表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/21

20


 突然の悠里くんからの告白に混乱する私。

 混乱が収まらず、私がアタフタしていたため、悠里くんにタクシーに乗せられました。

 着いたのは悠里くんの自宅みたいです。

 大企業の社員さんだけあって良いマンションですね。



 「座って」


 「はい…」


 タクシー内で幾分か落ち着きました。

 と言っても、悠里くんの家に来ているので、心臓が煩いです。

 全身が悠里くんの匂いに包まれている感じがします。


 「俺は楓が好きだ。昔もそうだった。責任なんかじゃない」


 「うう…」


 悠里くんは、ソファーに座ると私を抱きしめてきます。

 暑いです。

 真冬なのに暑いです。


 「会社で楓と分かったときに改めて好きだと思ったんだ」


 「………」


 「嘘じゃない」


 「うう…」


 悠里くんから愛の告白です。

 今までも2回告白されていますが、こんなにドキドキするのは初めてです。

 自分でも顔が赤いのがわかります。


 「楓、俺じゃダメかな?」


 「…ダメじゃないですけど」


 「けど?」


 「私は悠里くんに釣り合いません。私みたいな女と悠里くんじゃ不釣り合いです」


 私だって昔悠里くんが好きだった。

 あんなに優しくされたらどんな女でも落ちちゃいます。

 私も見事に落ちちゃいましたし。


 「本気で言っての?」


 「そうでしょう?私みたいな田舎娘…んんっ!?」


 「…悪い口はお仕置きだ」


 悠里くんにキスされました。

 まだ何も言ってないのにキスするなんて最低です。

 でも、私の心は喜んでいるみたいです…。


 「楓、今日みんなに何か言われなかったか?」


 「はぁ…」


 今日の出来事を話す。

 皆さんが雑誌の女の子に比べて可愛いと。

 私が可愛いわけないですよ。


 「それが一般常識だ」


 「はぁ…」


 「いいか。楓は十分可愛い」


 「可愛くないです…」


 「自己評価低すぎだろ…」


 そう言われましても…。

 自分のが可愛いなんて言える程、私は自意識過剰じゃないです…。


 「改めて…。楓、俺と付き合ってください」


 「うう…」


 「楓は俺のこと嫌い?」

 

 「…嫌いじゃないです」


 「好き?」


 「…多分」


 悠里くんのことは嫌いじゃないです。

 好きです。

 全てを打ち明けてくれた悠里くん。

 昔のように優しい悠里くんにときめかないなんて無理です。


 「なら、大丈夫だ」


 「だいじょ―――んっ!?」


 まだ返事もしていないのですが…。

 悠里くんはキス魔です。

 痴漢です。

 変態です。


 「キスは初めて?」


 「初めてじゃないです…」


 「そ、そうか…」


 初めてじゃなくても顔は真っ赤になります。

 昔みたいに頬じゃないですし…。」

 なんで悠里くんは落ち込んでいるのでしょうか。


 「私のファーストキスは悠里くんじゃないですか。昔頬にしたことあります」


 「…あ」


 「忘れてたんですか。最低です」


 「ごめん」


 悠里くんは忘れていたようです。

 私は悠里くんとしかキスしたことないです。

 謝りながらキスされても困ります。

 

 「ごめん…。ちゃんと責任取るから」


 「え…、ちょっと悠里くん!?」


 悠里くんがソファーから私をお姫様抱っこで抱き上げます。

 た、高いです…。


 「きゃっ…」


 「我慢の限界…」


 「いやぁ…」


 悠里くんに襲われています。

 現在進行形で襲われています。

 ちょっと待ってください!


 「待って…!」


 「ダメ?」


 ダメじゃないです。

 ダメじゃないですけど…。


 「…悠里くんに襲われてないということでしたので」


 「そうだな」


 「…その、私…初めてです」


 悠里くんに襲われて処女じゃくなったと思っていましたが、悠里くんには襲われていないようですので、私は未経験です。

 恥ずかしながら、21にもなって処女です。

 未経験です…。


 「俺が初めて?」


 「…そうですね」


 「優しくする」


 「…昔の記憶を上書きしてください」


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ