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ヴァンパイアパラダイス  作者: ピルルピピ
1章 ヴァンパイア少女優衣
5/46

第5話 救出少女

今回は少し痛い表現があるので苦手な方は十分に注意してください。

 あと、第3話なのですが雪菜と氷麗を入れ替えて書いていました。

 自分のキャラを間違えるなんて情けないです…

 どうしてこうなった…


 優衣が起きて最初に見た光景は水浸しの自室。

 昨日の夜はなんともなかった部屋が見るも無残な有様だった。


 こんなことをするのはあいつしかいないな…


「コラァァ!とうこぉぉぉ!!

 あんたまたなにやらかしたんかぁぁ!!」


 優衣の怒りゲージがMAXに。

 女の子とは思えない声をあげながら寝ている東子を叩き起こす。

 

「ふぇ!ユイユイ?

 一体私に何をしようって言うの?

 助けて雪菜ぁー、ユイユイに襲われるぅぅ!!」


「…うるさい」


 ビシャァァァァ!


「グハァァ!」


 雪菜が東子に向かってまるで水鉄砲のように水を打ち出した。

 その威力は強力で、東子が後ろに吹っ飛ばされて押入れに突っ込んだままのびていた。


「それかぁぁぁ!」


 真犯人は雪菜だった。


 寝ている間にそこら中に水をばら撒いていたらしく、無意識のうちに能力を使っていたようだ。

 そしてもうひとつ分かったのは、雪菜は水に関する能力を手にしたということ。

 水や氷のように冷たい彼女の性格からしても十分に納得できる能力である。

 

 しばらくして、5人がリビングに揃ってその力について話し合うことにした。


「すまない優衣。部屋をあんな風にしてしまって…」


「いやぁ、まぁ、寝ている間のことだし仕方ないよ。

 後でちゃんと片付けておいてね。」


「分かった」


「それにしても能力が勝手に発動するなんてこまりましたね。

 もし火の能力とかが発動していれば今頃家がなくなっていたかもしれません。」


「ほんとそうね。もしそうなっていたかと思うとゾクゾクしてくるわ。」


「雪菜ぁ、どうやって水を出すんだよぉ?

 ちょっとやってみてくれよ〜。」


「うん、頭の中で水をイメージしてから、体内から水を出す感じでこうすれば…」


 またしても雪菜の手のひらから水が放出する。

 だが、朝の時よりもかなり威力は弱くなっていた。


「おぉぉ!!すっげぇなぁ雪菜!

 これなら断水の時も困らないし、喉が渇いたら飲めるしめっちゃ便利だな!

 ………あれ?雪菜、どうした?」


 東子が問いかけるが、一向に返事をしない。

 そしてそのまま雪菜は床に倒れてしまう。


「雪菜!」


「雪菜さん!」


「ちょっと雪菜!しっかりしろよ!」


「雪菜さんどうしたんですか?返事をしてください!」


 雪菜は目をつむったまま動かない。

 体もどんどん冷たくなっていった。


「ま、まさかこれは取説にも書いてあった血の使いすぎなのでは?」


 氷麗がそういった瞬間優衣はキッチンへと急いで向かい、包丁を手に取る。

 そして、雪菜の近くに寄ってから自分の手のひらをためらうことなく包丁で切った。


「痛っ…………クッ……」


 優衣のその行動にみんなは唖然として見ているしかできなかった。

 氷麗にいたっては見ていられずに二階へと逃げていってしまった。


「ユイユイ……」


「お願い……ちょっと雪菜を支えてて、グッ!……早く!」


「わ、分かったよ。」


 優衣のその形相に東子は圧倒される。

 こんな顔をする優衣は見たことがなかった。


「はぁ…はぁ…、雪菜ぁ!!

 私の血を飲んで!

 頼むから死なないで!!」


 優衣は自分の手のひらに深々とあいた切れ目から流れ出る血を雪菜の口に注ぐ。


 そのおぞましい光景はリビングをしばらくの間静まりかえらさせた。


 

 優衣は友を失うことを何よりも恐れる。

 優衣は孤独であることの辛さを知っているために孤独であることを嫌う。

 優衣は雪菜を救うために必死だった。


 後で自分の手のひらを切ったことがトラウマになってしばらくご飯を食べられなくなってしまう程にだ。


 結果として雪菜は無事に回復することができた。優衣のとっさの判断によって瀕死だった雪菜は元どおりとなった。だが、目が覚めた時に見た優衣の手のひらの大きな傷を見た時、雪菜は思った。


 私は命を救われたのだ。


 雪菜はその後、自分が軽率な行動をしていたのだと理解した。これは遊び半分で使うべき能力ではない。取説にも書いてあったように自分の命は優衣によって成り立っている。つまり優衣が死ぬことはここにいる全員の死ということを意味する。


 今の行動を見てもわかるように優衣はとても優しい。優しい上に自身を顧みず友人を助けるような人だ。

 これではいつか私たちの誰かと引き換えに優衣が死んでしまうのではないか。そんな微かな疑問が頭をよぎる。


 そんなことは絶対にさせない


 雪菜は心にそう誓った。


 


 後日、優衣を除く4人がそれぞれのうちに帰り、優衣の手のひらの傷は綺麗さっぱりと消えてトラウマもある程度回復してきた頃、一通の郵便が届く。


 内容はとても深刻なものだった。


『〜ヴァンパイアキットをご使用の方に緊急連絡〜


 この度、連絡をさせていただいたのはヴァンパイアキットをご使用の皆様に危険が及ぶ可能性があると弊社が判断したためであり、これをお読みになった皆様には早急な対応が必要となります。


 先日、ヴァンパイアキットをご使用の方が別の使用者に殺害される事件が発生致しました。

 この事件の犯人や詳細は未だ不明ですが、以降も同様の事件が発生する可能性が高く、犯人の目的もヴァンパイアキット使用者とおもわれます。


 弊社でも捜査中ではありますが皆様も十分に警戒し、なるべく単独で行動しないようにお願いします。』


 

 優衣は急いで家を飛び出して全員の家へと向かうのであった。


 最近修正ばっかしてる自分。

 だって見直せば見直すほど自分の力のなさを実感するんだもの。

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