3話
まったく!アキトのせいで俺は宿のベッドに寝れなかった!あいつが俺を起こせば昨日はベッドでのんびり出来たのに!
「ふざけるな!」
手に持っている俺専用の舞の道具である扇子をアキトに叩きつける・・・
「痛っ!?」
「いや、叩いたのはお前だろ?」
俺の右手に痛みが走りムカムカしてきた。
「イケ!ロウガ!」
ロウガに噛み付けと命令を出す。いけぇ!ロウガ!
「・・・いや、ロウガは居ねぇぞ?」
「そうだった!」
ロウガは大きく広い城とはいえ中に入れたら中の人達が驚くからと城の庭で寝ている。
「アホくさ・・・はぁ・・・」
そんな、ミリアをアキトは呆れた目で見ながらそのままメイドの人に・・・
「何時会えますか?」
「はい、すぐに会えます。今日は王の仕事は無いので。」
まぁ、この国の王の仕事は主に人に会い指示を出す。書類は文官が行い重要な決算などは大臣が行いそれのまとめを王が見るらしい。なので、そこまで忙しくはない。それに、魔法がある世界なので不正が難しい故に仕事を割り振ることが簡単に出来るらしい。
「なぁ、アキト・・・お腹空いた・・・」
ミリアは自身も王に会うとは思っていないので呑気に腹減ったとアキトに催促していた。
「大人しく待ってろ・・・そのうち飯も食える。」
そんなミリアをアキトは無視して歩みを進めていた。というか、朝からこんな調子でミリアにからまれていたので精神的に疲れていたアキトだった。
「そろそろ、着きます。」
そんな折に、メイドは王の間に着いたとアキトに伝えた。
「ミリア、頼むから大人しくしててくれよ?」
「うるせぇ!そんなことより飯だ!」
その次の瞬間にアキトは、爆弾を落とした・・・
「王に会うから。」
そして、それを聞いたミリアは・・・
「きゅう・・・」
気を失った・・・あまりのことに驚いて意識を失ってしまった。なにせ、ミリアは応接室で待つつもりで着いてきていたから・・・美味しいご飯が食べたくて・・・
「はぁ、だから待ってろと言ったのに・・・」
「相変わらず可愛いですね。ミリアさん・・・まぁ、同じ家に住んでいた。顔見知りのメイドである私が第一王女と言ったらどうなるかしら?」
それを聞いてアキトは、ため息を着きながら・・・
「やめてやれ・・・ミリアは、男なのにちょっとした事で気を失うくらいにはビビりなんだ・・・きっと謝罪ロボットになって謝り続けるぞ・・・」
アキトが、男と言った瞬間に王女はため息を着いて・・・
「まだ、気付かないのですか鈍感男・・・」
「俺が鈍感!?」
酷い言い草とアキトは、思いながら何を気付いてないのかを考え始めた・・・
「このままだと、ミリアは傷つきますよ?早く気付きなさいよ?親友なんでしょ?」
「そりゃそうだ!だから!何を俺は気付い無いの?シーナ!」
そういうアキトを無視して第一王女ことシーナはドアを開けて
「連れてきたわよ!パパ!」
「おう!よく来たな!アキト!」
「うるせぇ!静かに寝させろ!」
大きい声で、報告した王女に返事をした王を怒鳴る村人がいた・・・そして、状況を確認してまた意識を失った。