30 最悪なお茶会パートⅡ
閲覧ありがとうございます。
もっさり王子暴走で、壊れた城の一部を見て驚いた。
城の一部がごっそり無くなっていた。
やばいな、もっさり王子のパワー。
外と中から魔術師なのか、魔法で建物を直しているようだった。
凄いよね。大工が直すのではなく魔法で直すのが。やっぱり信じられない世界にいるんだなと実感する。
そして今日は本来なら王宮教養休みのはずなのに、お城に休日出勤。
何故なら昨日帰ったら、薔薇の匂いがする封書が届いていた。
見なくても分かる、毒クラゲ王子。
ここで倒れて見なかった事にしたい。
やっぱりあの含み笑い!………絶対いい事じゃない!
読むのを躊躇していると、父が帰ってきた。
よし、精神ショックの体調不良で休ませてもらおう!
「ああ、お茶会の誘いだね。今回は体調不良でも王宮医がいるから安心して、絶対来るようにって殿下に念押しされたから、必ず行ってくるんだよ。」
毒クラゲ王子に先手を打たれた!
キラキラ笑顔が思い浮かんで、イラッとした。
♢♢
というやり取りを昨日したのよね〜。
見上げる王城は今日もでかい。
案内されたお茶会の場所はガラス張りサンルームのような所だった。
お茶会と思うとなんか不服だが、そうでなければとても素敵な部屋だ。
遠くの景色は何処までも見渡せ、太陽の光が優しく入り飾られた華が生き生きしているようだ。
素敵!でも、気持ちが沈んで息を漏らす。
「本当、相手があれじゃなければ…。」
「あれとは私の事かな?かなり不敬な発言だけど。」
ビクッ!
まずい、聞かれてた。なんでいつも背後から現れるんだろう。
聞かれたものは仕方ないので、精一杯の作り笑顔を貼り付けてカーテシーをする。
「ご機嫌麗しく、殿下にご挨拶申し上げます。お茶会にお招きありがとうございます。」
「白々しい、嘘くさい笑顔は不要だ。記憶は戻ってないのだろう?今の君はそういう性格ではない。さっさと頭上げて、席につけ。」
せっかく頭を下げてるのに、相変わらずだ。背中から怒りが出そう。
我慢、こいつは年下。
「それはありがとうございます。猫を被らなくても良いので助かります〜」
ブリっとした動きで席につかせてもらう。
王子は片眉をピクリと上げて、自分も席についた。
今日は金に赤に黄色が太陽に当たってキラキラチカチカが2倍増し、目がやられそうだ。
いつもいつもなんであんなにキラキラしてるんだろう、王子の趣味なんだろうか。
私が首を傾げて見ているからか、王子もこちらを見て首を傾げた。
「なんだ。」
「いや、いつも光ってるなと。」
そう答えると、王子は髪をかき上げた。
「容姿がいいのはわかっている。好意は要らないがな。」
そういう意味じゃない。ハッとため息を付く。
「いや、服装ですよ。いつもキラキラしいなと。」
本当目がチカチカするから、上着脱いでほしい。
私の態度にイラッとしたのか、
「あの能面表情の下にそんな性格を隠していたのか。私くらいになると貧相な服装はできないからな。」
めっちゃ引き攣った笑顔でお茶を飲みかけて置いた。
「お金のかけ方が間違ってると思います。それに前の私の事は覚えておりませんが、今も前もいい子だったと思いますよ。」
「自分で言うのか。くっ、いい子ねぇ〜。」
そうよ、ルキアーナちゃんは絶対優しくて可愛いくて良い子だった。私はそう思う。
当然でしょという顔で一口お茶を含む。
相変わらず、お茶美味しい。
「それで殿下、今日は体調不良をおしてでも来いと言われた理由はなんでしょう?アプローチなら体調不良の見舞いだけで良いですものね。」
目だけで王子を射抜く。
一瞬王子は目を見開いたが、すぐにいつもの胡散臭い笑顔になった。
「本当に誰なんだ。話は君の活躍の件だ。」
「活躍………。」
眉が動く。そこに触れないでほしい。
「そう、魔物の呪いを払拭し、新しい薬を作り、詐欺まがいの解呪師を一掃。大したものだ。」
ゔっ……。
「魔物の呪いが間違いであった事を立証したのは、カーダス医局長で、新しい薬を作ったのはルンバール医師です。解呪師一掃もその御二方の活躍の副産物です。私の活躍ではありません。私は可能性の話をしただけです。」
否定すると、王子は目を細めて笑った。
「でも発案がなければ成り立っていない。それも発案者は王族の婚約者候補。」
むー。
「婚約者の活躍は私の名声に繋がる。素晴らしいね〜自ら活躍して。逃げ道は自分で閉ざす事にしたのかな?」
いい笑顔がめっちゃ腹立つ。
「そんな訳ありません。絶対逃げますから。」
胸の前に拳を握る。
うわー、なんで私が逃げようとすると、あんな悪そうな笑顔浮かべるの!引くんだけど。
「勝手にしたらいい。今日の要件は、ニキービの件で褒賞が君に与えられるようになった。」
褒賞?
聞き慣れない言葉に首を傾げる。
「褒賞だ。これだけの事をしたんだ。褒美を与えられてもおかしくはない。それと同時に君の周知も行う。君は生まれた時から私の婚約者候補だけど、君はまだ子供でデビュタントも終わっていない。それなのに君の名声が1人歩きしてきた。この間誘拐もあったばかりだ。そこで陛下が君の危険回避も兼ねて、褒賞を賜る際に君の顔の周知を行う事に決めた。」
…………デビュ?
聞き慣れない言葉がまた、よくわからないけど。
ルキアーナちゃんの危険回避か。
「要するに婚約者候補の名前は知ってるけど、ルキアーナちゃんが小さいから姿はあまり知られてなかったという事?で、顔を周知する事で危険もあるが、監視の目を増やそうと。私の姿を知る者が多ければ、誘拐や悪さをしようと思っても周りの目を気にして実行しにくいという事ですか?」
「自分でルキアーナちゃんと呼ぶのか。」
王子がバカにするような表情で笑う。
思わず手で口を押さえ。
「まだ、子供なもんで…。」
言い訳しながら目を逸らしてしまった。
「まあ、子供だな。そうじゃない時もあるが。それでだ、褒賞を賜わる際は貴族達が集まる。その際エスコートを私がする。」
え、めっちゃ嫌。
「そんな顔しても、これは決定事項だ。婚約者の座を確実にアピールする。」
顔に出てた。
「光栄に思うがいい。逃げても無駄だからな、君の活躍も有効活用させてもらう。君はいつもの人形のように立っていればいい。」
こめかみがヒクヒクする。
コイツ、バカにしてるんじゃないの⁈ ルキアーナちゃんはお前の装飾品じゃない!
「面と向かって自分の欲望を隠さない、ある意味凄いです。父もその日は王の側に、兄は警備でしょうから、エスコートが婚約者候補になるのは仕方ないですね。第二王子は人前に出てこれませんし、殿下しかいらっしゃらないようです。消去法です、仕方ありません。」
肩をすくめてみせた。
さすがに怒ったのか。目が座った。
「お前、調子に乗るな。不敬だ。」
美形が睨むと怖いが、この間のエーデル侯爵のが怖いから怖くない。
「全然構いません。むしろ不敬で婚約者クビになりたいくらいなので。」
しばらく睨み合う。
「…………ま、いい。私は私のやりたい様にする。」
そっぽを向いて。
「ではお話は分かりましたので、もう開きですね。失礼致します。」
立ち上がると王子が手で制した。
まだなにかあるのか?
するとまたキラキラしい笑顔に戻った。
「………。」
な、何が出てくるんだ?
スタスタ近寄ってくる。
背が高い。グッと身構える。
するとこれぞ王子という笑顔で、
「そう怒るな、喜ぶといい。君にメリットが無いのも可哀想だから、私が褒賞の際のドレスを贈ろう。」
と言った。
「え、要らないです。」
間髪入れず、思ったまま声が出ていた。
拒否されると思ってなかったのか、
「え、」
王子も時が止まったようにキョトンとした。
その表情がいつもより幼く見えて笑えた。
「目に悪いドレスになりそうなので、イマイチなキラキラドレスは遠慮します。家にドレスは色々あるので。無駄な経費はもったいないです。」
そう言って、ドアを見ると入り口に立ってるルーラが肩を震わせていた。
王子はすごくポカンとしている、よしすぐ去ろう。
キラキラドレス絶対要らない。
「では殿下、失礼します。」
そう言うと、殿下が正気になる前にさっさと部屋を後にしたのだった。
閲覧していただき、ありがとうございます。
第一王子の趣味は悪い……(笑)
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