


(そう、そういう事。魂を復活できそう?だいぶその体に馴染んでるようだけど。)


「全然出来てない。不安要素が多すぎて、ルキアーナちゃんの環境を良くするように手は加えていってるんだけどね。まだまだ。」


(そう、焦る必要はないよ。こっちも時間かかるから、地道にやって。今日はそれだけ伝えたかったから。ちなみに君の本当の名前はなんて言うの?)


「千に笑うと書いて、ちえみ。」

頷きながら答える。


(チエミね、わかった。また連絡するけど、姿を変えて近いうちに会いにもいくよ。)


「わかった。ありがとう、ラウル。」

そう言うと、もうラウルから返事はなかった。


けど心の鬱蒼とした感じは吹き飛んでいた!


やった生き返れる!ルキアーナちゃん私頑張るよ!

ルキアーナちゃんも楽しく生きれるようにするからね!


そう思ってガッツポーズを上にあげて、空を見た。


べちょ!!

⁈⁈⁈


視界が閉ざされ、顔に何か引っ付いてきた。

驚きすぎて声が出ない。


引っ付いた物体がブルっと震えた。


ふわふわして暖かい。え、何、生きてる?


「お嬢様!大丈夫ですか?」

焦って来ただろうルーラの声がすぐ近くでする。


そっと顔についた物体に触れてみる。


おそらく感触から生き物ではないかと思う。

柔らかい毛がふわふわしてる。


「お嬢様、お取りします。」

視界が開けて見えたのは、焦ったルーラの顔とルーラが両手で掴んだ真っ黒な毛玉。


棒が付いていたら、埃落とすやつに見える。黒いモップ?


「ルーラ何それ。」

ルーラが手元に視線を落として、

「生き物のようです。急に空から落ちてまいりました。」


意味わからない。空から。


空を見上げてハッとする、さっきのもしかして。


ゆっくり毛玉に近付き、

「ラウルなの?」

小声で聞いてみる。


「…………」

でも返事はなく、全く動かない。


違うのかな? 

姿変えて会いに来るって言ってたけど。さっきのすぐすぎるか。


じゃあ、この子は何?


「ルーラ貸して。」

「あ、お嬢様、危険です。」

ルーラの手から毛玉を抱き寄せて膝の上に置いた。


ふわふわ、真っ黒艶々。毛がモップのように長くて、耳が長く垂れてる。

あれか、ロン毛のロップイヤーラビット?


「うさぎなの?」

私の呟きに、ルーラがうさぎを覗き込む。


「うさぎなのですか?普通のうさぎとちょっと違いますね。それに黒いうさぎっているんですね。初めて見ました。」

「王宮で飼ってるのかしら?」


「どうなんでしょうか?急に空から落ちてきましたから。」

ルーラが空を見上げる。


うんそうよね、私も急に顔に張り付いてびっくりした。


キョロキョロ見渡しても、誰もいない。

「このうさぎどうしよう。」

「殿下にお渡しになりますか?取次をお願いしてまいりましょうか?」


それは嫌だな、また会うのは。


それに明後日はまた王宮教養だ、その時エーデル侯爵か医務室に連れて行こう。


「連れて帰りましょう。すぐ王宮教養でお城に来るから、その時にエーデル侯爵にお渡しするわ。」

「え、持ち帰ってよろしいのでしょうか?」

ルーラが動揺している。


「大丈夫じゃない?探してる人も見当たらないし、この子をここに置いておくのも可哀想じゃない。」

そう私が言うと、ルーラは渋々頷いた。


「そうですね、置いては帰れませんので、そう致します。では私が捕まえておきます。」


ルーラが手を伸ばしたが、私はうさぎを抱っこしたまま立ち上がった。

一瞬クラっと立ちくらみがしたが、踏みとどまった。


「あ、お嬢様!」

ルーラが支えようと手を出す。


「大丈夫よ、少し暑かったのかしら?大丈夫。この子も大人しいみたいだし、このまま抱いて馬車に行くわ。帰りましょう。」


そうして私は空から降ってきた謎うさぎを抱えて歩き出した。


空から黒うさぎが落ちてきて、ラウルかと思ったって言ったらなんて言うかしら?

やっぱり、「なんで僕が黒うさぎなのさ!」

そう言ってプリプリ怒ってるラウルが想像できて、楽しくなる私なのだった。








閲覧していただき、ありがとうございます。


うさぎが空から降ってきましたね♪


面白ければ、ブックマークや評価をよろしくお願いします。

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